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売りたいけど売りたくない

昨夜の「ポツンと一軒家」は、ジビーフの生産者、西川さんちだった。ジビーフだけではなく、豚(アポイ豚)や羊も登場して、さながらムツゴロウさんを思い出す。

思っていた以上に反響が大きく、今朝パソコン開けたら問い合わせが1400件超えていた。

大量生産やナショナルブランドだったら、電話回線を2回線にして対策とれるんだけど、ジビーフは売りたいけど売りたくないという矛盾した肉である。

番組はとても良くできていて、知ってほしいところはカットされず、格付けの説明まで入り、とにかく西川家のすべてをコンパクトにまとめた記録番組のようだった。

7年か8年前に、NHKでジビーフが紹介されたとき、一般の方や飲食店の方から300件近い問い合わせをもらった。その後、僕がプロフェッショナル仕事の流儀に出演したときも、ジビーフを使いたいと、数十名の料理人から問い合わせがあった。

でも、問い合わせから取引につながったケースは一件もない(はず)。このときはお断りしたのだが、後にご縁があってジビーフを使ってもらっているシェフも数名いる。

一回どんなものか使ってみたいという方は、ただ興味本位だけなので、一回送ってその後連絡なし、というパターンが予想できる。また、最初から値段を言ってくる人も同じくです。

視聴率のいい番組で紹介されると、行列はできるのですが、そんなのは長く続かない。そのあたりはネット通販で嫌というほど経験している。

それと、応援買いも一時的なものなので生産者が勘違いする。商品が良いなら別だが、あくまでも応援だから長く続けるには、おいしくないと。よく見かける「仕入れすぎました、助けてください」という文言も僕は好きじゃない。

ジビーフは、飼い方も特殊なら、味も草の香りがするし硬いし一般受けしない。特に和牛がすべてのような方にはクレームの対象になりかねない。とろけるような肉が好みの方も同様だ。

なので、売りたい気持ちはあるけど、どうしても慎重にならざるをえない。だから、ジビーフは使い手を選ぶ肉なのです。

ありがとうございます!