BIGYUKI feat. Anna Wiseを見た 19.01.19

1月19日といえば誕生日だ。押し付けがましい感じがするので、あんまりおおっぴらには言いにくい。この数字の並びを目にすると「あ、俺の誕生日だな」と自動的に思うのだが、でも誕生日ではない多くの人にとってはただの普通の日付に過ぎない。多くの人にとっては他の日となんら変わりない日付が、誕生日の人にとっては特別な日、特別な数字の並びである、ということを思ったのは去年の誕生日だったか。

でも今日はそれよりも、BIGYUKIのライブの方に意識が行っていた。チケットを取った後で時間を確認したら、開演時間が終業時間だった。事前に連絡して今日は早上がりのシフトにしてもらった。当たり前のことだが、仕事よりもライブが大事だ。

代々木上原なんて初めて行く。会場はOPRCTという最近出来たばかりのイベントスペースで、今回のライブはこけら落としになるらしい。

BIGYUKIを見るのは2度目。最初に見たのは3年くらい前、初来日公演となったブルーノート東京公演。低音含め凄まじい音量音圧で度肝を抜かれたことを覚えている。

すでに会場はかなりいっぱい。最後方、PA横のポジションに落ち着く。立ち仕事の後のスタンディングで体力的な心配もある。仕事終わりなのでビールでも飲みたかったが、休憩が11時でそれから何も口にしてなかったので、ワンドリンクはレッドブルにした。

ライブが始まる。ベース音に上着が震える。でも音が割れているということもなく、全体的にすごく聴きやすい、いい音。PA横というポジションもあったかもしれないが、この会場の音響がすごくいいのだと思う。

スネアの音がかなりハードめ。BNT公演時のLenny "The Ox" ReeceからTim "Smithsoneon" Smithへと、ドラムだけはメンバーが変わっていた。レニー・リースよりシンプルというか、目立って暴れるようなプレイはなかった。それはもしかしたら、即興的に音を重ねたりリズムが変わったりするようなセッション的なものから、曲を大事にする、という方向になっているのかも。

ギターは変わらずRandy Runyon。Bilalのバンドにも参加している人で、つまりBIGYUKIとはBilal繋がりということか。リズムを弾いてたり音を重ねている場面も多いが、なんというかロック的な音色でエモい。後半とアンコールでのギターソロで盛り上がっていくあたりがとてもアツかった。このギターがいることがBIGYUKIのバンドのキモになっている気がする。

ゲストのAnna Wise。ルーパーとかで声を重ねたりエフェクトかけたりしているが、そういうの無しで歌ったとき、単純にすごく上手いなと思った。特にアンコール、BIGYUKIのピアノとのデュオで始まったディアンジェロのカバー「Another Life」は極上。曲半ばでバンドが入ったけど、ディアンジェロの音源のクォリティをほぼ再現していた。っていうかズルいわー「Another Life」は。

今回のライブで特に印象に残っているのは、アンコール含む、BIGYUKIがソロで弾いてる場面だった。元々クラシック出身ということもあって、すごく聴かせるピアノだなと。グラスパーはピアノとキーボードでやってることにそこまで違いが無い感じだけど、BIGYUKIはモードが違う。
あとはさっきも書いたけど会場の音響がとてもよかったので、音量音圧に圧倒されずに聴くことが出来た、というのも大きいと思う。だからこそ、静かになる場面が印象に残ったし、以前見たときのような「ヤベー!!!」という興奮よりも、しみじみと「いいライブを見たな」という気になったのだろう。

いいライブを見てテンションが上がって、帰りにビールとワイン、あと生ハムとつまみのスナック菓子などを買った。誕生日くらいこういう買い物してもいいだろう、と自分を許した。なんだかんだいい誕生日だった。

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