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1/2PPUDOの描く未来のラーメンのコト

ルミネエストのレストランフロアに一風変わった一風堂がある。
2016年にオープンしたときには「1/2PPUDO」って謎めいた記号のような店名で、いい感じでつっぱっていた。
「1/2PPUDO=2分の1風堂」。
2分の1サイズのラーメン。
2分の1糖質の商品と、店の名前がそのまま商品コンセプトになっているというのが、おもしろいし伝わり易いと感心してた。

でも今は「一風堂ルミネエスト新宿店」が店名で、1/2PPUDOっていうのはコンセプトなんだってことになっちゃったらしい。なんだかちょっとつまんない。
しかも、にもかかわらず渋谷や立川、八王子と1/2PPUDOが次々開業しているらしくもあって同じようなコンセプトなのに店名が統一されない。ブランド管理というチェーンストアにとってとても大切な部分がとっちらかっているんじゃないかと心配になる。
ただコンセプトそのものはラーメン店の未来を垣間見るような感じで好き。
「一人前」とは一体誰のための一人前であり、どういう目的のための一人前なのか。今までその大切な部分を誰も考えず、腹ペコ成人男性の胃袋をいっぱいに満たす分量を一人前と考えひたすら作り続けていたのがラーメン世界。
1/2PPUDOのラーメンは意識なき一人前の半分なのかというと実は、女性、シニア、あるいは子供にとっての一人前。つまり今までラーメン店がやさしくしてこなかった人たちにとってのニュースタンダードなんだと思うとオモシロイ。今日もカウンターに座った少年が、ここならボクでも汁まで全部食べられる…、ってうれしそうに食べていた。

ちなみに今日のボクの注文。
スタンダードなとんこつラーメン二分の1。
担々麺を低糖質麺で二分の1に餃子をたのんでひと揃えにした。
うれしいことにまず餃子。
そしてとんこつラーメンがやってきて、とんこつラーメンを半分ほども食べたところで担々麺と時間差提供。

麺のいい状態を楽しみ続けることができるという2分の1であればこそのありがたさ。
2分の1+2分の1はではなくて1以上…、ってことなんですね。しかも2種類のスープを味わうコトができるというのがたのしくもある。それもこれも博多ラーメン独特の極細の麺なればこそって思ったりもする。

それにしてもここの低糖質麺のよくできていること。バッサリ歯切れる感じがバリカタの博多ラーメンの麺のように感じられ、口の中で粘らずずっとバサバサし続け騒々しい。小麦粉の麺のような風味はないけど、スープの風味が十分濃厚。二分の1の分量で二分の1の糖質だから麺だけで考えるなら4分の1。罪悪感がかなり薄まる。できればカロリー半分のスープなんてのができたらどれほどうれしいかしら…、と贅沢思う。

担々麺にはパクチーが別添えでたっぷりと。それにくわえてレモンが搾り器にはいってやってくるのですネ。担々麺にお酢を加えると辛味、旨味が濃密になる。だからお酢が用意されることは普通だけれど、レモンの酸味でたのしめという。女性が多く集まる店の女性がメインのターゲットでもある。いい工夫だなぁ…、としみじみ思う。お勉強。


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