腕の皮が剥ける。 19.06.20

先日、小学校のプールの蓋を開ける、という仕事をした。プールは校庭に併設されていて、オフシーズンの間は人工芝で覆われ、校庭の一部として使われるようになっている。人工芝を外し、蓋を外し、プールを使える状態にする、という仕事だった。

その日は猛暑日。校庭だから日陰がなくて、一気に日焼けした。その日焼けした腕の皮が剥けているのだった。先に剥けてきた左腕はあらかた剥き終わり、右腕が剥けてきたのでむしりはじめ、あらかた剥き終わったところだ。

皮をむしる、というのは、体にとってあまりいいことではないと思うが、薄皮がぴろぴろ剥けていくのはなんとも気持ちがいい。学生の頃、日焼けして剥けた皮を「きれいに剥きたい」とか言って、広範囲で剥いて途中で止めている奴がいて、「汚い、気持ち悪いから早く剥けよ」とか言ったような気がする。やはり学生の頃に、木工用ボンドや液体のりを手の平に塗りたくって、乾いた頃にぺりぺり剥がすようなことをやっている奴もいた。同じ奴だったかもしれない。

日焼けの薄皮と木工用ボンドは、「薄皮を剥く」という点で同じようなものなんだろう。「薄皮を剥く」、そこに人間のちょっとした快感がある。そんなことに快感を求めてどうするのだろう、そんな小さなことに、と思わなくもないが、それでもやっぱり皮をむしることをなかなか止められない。

でも途中から腕毛を引っ張ってしまって剥きにくくなるのだ。僕は体毛は薄い方だが、それでも剥きにくいのだから、体毛が濃い人はどれだけの苦労だろう。と、どうでもいいことが頭に浮かぶ。水無月、梅雨の季節です。

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