酒井幸松

同人漫画を描いています。「酒井商店」というサークルでコミティアに時々出ています。 同人誌の情報などはサイトへおこしください。 http://daisycutter.strikingly.com/

霊猫譚 (三)



 私は動物と関わる仕事をしている。最も動物と言っても私の担当は両生類で、職場では毎日カエルやらイモリやらの面倒を見ている。この仕事に就いた最初の三か月ほどは両生類の臭いに辟易したが、それを過ぎたら慣れてきた。そして一年が経ったころ、この種族はこの種族で案外愛嬌があるものだと気づいた。
 とあるカエルたち――南米に生息するカエルを飼育している水槽――を観察している時に私はふと、彼らも喋るのだろ

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タピオカ怖い

タピオカが流行っているようなのでタピオカについて思うさまざまの事を書いてみようと思う。

 タピオカを初めて食べたのは、多分10年以上前のブームの時だったと思う。当時はまだタピオカが割と珍しくて、新商品を試さずにはいられないタイプだった私はコンビニで見つけて即買いした。それで多分、2回くらいは食べた気がする。おいしかった。その時も確か、ミルクティー的な甘くてクリーミーな飲み物にタピオカの粒が沈んで

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霊猫譚 (二)



 次に猫が口を利いたのは、年度も変わってしばらくした、四月の終り頃だったと思う。その頃はようやく仕事も落ち着いてきて、定時で職場を出て小一時間電車に揺られて帰宅する生活に戻っていた。週に二日の休日も休眠と家事ですべてを使い切るという事もなく、その土曜日は午前中に起床して、猫と一緒に朝食をとることができていた。食事の後片付けを終え、録りためていたテレビ番組を見ようと思ってソファに座った時だった

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霊猫譚  (一)



 飼っている猫がある日、口を利いた。その日は残業が多く、帰宅時間も遅かった。私の飼っている猫はあまりやかましいタイプではないが、それでも夕食の時間が遅くなれば具合も悪かろうと、私は少しの申し訳なさを感じながら急ぎ足で帰宅したのだった。なのでひどく疲れていたことは確かであった。玄関のドアを開け、ただいまと言いながら電気をつけて居間に入ると、私の猫はいつものように眠そうな目をしょぼしょぼとさせな

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