自分にできることが嬉しいにかわるとき
南相馬市に帰ってきて10年以上がたって、自分の中のドロドロしたものがようやく出し切ったころ。ようやく大人になろうと素直に思えた気がして。
南相馬臨時災害放送局
震災後の2011年に開局された、後の「南相馬ひばりFM」である番組を担当していました。
若者たちのRADIO会議
7:58〜からめちゃ笑えます
約6年くらい放送してきました。いきさつとかはまた別に話すこととして、何にしても続けることの大変さってやったことのある人にしかわからないと思うのですが、このラジオ番組はやっててすごく楽しかったんです。その理由をお話したいと思います。
ネタの宝庫のTくん
素人がつくる番組なのでちゃんとしようとしたらきっと面白くないでしょうね。プロに素人が同じ土俵で戦っても勝てるわけがありません。「ないもの」に目をつけるのではなく「あるもの」に目をつけました。メンバーのTくんは別称「ツーグル」や「ツルペディア」と言われるほど、話のネタが豊富でした。なにより小学校や中学校の面白い思い出話をたくさんもっていて、飲み会の時には何十回もその話しを聞いていました。当時は「また同じ話がでた」とオチがわかっていても彼の話は面白いので最後まで聞いていました。
ズれているHくん
ズットズレテルズっていうバンドがありましたが、彼はそのメンバーであってほしいというくらいにまわりが求めていることと逆をいくHくん。そんな彼にTくんが「お前、ぶっ殺すかんな!」「お前んち爆破してやる」というやりとりがとても面白くて。そんなHくんはひたむきな真面目さと、寛容な広い心の持ち主というのもあり、どこか憎めない、むしろその強烈なキャラクターに私は憧れさえもつくらいです。
やりたいようにやらせてくれたディレクターのKさん
私をラジオ番組を担当するきっかけを与えてくれたKさん。矯正かけるところは言ってくれてバランスをとってくださる、しかし基本は私たちに任せるというスタンスで静かに見守ってくれました。その枠の中で私たちは自分たちのやりたいことができたと思います。
自分たちでやるからおもしろい
「若者」や「素人」ってだけで十分未熟です。勢いだけでやれるほど長く続けるっていうのは簡単じゃないです。きっと中心にあったほうがいいのは「自主性」があることでしょうか。自分たちで考えて、それを出して、反応をみて反省して次に生かして。それを繰り返すことが成長に繋がると思います。音声なので客観的に見やすいというのもあります。
街に寛容さはあるか?
良いメンバーとKさんとラジオとで被災地の南相馬市で唯一「バラエティー」というジャンルを確立できたと自負しています。この記事を書くきっかけになったのは、若い人がいるのに若者が少ないと言われる所以はなんだろうと考えたときに、そう言う人は若者との接点がないのかな?とも思った。若者に活気がある街がお好きなら、若い人にチャレンジするきっかけを与えてみてはどうだろう。もちろん失敗はするしうまくいかないこともたくさんあるはずだ。でも次世代を担うために必要な「経験」を与えているのではないだろうか。「答え」を与える大人は優しくない。
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