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朝食べる漬け丼、格別なゴチソウ

東京駅の寿司清で朝。

おそらく一番人気の店でしょう。
開店と同時に次々お客様がやってくる。
おなじみさんは迷わず入口脇のレジで注文。お金を払って案内された席につく。
どうしようかと迷ってなかなか決まらぬ人に、お店の中から女性スタッフが、「おはようございます」と明るい顔と笑顔で挨拶。それが決め手でやってくる人も多くて、それほどお店のムードは明るい。

のれんの奥の仕込み場で下ごしらえをするのも女性。カンターの中で料理を整える板前さんは男性だけど、それ以外のホールスタッフは女性ばかりで、これほど女性が目立つ寿司屋も珍しい。それが朝のムードにはぴったりで、くるたびニコッと笑顔になれる。

漬け丼の定食に山かけとろろを追加する。

片手のひらにすっぽりおさまる小ぶりのお椀にぎっしりご飯。
上にもぎっしり漬け刺身。
マグロの赤身に中とろ、サーモン、イカにホタテに白身に鯛。大葉の上にイクラと中落ち。卵焼きがふた切れ、それからガリ少量。
魚はどれもが漬けだれまとっておいしい色になっている。
前回までは大葉がなかった。ほんのひと切れの緑の葉っぱが丼の中を艶っぽくする。オモシロイ。
ご飯に到達するためまず卵焼きを一個食べ、口の中を甘くしたとこに漬けサーモン。出汁のしっかりきいた味噌汁でサーモンの脂と匂いを流してさぁさぁ、本格的にいただきます。

ひんやりとした魚の食感。ほどよく水気が漬けだれに移ってピトッと舌に貼り付く。味わいネットリ。魚それぞれ味わい異なりおいしくて、中でも今日はイカがゴチソウ。ネットリとして甘くてしかも歯切れよい。

半分ほども食べたところで山かけとろろをザザッと移す。
ワサビを溶いた醤油を少々。風味をつけてザブザブ食べる。ぶつ切りにしたマグロの赤身。これも漬けだれに漬け込まれ噛むとむっちり、歯ごたえたのしくたくましい。刺身を一枚、また一枚と味わうお行儀よい食べ方もいいけれど何が口の中にやってくるのかわからないのをたのしむ食べ方。ザブザブするのもまたおいし。

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