【水戸・大洗】夏、ただ海を見に行った スイーツのCINARISと鶏醤油拉麺そうわ
夏の海へくりだそう!
北関東住み民には、大洗海岸がある!
◯
大洗の手前には、水戸がある。
水戸には、バターサンドが話題のスイーツ店〔CINARIS〕がある。
わたしが憧れる作家・千葉ともこが紹介していたこともあって、ぜひその味を堪能したいと思ってたし。
唐の時代を書けば右に出るものなどいない、というごりごりに重厚な歴史小説を書く作家で、それでいて女性ならではの視点に、とても共感をもてる作風の、千葉ともこ先生なのだ。
ちな、わたしはどうもミーハーな性分なようで、好きな作家さんにゆかりのあるお店があると、すぐ行きたくなる。
大学時代から、池波正太郎のエッセイに出てきたお店には、そりゃもう、片っ端から行きまくってたくらいだし。
いきようようと、水戸を目指す。
台風一過、夏空はすこーんと晴れわたり、積乱雲がどどーんと居座っている。
昼。
それなりの距離を走ってようやく辿りついた〔CINARIS〕。
だが……嫌な予感がする。
なんというか、その、駐車場が静かすぎるのだ。
軽く絶望感にだきすくめられながらも、お店のとびらへ近寄ると……。
「なんてこった。よりにもよって、ピンポイントで休業日とは……!」
水曜は定休日だったのだ……。
「なぜそこも事前に調べなかったんだ、わたし!」
でも大丈夫。
また、来ればいいのさ。
水戸はちょっと遠いけど、同じ関東だからいつでも日帰りできる。
◯
目当てのバターサンドや各種スイーツは逃したけれど、マップで確認した時、その近所にあった「鶏醤油ラーメン」の文字は見逃してはいなかった。
ラーメンは、総じて美味しい。
けれど、人によって好みがかなり違うせいで、普通に美味しいものであっても、好みから外れると、たちまち不満に思えてしまう不憫な料理だったりする。
家系が好きなわたしは、同じ家系でも「あれはちょっと違ったな……」と首を傾げると、もうそのお店には行かないし。
醤油ラーメンも好きだけど、やっぱり好みから少し外れると、それなりの美味しさではあっても、二度目の足を向けようという気にならない。
で。
〔鶏醤油拉麺専門店そうわ〕というお店。
結論から言うと、大当たり!
鶏の旨味に支配されたスープ。
極度に黒い醤油系。
これだけでもう、わたしの好みにぴったり適合することは、約束されていたようなものだ。
通常の味と、こってり味を選べるし、麺はこってりの方が20グラム多いので、当然のごとくそちらを選んだ。
脂がね、もう浮きまくり。
その脂の海へ、刻み玉ねぎもぷかぷか浮かべると、しょっぱさの中にも甘いまろやかさを演出。
チャーシューも、口の中でほろほろと、ほどける。
和え玉、というのが、他店でいうところの替え玉い相当していて、実際、単なる替え玉ではなく、軽くスープと和えてあり、その上にはネギなどもちょこんと乗っていた。
家族で、唐揚げもシェアしたけれど、これも柔らかくてジューシー。
唐揚げの旨さの、定番的な表現だけれど、その「柔らかくてジューシー」をちゃんと出せるお店は、貴重。
水戸は決して近くはないけれど、また訪れることがあれば、まっさきにここへ来ること決定。
◯
車をさらに東へ走らせ、大洗海岸へ。
水族館は、しょっちゅう訪れているので、今回は割愛。
今回は、
「ただ海を見に来た。それだけ」
なにも海水浴をするまでもない(水着の他に、あれこれ準備が面倒だし)。
打ち寄せる波を眺め、潮風を肌で感じとり、潮騒に身を委ねる。
わたしは、海が好きだ。
この向こうには、さまざまな国や文化が待ち受けていてくれる。
海は、世界のひろがりを感じさせてくれる。
自分は、どこへでも行ける。
そんな気分にさせてくれるから、大好き。
やがて。
見ているだけでは我慢できなくなり、サンダルを脱ぎ捨て、寄せてはかえす波へ足をつける。
引いてゆく波が、足裏の砂を連れ去り、みるみる、かかとが埋もれてゆく、その感触が心地よい。
ワンピの裾がすっかりぬれちゃったけど、気にしない。
もっともっと前へ出て、膝くらいまで濡らしてやる。
来年はちゃんと装備をととのえて、もっと長い時間、こうして楽しんでやろうと決意した。
プールには行っても、海で泳ぐなんて、学生の頃いらいやってなかったけど。
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