絶対に買わない方がいい首都圏の中古タワマン10選

私はもう30年以上も首都圏のマンション市場を眺めてきました。
タワーマンションがニョキニョキとそのあたりに生え出したのは2000年頃から。
あれよあれよという間に、都心のそこら中にタワマンが立ち並んでしまっています。湾岸エリアに行くと、タワマンが主流で板状は傍流。
「あんなもののどこがいいのか」
私はいつもそんな眼で眺めてきました。

昨年、集英社新書で「限界のタワーマンション」という拙著を刊行していただきました。
タワマンについてアレコレ調べたこと、考えていることを書きました。
10年くらい前は、タワマンに批判的なことを書くと「コイツ、へんなことを言っているぞ」という目で見られていたような気がします。
しかし、今は私の他にもタワマンという住形態に懐疑的な目を向ける人が多くなりました。

昨年10月、台風19号が日本を襲いました。
川崎市の武蔵小杉に林立していたタワマン2棟で浸水被害が発生。タワマンは「災害に弱い」という弱点が浮き彫りなってしまいました。
同時に、世の中にはタワマンについて快く思っていない人々が一定数いることも分りました。カンタンに言うと「ムサコマダム、ザマア」の感情は意外に強かったのです。

私は世間で販売されている新築マンションの資産価値について、アレコレとモノを申すのを本業としております。
日頃調べていることはエリア別の「資産価値レポート」というものにまとめて、ネットで有料頒布しております。東京23区と川崎市、さいたま市浦和区、大阪市、京都市などをカヴァーしています。
そのレポートでは、マンションの売主側が提供するメリットをリライトしたりトレースするようなことは一切していないつもりです。そんなことは各物件のオフィシャルページや提灯評論家、ブロガーさんたちに任せておけばいいこと。彼らは盛大にやっておられます。
私は長年マンションを眺めてきた人間として、一般の方が気付かない点を指摘して、購入判断の参考にしてもらう材料を提供しているつもりです。
そこに私の存在意義があると考えています。
いわば「買う理由」を肯定するのではなく、「買ってはいけない」デメリットや要素があることを一般の方にお伝えすることを、私は自分の仕事にしているのです。

さて、タワマンに話を戻しましょう。
私はタワマンという住形態にかなり懐疑的です。そのことは10年来様々に主張し、拙著まで世に問いました。
しかし、タワマンにも優れた点があります。
それは「限られた土地により多くの床面積を生み出す」ことと「上層階からは開放的な眺望を楽しめる」ということの2点。
あと、強いて挙げるならスケールメリットを活かした「共用設備やサービスの充実」でしょうか。しかし、それには費用負担という相殺要素が派生してきます。

こういった優れた点を考慮しても、「この物件はどう考えても存在しない方がいい」というタワマンがいくつかあります。
私が前述の資産価値レポートを書いているうちに見つけてしまったタワマンにもそういう物件がいくつかありました。
今回はそういったタワマンを9物件とおまけ1物件に厳選して、みなさまにお伝えしたいと思います。
「このタワマンだけは買わない方がいい」という物件です。
新築ではなく、中古で流通している物件に限定しました。一部、まだ売主によって新築住戸の販売が継続している物件も含まれます。
ひとつご注意いただきたいのは、「買わない方がいい」というのは私の個人的価値観に基づく見解です。この先の文章をお読みになって購買行動の可否を決められたとしても、私はその結果にいかなる責任も負いません。

では、その10物件を以下にご紹介しましょう。順番には特に意味はありません。思いついたままです。

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