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描かれた線から伝わる全てが漫画の醍醐味-弱虫ペダルSPARE BIKE 荒北靖友 2読後感想-

荒北靖友のローラーをひたすら回す日々は続く。周りに当たり散らしても、回し続け疲れ果て気絶しても辞める事はない。東堂尽八はそんな彼を煙たく思っているが、新開隼人は違った。何故周りから煙たがられてもひたすらローラーを回すのか荒北に問う。


東堂は文系なのかな?よく文句もスラスラペラペラ出てくるのか感心しちゃいます。彼にとって一番許せないのがカチューシャダサいの一言!なのが可愛くって。

振り返ると巻島も当初カッコ悪いって言ってたんですよね。カチューシャに難癖つける人程後に東堂との親密度が上がるのか!!
この二人がどんな風に仲良く(?)なっていったのかすごく知りたいです。ギャーギャー喧嘩するうちになんとなく自然に、かな?箱学の4人は性格も関係も走りのスタイルもうバランス取れていていい感じですよね。石垣くんが羨ましがる気持ちすごくわかります。

今回荒北が新開に自分の気持ちをぶつける瞬間、新開を描く無骨とも野性味溢れるともいえるその線が好きで好きで。漫画ならではの表現にぞくぞくしちゃう回でした。

気持ちをぶつける荒北を見る新開の表情は読者に見えません。表情は見えなくとも新開を描く1本1本の線から荒北の爆発した感情や荒らげた声の音量、それをたじろがず受け止める新開の強さがぶつかりうねるように目に飛び込んできました。
レースの迫力が描かれた強い線、もう少し先の話で見られる花火に照らされた巻島の切ない顔の強い線とはまた違うのです。

映画のように音はない、絵画と違いセリフがある。小説と違い絵がある。
セリフと構図と線で一目にひきこまれる。こんな表現って漫画ならではだと思うんですよね。1本の線で感情や場の空気、音までも表現できるの。私はこういう漫画が大好きです。

外に出せ!と暴れる野獣がついに外に出る事になります。しかもいきなりレースに出る事に。レースの行方は次のお話で。

荒北靖友 3へ続く。

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