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東京で一番好きな海南鶏飯、ウィーナムキー

海南鶏飯。

茹でた鶏のぶつ切り肉と、鶏でとったスープで炊いたご飯を一緒に食べる料理。
東南アジア各地にある料理。
熱々じゃない。
冷めているわけでもなくほどよくあったか。
塩辛いわけでなく辛いわけでなく、ほどよき旨味のやさしい味わい。
蒸し暑い日にげんなりした胃袋も元気を取り戻す南のゴチソウ。
年々、気候的に東南アジア方面にどんどん引きづられていく東京にも、随分専門店ができました。

そんな中でもオキニイリなのが、海南鶏飯の本場のひとつ、シンガポールからやってきた「ウィーナムキー」。
威南記海南鶏飯と現地では名乗る名店が、銀座の「エグジットメルサ」という商業施設の中にある。
かつてはしっとりとしたマダム系のお店が集まる場所だったんだけど、今では化粧品店、薬局、お土産雑貨を扱う店がメインのインバウンドビルになっちゃった。
海南鶏飯だけでなく気軽なシンガポール料理が用意されてて、それを目当てに銀座マダムも集まるけれど、それ以上の勢いでアジア系のお客様がやってきて、店のムードはまるでアジア。いい感じ。

しかもここでは茹でた鶏だけじゃなく皮をパリッと油で焼いたローストチキンも選べるというのが特徴で、茹でてぶよぶよ仕上がった鶏の皮が苦手なボクにはありがたい店。
なによりご飯がおいしいのです。鶏の脂で丹念に炒めたジャスミンライスをスープで炊く。お米の粒のひとつひとつが脂でコーティングされてパラパラ、口の中で散らかっていくにぎにぎしさにヨダレとまらぬおゴチソウ。

鶏肉はバサッとしてます。
ふっくらとして噛みごたえがよく、けれど口の中の水分をどんどん吸い込む。
だから一瞬、口が乾きを感じるけれど、構わずひたすら噛み続けるとゆっくりとろけてなめらかになる。
とろけたところにお米がパラッ。鶏がらスープの旨味が口に広がっていく。
甘くてこってりした中国醤油。
スッキリとした辛さがさわやかなチリソース。
すりおろした生姜と薬味やソースを使うと味や風味がかわっていくをたのしみながらパクリパクリと食べていく。そうそう、パクチーがいい仕事をしてくれます。あらかじめ鶏肉の上にのっかり彩り添えている分ではどうにも足りず、追加してまでモサモサシャクシャク。

ローストチキンを麺の上にのせたローストチキンヌードルもある。
東南アジア独特のバサバサ歯切れる極細縮れ麺。細いくせして存在感が抜群で、ちょっとモサモサした食感をからめた甘だれとネギの香りの油がおいしくしてくれる。
同じローストチキンもご飯と一緒に食べるときより潤い増してなめらかになる。

ラクサヌードルもまたおいしい。
ココナツミルクにヌクマム、チリが濃厚な風味を醸し出すスープで食べる米の細麺。ムチムチしていてなのに歯ごたえ軽快で、エビの旨味や海鮮類の風味がまじっておいしいスープでお腹の中が汗をかく。


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