見出し画像

【第二十話】扇は万能ツール!|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

藤娘は小道具が多い。

・黒い塗笠(かぶったり、手に持ったり)
・藤の枝
・三段笠2個(三枚笠とも言うらしい)

しかし、小道具に振り回されて身体の動きがおろそかになるのは本末転倒。

まずは小道具なしで動きを身体にたたきこむ。

そうはいっても手ぶらではなんなので、
舞扇(まいおうぎ)を小道具にみたててお稽古をする。

舞扇は扇子(せんす)よりだいぶ大きい。骨も、貼られている紙もしっかりしている。

上:扇子 下:舞扇(長さ九寸※曲尺(かねじゃく)、27.5cm)

たたんだまま持てば、藤の枝。

藤の枝をかついでおりますよ~


広げたら、塗笠。

黒くて丸い塗り笠を持っていますよ~


両手に持つと、三段笠。

三段笠、についてはまたいずれ・・・


舞扇トランスフォームっ!

(舞扇はその他、小鼓、ちょうちん、ソロバン、懐剣、キセル…あらゆるものに見立てられるのだ。なんて便利〜。一家に1本ぜひ!)


まあ、実際の小道具を使ったお稽古は本番3ヶ月前くらい、6月から始めれば充分であろう。

本番と全く同じものを使えるわけではないから、
まあこんなもんね、というアタリがつけばいいのだ。

下稽古(リハーサル)は7月だし。間に合う、まにあう。余裕よゆう~

とのんびり構えてたらあらびっくり。

5月下旬のお稽古でおっしょはん

下稽古、6/8に決まりましたよ~
いつもより1ヶ月以上早いですねぇ。

とおっしゃった。

場所はいつもの市民センターみたいなところの大会議室かな?

と思っていたら、

今年は文楽劇場の小ホールですよ~

とおっしゃる。

おお、当日の大ホールではないとはいえ、劇場でリハーサルができるのか。
本格的だなぁ〜

今日、どうします?小道具使ってお稽古しときます?

おっしょはんの提案に私、

いやー、一回やってすぐ下稽古を小道具で、っていうのも・・・
まだいいんじゃないですか?
下稽古も扇でやって、小道具はその後からにしますわー

そんなこんなで5月最後のお稽古を終えて、下稽古へいざ!

(続く)


↓本シリーズのマガジンはこちら!


最後まで読んでいただきありがとうございました! 「スキ」や「シェア」していただけるとうれしいです。