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【第十二話】えっ?!縁の綱、そんな話やったんですか…|しがない勤め人、国立文楽劇場で藤娘を舞う

地歌は言葉あそびがたっぷり。

ちゃぶ台エリアでひと休み中のおっしょはんにお話しを伺うのも稽古のうちである。

お稽古場のちゃぶ台エリアについて詳しくはこちら↓

決して安くはないお月謝(手取り月給の約1割<生々しいな)、
お稽古場に来たからには少しでもたくさん学ばねば!<吝嗇

せんせー、縁の綱(えんのつな)って菊やら紅葉やら出てきて景色がきれいですね!

そうですね、でも“ませの菊”っていうのは恋敵のことですからねぇ・・・

工工エエェェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェエエエ工工

〽︎仲を隔つるませの菊 咲きしも憎や タ照りに顔は紅葉の恋の鬼

あの人と私の間を隔てる菊の垣根、
秋の夕日の中(美しく誇らしげに)咲いている・・・

こちらをちらっと見てフッ、と鼻で笑うライバル!<妄想です
そら憎くて顔真っ赤、怒りMAX!鬼にもなるわ~

ちなみに振りは〽︎恋の鬼、のところで金剛力士像みたいな鬼の格好でキリッ、ピタッとキメるんだけど、これが難しい。
ほら、わたし心優しいからさ、鬼になるなんてムリ〜<稽古が足りなーい!

その後、あらやだ私としたことが恥ずかしいオホホ、と袖をふりふりウロウロするんだけど、
やっぱり気が済まなくて立ち止まって足をドンドン踏み鳴らす。

そして突如ケロっと気を取り直して。

〽︎丹波大江の山よりも 勝る思ひや八雲立つ 出雲八重垣 ・・・

大江山ってのは鬼伝説があるんだそうで。
へええ、鬼つながりでうまいこと言ってるな~

八雲立つ、は出雲の枕詞。
おおお、枕詞。高校の古文で習ったぞ。

だれや、古文漢文は役に立たないからムダだって言ってるやつは。
ムダは後からジワジワ効いてくるんやー!

〽︎どこに結ばん 縁の綱

糸でもなく、紐でもなく、綱。
ふ、太い・・・
わたしのいい人、チョロチョロ浮気せんようにぶっとくしっかりつないでおくでー!
ということかな?よう知らんけど。

そんなこんなで2020年の秋~冬は過ぎ、新型なんちゃらは収まる気配があるような、ないような・・・
2021年春のおさらい会、開催できるのかな?

(続く)

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