sacaikumi

在英グラフィックデザイナー/アートディレクター・2022年秋からセントマでMA Gra…

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在英グラフィックデザイナー/アートディレクター・2022年秋からセントマでMA Graphic Communication Design勉強中✍🏼 noteはデザインと関係ない日々のこと https://www.instagram.com/__sacai/

マガジン

  • Essay

    1000文字以下の短い文章。不定期的に、ざっくばらんに書いていきます。

  • 読書感想文

    2022年7月〜InstagramにまとめていたBook Trackingをnoteにも掲載していきます。1年で50冊を目標に読んでおり、そのうち一部を紹介しています。 読んでいる本はデザイン・アートディレクションなど仕事に関連する本、大学院での学びに関連する本、好きな小説・気になった学問の開拓など雑多です。

  • 考える

    日常の中で無意識のうちに根付いている文化や思想を通した価値観を見つめ直す場所。

  • 海外移住記録

    2020年からスタートしたイギリスでの暮らしと2022年秋からの大学院での日々を綴って行く予定です。

最近の記事

  • 固定された記事

海外移住生活、第二幕スタート

2022年の夏、ようやくイギリス生活第一幕を閉じられたような感覚になったので、記録として文章を残しておくことにします。 どうして第一幕を閉じられたと感じたかというと、2021年3月に取ったYMSビザ(イギリス版のワーキングホリデービザで2年間滞在が可能)が終了したあとの生活の目処が立ったからです。 今年の春、イギリスにある美術大学のひとつのMAグラフィックデザインコースに合格し、それに必要な英語の実技能力試験(IELTS)もパスして、あとはビザを切り替えるだけの所まで来る

    • 灯台

      33年の人生の中で一番むずかしかった時期が14歳〜21歳までの七年間で、私はたぶん、その時の悲しみをいちど心の底に沈め込んだまま忘れちゃうことで、残りの20代を乗り切った。 つい最近まで、その箱を開ける勇気なんてなかったし、 一生あけなくたって人生幸せにやっていけるだろう、とさえ思っていた。 だけど、自分が人生で受けた傷は自分にしか癒すことができなくて、悲しい感情から目を逸らさず、ちゃんと悲しかったって思っていいんだと、むしろ思うべきなんだと気がついて、一年弱の時間を費や

      • 読書感想文(2022年11月〜12月分)

        大学での課題に追われる中で、芽がぐんぐん伸びていくようにデザインをいろんな角度から学び直すことに興味が膨らんでいった時期。でも、大学からも貰う課題図書は英文がかなり硬い文章で読みづらく、プライベートにはもう少し読みやすい英文を読みたいな、と思って手に取った本たち。 12月は冬休みに入ったので小説と、大好きな原研哉さんの本を読み直して心のリセットを行いました。 ●CREATING A BRAND IDENTITY (著)Catharine Slade ブランディングについて

        • 読書感想文(2022年10月分)

          2022年10月は大学が始まり、大学から指定された課題図書を読む時間が多く増えました。その課題図書がグラフィックデザインを学ぶための本というより、アート・デザインがどのように哲学や社会問題と関わっていくべきかなど道徳的なことに関する内容が多かったので、母語である日本語で哲学に関する基礎的な知識をつけた方が英文図書が読みやすくなる、と思って課題図書選びをしました。 - ●直感と論理をつなぐ思考法 (著)佐宗 邦威 九月に読んだ「13歳からのアート思考」の本の後書きをこの本

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        記事

          読書感想文(2022年7月〜8月分)

          2022年7月から自分が普段読んでいる本の要約と感想を簡単にインスタグラムのストーリーにアップするようになりました。周りの人に読んだ感想を伝えることがモチベーションとなり読書量を増やすことができたので、まずはそのログを少しずつnoteにもアップし、今後はより沢山の方に読書感想を読んでいただくために同時公開という形で読書感想ログをあげていきたいと思います。 ●新ラグジュアリー(文化が生み出す経済 10の講義) 安西洋之 (著), 中野香織 (著) ラグジュアリーの歴史と共に

          読書感想文(2022年7月〜8月分)

          心が強い人なんていない

          私には時々「まっさらな日」が必要で、そういう時、丸一日ほとんど何もせず眠っているだけの時間を過ごす。 そのまっさらな日を計画的に実行することはまず無くて、体調不良と同じように、ある日突然動けなくなる。ただ、風邪はひいてないし、具合が悪いわけでもない。社会的にはあまり赦された行為ではないので「体調不良」としてきたけど、もっと正確に言葉を与えるなら「何にも出来ない日」。 昔から自分にはRPGのHP的なものがあるような感覚がある。体力のバーと気力のバーが2本。体力の方は、運動し

          心が強い人なんていない

          良い先生とは?

          今までの人生の中で出会ってきたたくさんの先生たちの中で、色濃く記憶に残っている人が何人かいる。 なぜ10年以上経ってもずっとその先生達のことを鮮明に思い出せるのかというと、共通して情報以上に大切なことを教えようとしてくれていたからだと思う。 私は高校生の時荒れ放題な生活をしていたので、高2の終わりの偏差値は数学以外は50を下回っていた。周りの大人達の誰もが私の大学入学を諦めている中で曙橋にある小さな個人塾を紹介してもらい、私は1年間そこに通って、各教科偏差値を20ずつ上げ

          良い先生とは?

          漢方の先生が教えてくれた、幸せな人生のレシピ

          7月はほとんど家にこもっていたのでなるべく毎日noteを更新するようにしていましたが、無事体調が良くなったのでこれからはまた時間のある時に少しずつ書くリズムに戻します。 = 今、アトピー性皮膚炎と自律神経が弱い体質をカバーするために月に2回中医学のドクターの家に行って、漢方を処方してもらっています。 先生は上海出身の女性の方で、私の大学のコースメイトがぼろぼろの私をみてお勧めしてくれました。薬代は月に〜2万円ほどするので安くはないものの(ロンドンの物価を鑑みると、彼女が

          漢方の先生が教えてくれた、幸せな人生のレシピ

          Essay day14. わたしが泣くときのこと

          最近、自分の身の回りに居てくださる方々がとにかく素敵な人たちばかりということに気づくことが出来た。 それは何も人間関係がガラッと変わったわけではなくて(日本に帰国していく人たちを見送りながらゆったりと移り変わってはいる)、主には自分が今周りにいてくれる人たちを見る目線を変えたんだと思う。 そして、そんな風に私を変えてくれたのは日本にいた時から私の周りで私を長いこと信じてくれてる人たちなのだと思う。 この数年間、デザイナーとしても大人としても自分自身と向き合い続けてきた中

          Essay day14. わたしが泣くときのこと

          Essay day13. 忙しいほうが好きみたい

          久しぶりにゆっくりする時間が持てて、1ヶ月かなり自分の時間に余裕がある生活を送らせてもらったのですが、、もうギブアップ。 だめだ!!!!! 忙しくなりたくてしょうがない!!! 頭のなかにいくつもの締切があると確かにずっと色んなことを考えながら生活することになるけれど、その切迫感も含めて、私はある程度以上忙しくないと無理な人みたいです。 「心の余白」と「時間の余白」が比例しないのはなぜだろう。あまりの時間がたくさんあったほうが良さそうなのに、不思議だなあ。 ・・・ 金

          Essay day13. 忙しいほうが好きみたい

          英語の勉強に使っているPodcastを紹介します

          こんにちは。早いもので、最初にロンドンに住み始めてから3年半が経ちました。イギリス移住を夢見始めたのはもう6年も前になるので、私のゆるーい英語学習もそれなりに長くなってきています。 私は英語学習にPodcastを聴くのが一番好きです。映画やドラマだと視覚・聴覚の両方のリソースが割かれるのに対してPodcastは耳だけあけておけば良いので、散歩している時・料理している時などの「ながら」学習にちょうど良いところや、映画・ドラマなどで時代背景が特殊な場合はすごく古い言い回しが多か

          英語の勉強に使っているPodcastを紹介します

          Essay day12. 一番古い記憶

          私は、人生のなかで経験したすべてのことを脳は実は覚えているんじゃないかと信じている。ただ、引き出すことが出来ないだけで。 なぜそう思うかというと、色んなことをうまく忘れてしまえないと辛い記憶が蓄積されて生きることが怖くなってしまいそうだから。 それで、今の自分が思い出せるできる限り古い記憶について考えてみることにしました。 私の場合は、幼稚園に上がった後の記憶が断片的に映像として残っています。 でも、覚えているのは音のない映像の記憶ばかり。色はついていて、園児はいない、写

          Essay day12. 一番古い記憶

          Essay day11. 戦うことについて

          私たちは日常生活の中でいつも何と戦っているのか。あるときは同じ目標を持った他者であり、制限時間であり、睡魔とか食欲みたいな自分の内側から沸き起こる欲望だったりする。 大抵は「打ち勝つ」ことが成功とつながっているから、人は日々の生活を努力していると考える。 では、もし、ピアノを弾くのがとにかく楽しくて弾いてるうちに上手くなり過ぎて、弾いてるだけで生計が立てられるようになって、毎日ピアノと遊んで暮らしてる人がいるとしたら、その人は何かに「打ち勝った」り「成功した」りしたことに

          Essay day11. 戦うことについて

          Essay day10. Keith Jarretは精神安定剤

          子どもの頃、いつも音楽が流れている家だった。色んなジャンルの音楽が常に掛かっていた。レコードだったり、CDだったり。それは大体がお父さんの趣味だった。 当時は、特に注意して聴くこともなく、他の環境音と混ざっていた。どれがなんの曲かも知ろうともしなかった。 だけど、大人になってみると、それらの音楽は精神安定剤のような機能を持ち始めた。 家の中でjazzを流しておくと、かつて何も思い悩まずに生きていたころの自分の心構えを思い出すのか、ホッとする。それは子供の頃好きだった懐かし

          Essay day10. Keith Jarretは精神安定剤

          Essay day9. 芽が出るまでの間

          私はいつも新しいことを始めるとき、最初に芽を出すまでのスピードが遅い。 向いてるか向いてないかもまだよく分からない第一歩目、大体のこのこと歩いてしまう。そうやって何年か地道に芽が出るのを待ってる間に、あとから始めた人たちにバンバン追い越されていく。 そんなとき、私は自分のことを不器用だなぁと思って観察していた。上手く出来ないのは、頭が悪いのか、手先が不器用なのか、向いてないのか、そのどれかなんだろうな、と思ってた。 そうやって地道にマイペースに続けていくと、今度は猛スピ

          Essay day9. 芽が出るまでの間

          Essay day8. たりない

          「足るを知る」は、古代中国の思想家、老子の言葉なのだそう。今持っているもの、当たり前にあるもの、「ある」方に感謝しましょうということ。 言葉自体は近代的な響きがあるのに、そんなに昔から「足るを知る」が美徳とされてきたということ。古代において「足るを知る」という言葉は、特権階級の人たちの言葉だったのかな。 少なくとも今こうやって資本主義の波にのまれて生きていると、メディアは私たちの足りない部分ばかりつついてくる。 そしてスマートフォンを持つようになってからは、子どもの頃よ

          Essay day8. たりない