ヤンデレすしざんまいASMR風ボイスドラマ台本

ヤンデレすしざんまいASMR風ボイスドラマ
【ヤンデレの板前彼氏に愛され過ぎてトロも握れないCD】


らっしゃいませー! あいらっしゃいませー!
お一人様ありがとうございまーす! 本日板前担当させていただきます【あなたの名前】と申しまーす!
16卓入りました! ごゆっくりどうぞー!

(咳払い)

ねぇ、店には来ないでって言ったじゃん
え? どうしても会いたくなった? …仕方ないな、お任せで良い?

分かってる、茶碗蒸しはもう蒸してあるよ。すぐに出てくるから
今日のお味噌汁はアオサなんだけど……、まぁ、僕が普段作るお味噌汁よりは微妙かもね
だから言ったじゃない。君のためにいつでもお寿司を握ってあげるって。わざわざお店でお金を払う必要なんてないのに

当たり前だろ? 僕は君の、玉子様なんだから……
そう、板前ジョーク。王子様と掛かってる。今日の玉は、甘めの煮切り醤油と合わせようと思ってね?
邪道? そう言わないで試してみてよ。

まぁ、最後の楽しみに取っておいて
それじゃ、飲み物はどうしようか? うん。お酒でもいいよ? 帰りは送ってあげる

鹿児島の良いお酒が入ったんだ。日本酒、好きでしょ?
ビールは小グラスで出すから、突き出しを食べ終わったら考えてみて。

(二名様ありがとうございまーす)
ありがとうございまーす!!

私のことだけ見てって、だからお店に来てほしくないんだよ
声が小さいとマネージャーに怒られるんだもん。仕事と私どっちが大事って、ありがとうございまーす! キミのために仕事をしてるんだから、キミに決まってる

寂しい思いをさせてごめんね。
帰りにお刺身をもらって来るから、お家でゆっくりトロタク巻こうね、僕の茶碗蒸し様…

そう、板前ジョーク。プリンセスと掛かってる。茶碗蒸しって、あれプリンみたいなもんじゃない?

はい、突き出し。カウンター、前失礼するね(コトっ)
そう、僕が作ったんだ。ホントは今日の仕込みは僕じゃないんだけど、キミが来たのを見たからさ、後輩に代わってもらったんだ

当然、穏便にね。
大丈夫、怖いことはしてないよ。さぁ、ビールだ。僕は飲めないから、煮切り醤油で乾杯(コチン)

……まって?

ねぇ、

…………他の酢飯の匂いがする。

ウチが使ってる酢じゃないよね? こんな下品な、下品な匂いの酢なんて使ってない

嘘でしょ。え、まさか。……他の男に握ってもらったの? ありがとうございまーす!!

ねぇ、ねぇ。僕の目を見て? しらない? そんなわけないじゃん。僕がこんな酢を使うはずないよね? なにこれ。どこの酢?

しらばっくれてないでさぁ。どこの酢だって聞いてるんだ!(ドン!)
失礼しましたー! 布巾追加お願いしまーす!

ほら見て? キミが嘘つくから煮切り醤油がこぼれちゃった…
これでもまだ嘘つくの? もう、どうなっても知らないよ? じゃあ次は、キミのカウンターにマヨネーズと粉チーズをぶちまけようか?

そんなことできるわけないって? ありえないことを先にしたのは君だよね? いいよ。じゃあ、やってあげる。

マヨネーズ粉チーズお願いしまーす! いいからお願いしまーす!

……ほら、すぐに来るよ。カウンターがシーザーサラダになっちゃうね? その上で寿司食いな? いやだったらホントのこと言って? ほら、早く!

……友達と女子会?
へぇ? 何食べたの。ちらし寿司……? そっか、やっぱり、そうだったんだ

もういい。あーあ。全部馬鹿らしくなっちゃった。
ホントは今日のお任せに良いマグロが入ったんだけど、もういいよね? は? なに? 許して? 何を?
口に出して言ってよ。何を許してって? 他の店の、ちらし寿司を食べてしまってごめんなさい? 分かってるじゃん。じゃあ分かよね? 許せるわけないじゃん

それも、よりにもよってちらし寿司なんて…! ねえ、僕の何が悪かったのか教えてよ。キミのことずっと大切にしてきたのに。何が不満だったの?
不満なんてない? じゃあありえないよね? そんなこと! マヨ粉チーありがとうございまーす!!

うん。来たね。マヨ粉チー。
見て、周りのお客さん。みんな、キミが寿司にこれを使うんだって思ってる目で見てる。可哀そうに。変人扱いだね?

……やめた。こんなことしても何の意味もない。
許してくれるのかって? 何言ってんの? 許すわけないじゃん

もっと、もっと罰を与えないと行けない。キミはいけないハマチちゃんだから、分からせてあげないと
は? 板前ジョーク? ハマチが何に掛かってるって言うの? あーあ、全然真面目に聞いてくれてないんだ

もういいよ。全部終わりにしよっか

これ、なんだかわかる?
そう、マグロ。大間じゃないけど、味に遜色はない。というか、大間だって結局太平洋沖でとってるんだから他所で買っても同じマグロでしょ? 何話変えようとしてるの?

これ、ここ見て? 分かる?
そう、よーくサシが入ってる。霜降りの一級品。今日のメインに使うはずだったんだよ? でも、キミのせいで台無しだ

16卓! 煮えたぎった湯をお願いしまーす!!
……湯をどうするのかって? 分かってないな。キミに反省してもらうのに使うんじゃないか

よく聞けよ、この裏切り者。
僕は今からこれ、このマグロを、雑に煮てシーチキンにする。

ありえない? やめてくれ? 考え直して?
ははは、でも君はやめなかった。他所の店のちらし寿司は美味しかった? 汚らわしいガリをどれだけ貪ったの。この豚が。

これは罰だよ。僕だってこんなことはしたくないけどやめられない。
あーあ。もう来ちゃったね、お湯。

ほら、グツグツ煮えたぎってる。
これにマグロを落としたらどうなっちゃうんだろう。想像できる? キミみたいな裏切り者に想像なんてできないかな?

いいかい? ここ、このサシが甘い脂なんだ。ヒトの体温で解れて蕩ける良質な脂。これがゴリゴリに溶けてパッサパサのシーチキンになる。
想像できるかな? こんな茹で方をしたらきっと、もはや汁の方が美味しくなるレベルだろうね。でも、やるしかない。キミに罰を与えるために

お会計をお願いしても無駄だよ? 周りのスタッフに気付いてもらおうとしたってね。だって、今日は僕が一番先輩なんだ。周りを見てごらん?
ほら、僕よりも若い人しかいないだろ?

16卓様ご延長頂きましたー!
(ありがとうございまーす!!)
……ほらね?

じゃ、茹でるから。最後に言い残したことはある?
……いいよ。あるなら言ったら?

他の店じゃ満足できなくて、僕の店に来た?
すぐにでも口直ししたくて? だから本当にあなたの寿司を愛してる?

へぇ? だからなに?

なんて自分勝手な言い訳なんだろうね? 試すようなマネされて、それで信頼は揺らいでないって?
お前みたいな女は、きっとまた同じことをする。だから、今日で全部おしまいにしようよ

大丈夫。みて、さっきのマヨと粉チーズ。
キミも、この二つで作ったシーザーサラダドレッシングをかけてツナを食ったら、自分がどれだけのことをしでかしたか理解してくれるはずだよね?

ああ、私はツナがお似合いの女なんだって。裏切り者の末路はこうなんだって
今後君は、ツナマヨおにぎりを見るたびに今日のことを思い出すんだろうね。そうして本当に反省したら

許してあげるよ、キミのこと。
キミみたいなツナマヨ食いを愛してあげられるのなんて、僕だけなんだから――

あー。気絶しちゃったか。
可哀そうに。マグロへの愛は本物なのに、どうしてこんなに愚かなんだろうね。

(溜息)

16卓さんおかえりでーす! ありがとうございまーす!!


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