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パリパリをシナシナにわざわざしてたのしむ…、なんたる贅沢(笑)

焼きそばが好き。
当然主食として作られている。
けれど具沢山のそれはご飯のおかずにもなり、酒の肴にもなってくれる。
スープ麺などと違ってできてすぐ食べないと品質が極端に劣化することもなく、焼いたり蒸したり揚げたりと麺の調理方法が多彩で飽きることがない。

今日もたのしむ。
新宿の街はお盆モードで、飲食店の中には休みを取る店がちらりほらりと。
こういうときには百貨店のような場所が間違いがなくてホッとする。
新宿駅の西口にある小田急百貨店。上層フロアの食堂街でなにか食べようと通路をぶらぶら。
天ぷら屋さんやらとんかつ屋さん。鰻もあればパスタもあってとおよそ考えつく当たり前の料理はほとんど揃う中、ショーケースが1番豪華に見えたお店を選ぶ。
中国料理の龍門という店。円筒形の背の高いショーケースの前に丸いテーブルを置き、そこいっぱいに料理サンプル。そこに椅子をおいて食事をはじめたくなるほどの臨場感で、思わず飛び込む。上等な中国料理店の焼きそばをひさしぶりに食べたいなぁ…、とふと思ったのも選んだ理由。

焼きそばは3種類ありました。

ひとつは五目あんかけ焼きそば。醤油味と但書がありました。
かた焼きそばというのがそれに続いて、それは塩味。
もう一種類、海鮮塩焼きそばというのがあって、さてどれにしようかと悩みます。
おそらく海鮮塩焼きそばは上海焼きそば風の具材と麺を一緒にいためて仕上げたもの。
五目あんかけ焼きそばは蒸し麺を中華鍋で焼き揚げものにあんをかけたものだろうから、ボクが好きなのはそれ。
ただ「焼き揚げ」の焼きがメインか揚げがメインかが、ほどよく好きかすごく好きかの境目で、さて、ここはどちら…、と悩んだのです。
するとありがたいことに、隣の人がたのんでいた五目あんかけ焼きそば到着。観察しました。
ぽってりとしたあんの状態は見事で香りもおいしげで、ところが五目あんの下から顔をのぞかせた麺が焦げてはいなかった。
多めの油で焦がし揚げしたパリパリサクサクした食感こそがあんかけ焼きそばのおいしいところで、それがないなら断念しました。

かた焼きそばを選んでたのんだ。
果たしてやってきたのは長崎皿うどんの細麺的なるパリパリ極細麺に塩あんがかかったもの。
暑い季節には太い麺より細い麺の方がすずしく感じる。
ただ、パリパリの麺はあまり好きじゃなくってそれでしばらくそのまま休ませる。
あんかけスープを麺が含んでしんなりなるのを待つ間、追加でたのんだシュウマイ食べる。

細かく挽いた豚肉に刻んだ玉ねぎが混じって甘みをくわえたモノ。極薄の皮が食べるととろけて口の中には肉と肉汁。味がしっかり整っていて、醤油はお酢はつかわず風味付けの芥子だけを使って味わう。
甘露なり。

そうこうするうちに麺の一部がしっとりしはじめ食べると口の中でパリッであったりクタッであったりフルンであったりといろんな食感がまじり散らかる。いい感じ。
エビにイカ、しいたけと旨味がでる具材がたっぷりはいり、白菜、人参、小松菜、きくらげが食感ととのえ、なによりスープのおいしいこと。塩で味の輪郭ができているから、素材それぞれの持ち味がいかされているのもステキなところで、野菜をたっぷり食べられた…、ってかなりニッコリ。
麺はすっかりスープをすってしんなりくったり。けれど揚げられてパリパリだった頃の予感もほどよく残し、おいしいスープと混じってなんとも言えぬおゴチソウ。
お酢を最後にかけまわし、スッキリ、キレイにスープも飲んだ。

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