【気になるニュース1】医学の行き過ぎた発展

最近医学と生命科学の分野で衝撃的なニュースが3つあった。

1.中国の研究者He Jiankui氏が遺伝子編集技術を人間の赤ん坊に使った。

知られている限り、人間に遺伝子編集技術が適用されたのは初めてのケースである。遺伝子編集とは人間にとって不利な遺伝子、特定の病気や疾患に関わるDNAを、人工的に取り除く技術である。この技術は農作物や家畜に使われ、今回の実験によって人間にも適用可能であることが証明された。

使いようによっては人間にとって不利な特性を事前に回避できるので非常に有望な技術である。その反面、デザイナーベイビー(よい遺伝子のみをもつ赤ん坊)を作ることに倫理的な問題があるという意見もある。

2.アメリカの研究チームが死後四時間たった豚の脳の一部再生が成功した。

死亡後四時間たった豚の脳の神経接続に成功したという。もしこの技術が応用されれば、アルツハイマーなどのすでに不活性になった脳細胞を再活性できる可能性がある。その反面、生と死の定義がますます難しくなる。

現代の医療の発達によって、呼吸や心臓が停止した状態であっても人間は生き延びることができる。しかし脳死になれば回復はほとんど望めないため、臓器移植の判断の一つになっていた。しかしこの研究が進めば、脳死から回復できるかもしれないため、ますます死の判定は難しくなる。

3.中国の研究者が猿に人間の遺伝子を移植した。

元の記事にある通り、まさに猿の惑星の実現になるかもしれない。この研究者は人間と猿の知能の違いを検証するために実験を行なったという。この研究が進めば、人間の知能をもった猿が生まれるかもしれない。そうなると人間の定義自体が不確かなものになる。

クローン羊ドリー(添付写真)の誕生以来、生命科学と医学には倫理という問題が生まれた。人間の科学技術は生命を誕生させうると考えると恐ろしい。これまで多くのSFやホラーの分野で取り上げられたような、フランケンシュタインや人造人間、クローン人間は現実のものになりつつある。ひょっとしたらどこかの地下研究所ですでに誕生しているのかもしれない。

人間はどこまで神の領域に近づけるかと考えると空恐ろしい。



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