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リサーチと品質向上の考え方

先日 落合陽一さんの「超AI時代の生存戦略」を読みました。「リサーチ&ディベロップメント」の項目で書かれていた、こちら。

「超AI時代の生存戦略」から

今もこれからも人間と機械が混ざって仕事をしていくわけだから「人間に説明する」場面、「機械に発注する」場面、両方がある。両者の指令は別々なものとして捉えるべき、という話。
また「自分がディベロップメント(人から機械)向きなのか、リサーチ(機械から人)向きなのか」がわかっていると良いし、どちらの業務をするのか決めておくといいのではないだろうか、という提言もされているのですが、

これは検索&リサーチ業務の品質向上、品質管理にも共通点の多い話だと感じました。

検索&リサーチ業務の方法を「作業工程」に着目して2種類に分けるなら
 ・1人で全部の工程ができるようになる。
  個人ごとにそれぞれ品質・生産性を上げる。(職人モデル)
 ・各人の強みを活かした分業体制。
  すべての工程を理解した上で、得意な工程に集中する。(分業モデル)
に分けることができそうです。

昔からの検索業務は「職人技」と言われる事も多くて、典型的な職人モデル。隣の席の人が、今、何を担当しているのか全く知らない、という場面も珍しくない・・・というか、それが普通だったような気がします。
最近は同業他社の方に聞くと「分業していますね」というお答えが増えている感じがします(あくまでも感覚的に、ですが)。ちなみに弊社も分業するケースが多いです。

前の記事でも引用した「4つのポジショニング理論」。

4つのポジショニング(4つポジ)とは、人間の特性をトップ系ーバック系、アタック系ーサポート系という4つのカテゴライズで分けたタイプ分けのことです。
自分が4カテゴライズをどのくらいの配分で持っているのかによって、自分の特性がわかります。

うちは作業分担にも応用していまして、典型的には「左側/右側」で分業しているケースが多いかもしれません。

前の記事「聴覚と適性」でも登場した「ヒアリングが出発点になって、サーチ(データベース検索) → 査読 → レポート(報告) と進む」という工程です。

落合陽一さんの「超AI時代の生存戦略」の読後に、

同じ工程を「人 ⇔ 機械」の観点で眺めてみると

「おお!!こうかな!」ってひらめきました。自己流解釈ですけど・・・
TA(営業) → マス。不特定多数へのリーチ。知ってもらう。
TS(ヒアリング)→ 個人から要件定義、希望を正確に聞き取る。
           意図を汲み取る。
BA(検索) → 人の意思をコンピュータ(データベース)にオーダー
BS(査読) → 出力された個々のデータを解釈
TS(レポート)→ データの解釈を 人間が理解しやすいよう伝える

「職人モデル」的に全方位(少なくとも営業以外)の能力値が高いと「スーパーサーチャー」と言われたりするのでしょうし、それを目指すのは良い事だとは思います。「自分は人→データベース、のオーダーを出すのは得意だけれど、人間にわかりやすく説明する点ではまだまだ。もっとわかりやすい説明を勉強しよう!」という感じでしょうか。

ですが、全員がスーパーサーチャーになれるか?というと、その保証はなさそうです。「弱み」的な領域は、相当努力しても、元々「強み」を持っている人に及ばない可能性もあります。また「聴覚と適性」のように「聴く・聞くがとても苦手」だとしたら、「調査より他の仕事が向いている」可能性も高そうです。

そう考えると・・・古典的な「職人モデル」ベースでの品質向上とか、複数のサーチャーがいる職場で「全員同じ程度にスキルアップしましょう」的な管理って、案外ハードルが高いのではなかろうか。そんな気がしてなりません。

「分業モデル」で「将来的には”全方向できる”を目指す。けれど、致命的に苦手な事は回避する。」方が、全体品質は上げやすいのかな、とも。
ただ、こちらは「担当間の意図の伝達」が課題になりやすいし「ヒアリング力 + 各担当に伝える力」が相当求められるとは思います。

情報伝達とか、人⇔機械の各論は、またの機会に!


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