あちこちオードリーの日向坂に見た新しいアイドル
トップアイドルが必ず直面する「頂点に上り詰めた後」問題。
そしてその問題はファンをも巻き込みます。上り詰めるまでは熱量が高まるのですが、上り詰めた後は熱が冷めてしまうんです。
今まで多くのアイドルがこれによって衰退していきました。
この問題に答えを見つけたアイドルはいないと言っていいでしょう。
ただ、昨日のあちこちオードリーに出ている日向坂を見て、その問題の答えが少し見えてきた気がします。
この記事を読むと
・日向坂が生んだ新しい挑戦
・日向坂が見せた頂点に上り詰めた後のストーリーの売り方
・頂点に上り詰めたアイドルを見る際の楽しみ方
が分かります。
これは僕たちファンにとっても意味があります。
今まで頂点に上り詰めたアイドルに対して、応援の仕方が分からなくなることってありませんでしたか?
どこに熱量を向ければいいか分からず、それで新しく出てきた若手アイドルに推し変しちゃうみたいな。
僕はないのですが、周りの友人でそういう人をたくさん見てきました。
そんな悲しい光景をもう見たく無い、と思ってこの記事を書いてます。
この記事を読んで「新しい応援の仕方」を見つけてもらえたら嬉しいです。
それでは、解説していきましょう。
日向坂が生んだ「新しい挑戦」
僕の他の記事でも書いているのですが、これまでのアイドルは「成長」を売りにしてきました。
売れるまでの努力や葛藤といったプロセスも敢えて発信することにより、そこに感情移入させて、愛着を持ってもらう、という売り方です。
別の言い方をすると、「ストーリー」とでも言いましょうか。
楽曲等のメインコンテンツだけではクオリティをいくら高めたところで差別化は出来ないからです。
さて、これまでのアイドルの挑戦って、「大きい場所でライブをすること」や「紅白に出ること」、「選抜に入ること」等が主要なところでした。
日向坂もそういった、自分たちの本業での挑戦ももちろんしているのですが、彼女達はそれに加えて「バラエティへの挑戦」もコンテンツとしているのです。
昨日のあちこちオードリーでも表れていたように、彼女たちは「バラエティ」に様々な苦労や葛藤を抱えています。
それは彼女たちが「バラエティ」に並々ならぬ情熱を持っているがゆえのことです。
アイドルの本業はあくまで「歌って踊ること」なので、本来はそこまで頑張る必要は無いはずです。
ただ、彼女たちはもともと欅坂46の控え的なポジションでデビューしたので、与えられたチャンスは全力で全うしたいという気持ちがあるのだと思います。
それが新たに「ファンに感情移入をさせるポイント」を提供していると感じたんです。
ファンが外番組に出たメンバーに対してTwitterで「今日は良さが出てた」とか「今日はちょっと緊張してたけど次は頑張れ」とかつぶやいているのもバラエティに対する挑戦に対しての需要があることを示しています。
日向坂が見せた頂点に上り詰めた後のストーリーの売り方
別記事でも書きましたが、頂点に上り詰めた後は「挑戦」というストーリーではなく「裏側」というストーリーを売ることがポイントだと思ってます。
彼女たちの大きな目標である東京ドームのライブも実現してしまっては、それ以上の挑戦する姿を見出しにくく、「応援するポイント」がなくなるファンもいるのではないでしょうか?
実際、僕の周りにも「東京ドームライブが終わったら日向坂のオタはやめる」と言っている友人がいます。
ただ、僕はむしろ、東京ドームのライブ後の方が彼女たちの挑戦の真骨頂が見れると思うんです。
今もすでに様々なテレビ等の媒体に出ている彼女たちですが、東京ドームライブを成功させ箔が付いたら、更に出演依頼は多くなるでしょう。
バラエティに並々ならぬ情熱を持つ彼女達ですから、まだ世間には見つかっていない魅力をより一層見せてくれると思います。
そのような頂点に上り詰めたアイドルの「バラエティに出る時の苦労や努力」は今までも商品とされてきました。
ただ、他のアイドルと違うのは彼女たちが頭一つ抜けているバラエティ力を持っているという点です。
そんな高いクオリティのバラエティ力を持つ彼女達だからこそ、その裏側に高い価値がつくのです。
例えば、明石家さんまさんが、バラエティに出るためにどのような準備や努力をしているのか、何を思っているのかって知りたく無いですか?
クオリティの高いものであればあるほど、それを作る人たちの思いや制作過程って需要があるんです(さんまさんは絶対裏側は見せないと思いますが…)。
バラエティにこれまで以上に出て結果を残すことが出来たら、そこに裏側の需要が生まれると思うのはそのためです。
今は人気芸人がYoutubeやラジオで裏側を話したり、それこそ「あちこちオードリー」のような番組があったりして、裏側、つまりストーリーを発信しやすい土壌が出来ています。
あ、ちなみに、高クオリティの商品の裏側を売る、という点に関してはもちろん本業である「歌」や「ダンス」も含まれます。
ただ、ファンでは無い人からすると楽曲の裏側に興味は持たないでしょう。
ファン以外のなんとなくテレビを見ている人に対して、「バラエティの裏側」という売り方があると思うんです。
頂点に上り詰めたアイドルを見る際の楽しみ方
結論、「情熱大陸」とか「プロフェッショナル」を見るような楽しみ方ができると思います。
あれって、その道のプロの裏側を見ることで、自己啓発に繋がる部分ってありますよね。
応援するというより、そこから学び、自分の生活のヒントにするんです。
「自分の好きなアイドルが頑張っているから自分も頑張ろう」、「こういうポイントにいつも気をつけているんだな。自分も私生活で気をつけよう。」みたいな感じです。
アイドルってどうしても「儚くて、弱い、守ってあげたい存在」みたいに見られがちです。
だから、頂点に上り詰めた瞬間、ファンを辞めるオタクが多いんだと思います。
アイドルを下に見ているわけではないけど、無意識のうちに「自分が優位でなくなった」と思ってしまう人って一定数いる気がします(その人達にも決して悪気があるわけではないと思います)。
そうではなく、同じ立場の同志として見る。もしくは、自分より上の立場の師として見る。
そのように見ると自分を成長させてくれるものとしてアイドルを楽しめるんじゃないかなと思うんですよね。
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