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2019年6月⑤:『女たちのジハード』『拝啓、本が売れません』

◆篠田節子『女たちのジハード』(集英社文庫、2000年)

一心不乱に読んでしまった。性格も育ちも違う女性たち。自分の性格も置かれた立場も求められる役割も、すべてを理解しながら、自分の力で未来を切り開いていく。その姿はどこまでも強くてたくましくて美しい。

ちなみにこの小説の単行本が出たのは1997年のことだそうだ。20年以上も前の作品なのに彼女たちの気持ちも置かれている環境もわかりすぎてこわい。この作品が直木賞を受賞してよかった。直木賞かっこいい。私が今本屋だったら平台の片隅に積みたい。

最高に気持ちいい読後感だ。作品に登場する彼女たちのような人が実在したとしたら、いやきっとたくさんいるんだろうけれど、どうか今も元気で笑っていてくれるといい。

◆額賀澪『拝啓、本が売れません』(KKベストセラーズ、2018年)

ずっと気になっていた本を読み始める。この著者の本を読むのは初めてで、読みながら自然と申し訳ない気持ちになる。でも興味深いことこの上なし。書店員時代に誰も教えてくれなかったことを今にして知る。楽しくてガンガン読んじゃうぜ。


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