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【横浜】ラーメン博物館と、夢の大舞台

 昭和のかおりが、そこかしこに漂う〔ラーメン博物館〕
 実際にその時代を知っているわけでもないのに、妙なノスタルジーを感じてしまう不思議。

 大学時代以来、ひさびさに訪れてみると、メインの「昭和感」は変わらずそこで待っていたけれど、新たにオリジナルのカップラーメンを作れるブースができていた。
 前によみうりランドへ行った時も、UFOのカップ焼きそばを作ったけど、それと同じコンセプトやね。
 どっちが先にやりはじめたのかわからないけど、たぶん、ラーメン博物館の方がオリジナルって気がする。知らんけど。

 さて、昭和なエリアには何軒かのラーメン屋さんが営業してるけど、前は家系を食べた気がする。
 というより、ここで初めて家系をたべて感激して以来、家系がわたしの中でトップに君臨するようになったんだっけ。

オリジナルラーメンをカスタマイズ!
昭和っぽさあふれる空間


 でも今回の目当ては、浅草の〔来々軒〕なのだ。
 待ち時間、実に60分!
 わたしが東京で一番好きな場所は、なにをおいても浅草。
 浅草しか勝たん。
 おお、わが心の故郷よ。(生まれた場所でもなければ、育った場所でもないけど、大好きなんよ)

ラーメン博物館・来々軒


 かつて浅草に存在した来々軒の味を研究し、再現したというのがウリの店舗なだけに、典型的な東京の醤油ラーメン。
 スープが上品で、舌にもすっと優しく、チャーシューは紅いふちどりがあるのが特徴。
 いつもはこってり系が好きなわたしだけど、こういう東京古来のラーメンも大好き。
 同じラーメンでも、別料理として好き。
 こういうラーメンを食べたくなったら、日本橋の〔たいめいけん〕が間違いないと思う。
 洋食屋さんらしい、とても上品な仕上がりの味で、わたしはいつも必ず、メインの料理の他に、たいめいけんのラーメンも頼んでるくらい。

大盛りがなかった……でも大丈夫、ライスをつければよかろうなのだッ!

 で、ラーメン博物館で再現された〔来々軒〕のラーメン。
 たいけいけんのものより、いくらか庶民的な感じがする。
 でも現代のラーメンとは明らかに違うところが多々あって、麺はちぢれのないストーレトっぷり。
 これは、中国の麺に近い。いや、日本の麺と中国の麺との間くらいの感じかな。
 中国の麺は、ストレートではあるけれど、白くて、むしろ冷や麦に近いから。
 来々軒の麺は、黄色くて弾力があるところが、やっぱり日本の麺だと思う。

 浅草らぶなわたしだからこそ、今回のラーメン博物館では、この来々軒を絶対に選ぼう、と思っていた。

 ……というのは、半分だけ本当。
 いや、一番の動機はね……、もっとミーハーなんよ。

 ちょいと、周囲を見渡してみると……。

 数人のグループが、おそろいのTシャツを着ている。
 とあるライブのTシャツだ。

 別の2人組は、明らかにライブグッズを入れたショッパーを持っている。ロゴ入りのビニール袋だ。

 2人組のJKが、スマホで動画を見ながら、
「これが、じんたんが作ったカップ麺だよね」
 などと楽しそうにささやきあっている。

 そろいもそろって、彼らは同じ目的で、この〔来々軒〕を狙い撃ちに訪れたのだ。
 わたし、知ってる
 この人たち、スカイピースというYOUTUBERの動画を見て、ここに来たんだってこと。
 先日、スカイピースの二人組、テオくんとじんたんがラーメン博物館へ来て、まさにこの店のラーメンを食べて行ったのだ。
 しかも……。
 すぐ近くの横浜アリーナでライブを開催する日ってことも知ってる。
 だから、ファンがたっぷりごっそりみっしり、来々軒のラーメンを目当てに並んでいるってこと、わたしはお見通しなのさ

(やれやれ……ファンってのは、実にわかりやすいもんだなあ)
 と思いながら、わたしはスマホで動画をチェックする。
(テオくんとじんたんが座ってる席、確認。うまく同じ席に案内されるといいなあ。でも、ぼっちだからカウンター席だろうなあ……)
 今日は特別な日。
 スカイピース、結成7周年の7月15日、ついに夢の大舞台である横浜アリーナのステージに、立つ!
 本来は3年前に開催するはずだった横アリのライブ……コロナ禍で流れてしまったものの、夢を諦めることなく、年月を経て、ついに実現!
 そのライブ・タイトルは、

── Get Back The Dreams ──
夢をとりもどせ!!


横浜アリーナ!

 来々軒のラーメンを堪能したわたしは、うだる暑さの中、力強いあしどりで横浜アリーナへ向かう。
 すごく青くさい、ちょっと恥ずかしめの言葉を胸にいだきながら。

(一度は、非現実的だとおもって捨ててた夢、スカイピースのおかげで、も一度ひろいあげて、突き進んでるよ。
 その第一関門は、どうにか突破できたみたいだけど、本当に実現するには、第二、第三の関門を突破しなきゃいけない。
 だから──「夢を取り戻せ!」は、すごくわたしの心に刺さるんよ……!)

 7月15日、20時ちょうど
 ライブの真っ最中に、スカイピース結成7周年の瞬間をむかえた。
 じんたんのMCの最中に、観客の一部が「5、4、3、2、1……ぜろー!!」と叫んでくれた。
 瞬間、会場が沸いた。

 ──始まる前に終わりを考えて下を向いてしまいそう
 ──顔を上げたって道があったって歩けるわけじゃないのに

 ──僕らの目指した夢ってのはそんな簡単なものなのか
 ──まだまだいけるって顔してるだろ
 ──その青々しいその青青ソラシドリーム

 ──なんでもできる なんでもできる

『青青ソラシドリーム』スカイピース


次はわたしの番だ!

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