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フライトシミュレーターの世界

飛行機という存在。
どこまでも私たちを運んでくれるもの。
あんなに大きくて重い物体が空を飛ぶという奇跡。

身近なようで奥が深いもののように感じます。
実は知らないことばかり。

たとえば、
着陸するとき飛行機の中央辺りにある車輪を初めに着陸させて、しばらくそのまま走ってから前輪を着陸させるということ。

羽田空港など、ひっきりなしに飛行機が離着陸するような空港の管制官は集中力がかなり必要になるため、結構短時間で交替すること。

飛行機によって翼の形が異なるが、風の影響度合いが違うこと。

飛行機内で呼吸ができるのは外の薄い空気の濃度を濃くしてから機内に流しているおかげということ。

飛行機内の湿度は0%だということ。
(どおりで肌の乾燥が酷いわけだ)


私が知らなかったことは山ほどあります。
何度もフランスに飛んでいるはずなのに気にしていませんでした。目を向けていなかった、という言い方が正しいですね。そんな私が今回面白い世界に出会うことができました。

それが、フライトシミュレーターです。

ご紹介するに至った経緯

本日まで長期間旅行をしていまして、合計で4回フライトがありました。夫は乗り物系が好きでかなり詳しく、趣味で飛行機を飛ばすことができるシミュレーターをやっています。これがまたリアルで、行き先に行くにはそれ相応の時間がかかるのです。たとえば、シミュレーターといえどシドニーに行くには8時間くらい飛んでる必要があります。休日は基本的に夫が飛行機を飛ばしていますので、我が家の仕事部屋は通称コックピットと呼ばれています。

今回の旅行を計画した時点で、フライトやレンタカー、ホテル以外に夫がちゃっかり予約していたもの。それがフライトシミュレーターです。実は羽田空港に実際のコックピットさながらの操縦席でフライトできるものがあるのです。

お値段なんと、45分16,500円……!

そんなに?!と思いましたよね?そうですよね、私もそうでした。が、あまりに夫が楽しみにしているようなのでそれほどのものなのかと私も同乗(同席)させてもらいました(その後の旅行ではわがままめちゃめちゃ聞いてもらいました)。

このシミュレーター、おおよそ1畳程度のコックピットに乗り込み、操縦桿やボタンなどを操作することができます。

その名も"LUXURY FLIGHT"!
内部はこちら!
(撮影許可いただいてます)


フライトシミュレーターの内部公開!

わかりますか、このクオリティ……
こんな世界が小さな部屋のなかで広がっていたのか……驚きです。

本来パイロットはキャプテンと副キャプテンの2人体制。シミュレーターでも操縦するのはもちろん体験者ですが、隣にトレーナーさんが付いてくれます。

実はこのトレーナーさんたちもまたすごい。退役された元パイロットや小型飛行機の免許を持っている方、元航空自衛隊の方など、本当に空を飛んでいる(飛んでいた)みなさま。そんな方から直々にご指導いただける機会なのです。

私自身に置き換えてみると、今最前線をひた走るライターさんにフィードバックとか面談をしてもらえるようなもの。

うん、やる(迷わずyes)。

そして実際に同乗させてもらった感想を一言でお伝えすると



すごかった(語彙力皆無)。



好きな人にとっては、これはやりたくなるのも納得でした。同乗したときの迫力はもちろんなのですが、何がすごかったのか3つのポイントに絞ってお伝えします。


すごいポイント1. とにかくリアル

これはゲームではなく、シミュレーター。
コックピット内がリアルなのは前述の通りですが、周辺の風景もある程度再現されていました。今回、羽田空港周辺をタッチ&ゴーという離着陸の繰り返しを体験していたのですが、たとえば、スカイツリーや東京タワーが見えます。
ちなみに、どんなフライトにしたいかリクエストできるらしいです。夫の希望はタッチ&ゴーでした。
また、天候や時間帯も変えられます。夜間飛行にしたり、雨や雪を降らせることもできます。稲光も見えました。シミュレーターなので、このようにいろんなパターンの経験を積むことができるのです。


すごいポイント2. トレーナーさんとのやり取り

トレーナーさんたちはもちろんシミュレーターのことを知り尽くしています。が、一応夫も毎日のように自宅で飛んでますのでボタンや操作ひとつひとつをある程度理解していました。やっているうちに「あ、この人わかる人だな」と判断されたのか、途中から専門用語?パイロット用語?でやり取りを始めていました。もちろん私にとっては何のことやらわからないレベルです。想像するに、車輪を下ろすとか高度やスピードの調整とか、そんなやり取りなんだと思います(あくまで私理解)。フライト中はこうやって会話してるのか……と個人的には驚きでした。


すごいポイント3. フライトに対する想い

シミュレーターなので、もちろん人の命はかかっていません。それでもトレーナーさんたちの抜かりなさにはプロ精神を感じました。体験が終わるたびに一旦機材の調整をします。いわゆる「整備点検」です。整備後に夫の番がきましたが、ちょっとだけ調整がずれていたようでした。そのまま続行もできるくらいのレベルだったようですが、「もう一回整備してもいいですか?」とトレーナーさん。ベテランのトレーナーもいらっしゃって、状況報告や再整備をしていました。何がおかしくてどういう状況に陥ってしまっているのかしっかり説明してくださいました。真剣に取り組まれてる様子がかっこよかったです。
またフライト中、夜間飛行も体験しました。そのとき「この星空、星座とかになってるんですかね?なってたらいいなぁ!」とか「今後フライトシミュレーターがこういうふうになっていけばいいな」とか「先日こんなシミュレーターやってみたんですよ」とか、夫はもちろんのことトレーナーさんご本人も本気でシミュレーターを極めつつ、心から楽しんでいる印象でした。

これがプロフェッショナル、「好きを仕事に」なのかなと実感しました。


帰り際に思ったこと

シミュレーター帰り、夫は少年のような顔つきでした。本当にいい経験ができたんだなと、その表情を見て私まで嬉しくなりました。

絶賛キャリアの方向性迷走中の私ですが、夢中になれる世界、好きを仕事にできるような世界に出会いたいと改めて思います。

夢中になれるって、とても素敵なこと!


LUXURY FLIGHT のホームページはこちら


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