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香り

僕の周りには潔癖症の方が多い。温泉に入れない人もいれば、電車の吊り革を触れないとか、人によってレベルは異なりますが、僕の場合、仕事に関してだけは、重度の潔癖症だと思っています。

でね、飲食店でいちばん気になるのがトイレです。汚れていたら必ず掃除してから出るようにしているのですが、じゃないと後の方に僕が汚したと思われるのも嫌だしね。手洗いのところも、かなりの確率で水滴が飛び散ってはそのまま。数秒でてきることなので拭けばいいのにといつも思う。

そして、トイレがきれいなレストランは、料理がおいしい。老朽化して歴史を感じるレストランでも、トイレはめちゃくちゃキレイだったり。そして、やっぱり料理がおいしい。

トイレが汚れていて、料理がおいしいレストランって、僕の食体験にはないかな。トイレには食の神様が住んでるんじゃないかと密かに思っています。

てことで、客はシェフの身なりや行動を見て、そして店内を舐めるように見回し、料理を評価しますが、シェフにも見られているということをお忘れなく。もちろん使用後のトイレも。

さて、僕は魚のことはまったく分からないが、藤田の鮪を食べて、いつも思うことがある。難しい鮪だなぁ、、と。身が柔らかいので剥がれやすい。それを握るのは紙一重だなと。だから鮪が人を選ぶかのように思うことも。

口の中に入れると赤みの香りにしみじみ思う。繊維のひとつひとつに味わいがある。

僕が赤みの経産牛で重要視しているのが香り。そしてジビーフは、鮪に似ていて、手当ての段階で、水分を枯らしすぎると肉が割れる(鮪で身が剥がれるのと同じ)そうなると、焼くのはかなり難しい。焼いたことがある人なら分かると思うが、じわじわ火が入り、次に一瞬で火が回る。

藤田の鮪と同じく、僕が手当てする経産牛もジビーフも、香りを感じてほしい。

ありがとうございます!