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【第三話】お稽古歳時記|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

春と夏におさらい会がある

前話の最後に、
「3月中に藤娘を、そこそこ仕上げなければいけない」
と書いた。

4月のおさらい会(発表会)で舞いたいからである。

弊稽古場ではおさらい会が年2回あるので、1年で2曲をお稽古をすることになる。

(春)
4月~新曲①のお稽古

(夏)
ゆかた会で新曲①を披露

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(2018年東京・神楽坂は鰻の名店、志満金にて)

(秋~冬)
新曲②のお稽古

(翌春)
はるの会で新曲②の披露

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(2018年大阪美術倶楽部、備前の間にて)

~以降繰り返し~

もちろんおさらい会は強制ではないので、出なくてもいい。
ちなみに会場はお座敷である。

スペシャルトッピングも可能

上記の基本形に、

(夏)
なつの会@大阪文楽劇場

を追加する人もいる。

私だ。最上志向で欲張りなのだ。

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(2018年大阪・国立文楽劇場小ホールにて)

なつの会の会場は「劇場」。「ホール」である。

舞台と客席がきっぱりわかれている。大事(おおごと)である。

なので、全部のせの人は舞台の演目が決まり次第、新曲②は途中で切り上げ。ほぼ1年かけて舞台用の1曲をみっちりやる。

トッピング追加した人にとって、はるの会は夏の舞台のリハーサルでもある。

というわけで私は2020年1月末に、

「藤娘を4月のはるの会までに、そこそこ見るに堪えうる状態に仕上げる」

という目標を掲げた。

しかし、2020年。
新型コロナ元年である。

(続く)

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