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生きながら死ぬとは。中学生に伝えた、31年間で学んだ今できること。

中学2年生に対して、私は何を伝えられるのだろうか。
そう思いながらも「ドリームジョブツアー in 五反田バレー」に参加を決めました。このイベントは、中学2年生約150名と、五反田エリア周辺のスタートアップ企業24社が「仕事について」対話を行う合同会社説明会です。

今後の ”輝かしくて可能性しかない人生” の糧になる、私だからできる話は何かを考えました。
社会的に多大な影響力があるわけでもない一人の人間が提供できる価値には限界があります。
ただ、不器用ながら懸命に生きてきた、そんな人間だからこそ伝えられる「早く知りたかった!!」ことをいくつか伝えることにしました。今回、学生さんに伝えた内容の一部を切り取ってまとめます。

「それ、あなただから成功したんですよね。」

私も中学生の時に社会人の話を聞く機会に恵まれました。一体その人が誰だったのか、どういった趣旨の話だったのか、全く思い出せない私は、まずはあれから15年近く経ったのかという事実に衝撃を受け、そしてその時に唯一記憶に残っていた感情があったことを思い出しました。

講演者が、「勉強をしなかったので成績が一番悪かったが、今は何かで結果を出して、こうやって皆さんの前に立つことができている。」
というようなサクセスストーリーを語っていたと思うのですが、その時の違和感は昨日のことのように思い出せます。

「勉強をしなくて最下位か。私は相当頑張っているのに勉強もスポーツもできない。そんな話を聞いても希望は持てないな。」と素直に思ったのです。同時に、「成功をしている人は、相当環境が悪かった人か相当環境が良い人じゃないか、私のように中途半端な人で頑張っても結果が出ない人のサクセスストーリーなんてないのではないか。」という思いも湧き上がりました。

そんな夢のない子供にあなたはなんと声をかけますか。
「努力は報われる」
「チャンスは平等にある」
前向きな言葉をかけてくれるかもしれないです。

しかし、今の私は当時の私にこう伝えます。

「その通りだよ。」と。

平穏な環境で人は変わりません。変わらなくていいからです。努力の方法が間違っていても、それを修正する必要がない環境にいる限り、自意識に陶酔して一日を終えます。考えずにただ同じことを繰り返す方が変化をするより楽なのです。

ご存知の通り、成功をした経営者の生い立ちを見ると見事に幼少時代に苦労をしています。
稲盛和夫、松下幸之助、渋沢栄一、スティーブ・ジョブズ、前田裕二、堀江貴文(敬称略)......
一方で成功者の思考を子育てに応用することができ、子供に投資をできる親の元で育つ人は、落合陽一さんのように成功する可能性が高いのではないでしょうか。
中学時代の気づき、「成功をしている人は、相当環境が悪かった人か相当環境が良い人」というのは案外間違っていないと思うのです。

将来の夢はフリーター、何者にもなれないと本気で思っていた日々

そう客観的に考えると、戦争のない時代の平和な日本に生まれ、何でも両親にやってもらい、甘やかされて育った自分が突然頑張ったところでいきなり結果が出ないのは至極当然なことだと思いました。
そして、将来の夢を語った際、両親に「今のあなたなら難しい」「それはお金がかかる」「それはすごい人がなれるもの」と、”娘のため”を思っての助言を得ました。気が付けばできない理由を考える思考になっていたように思います。(もちろん両親に不満はなく、感謝をしています。)
おそらく私の両親も幼い頃に周りの大人にそう言われて育ったのかもしれません。そうして育った私は、小学生6年生のときに地元、ふれあい公園で親友と将来の夢を語りました。
その時熱く語った夢、それは当時ダメな若者を形容するように語られた「フリーター」になるという夢でした。このまま頑張り続けても結果が何もでないのであれば、私には選択肢はないと本気で思っていました。

そんなことを思いながら、頑張っても何も成果がでない、という苦しみと向き合ってきた結果、ある教師に努力の方法を教えてもらい、やっと成果が出るようになってきました。そこからというもの、正しい努力は報われることを知り、気がつけば「ストイックな人だ」とよく言われる人間になっていきました。

世の中には生きながら死んでいる人が沢山いる。

今までの時間を取り戻すかのように目の前のことをがむしゃらにこなし、そのまま社会人になり、営業や人事という仕事を経験しました。
多くの人と会う仕事を通して、気がついたことがあります。それは、
”生きながら死んでいる人”が沢山いるということです。

生きながら死んでいる人、それは自分の人生を生きていない人を指します。やらされ仕事をしてストレスをため、ストレス解消といって愚痴を言う仲間を作り、問題を全て環境や人のせいにする。すると自分でコントロールできることがどんどん減っていき、何かに依存する。場合によっては人を貶さないと自尊心を保てなくなり他人を傷つけることもあります。
大抵そういう人は自分でそのことに気が付きません。
リフレッシュと言う名の浪費の時間をただ垂れ流していく。そんな人達を相手に成り立つビジネスも沢山存在するのも事実です。
ここでは触れませんが、私も”生きながら死んでいた”時代がありました。
だからこそ時間が経過するほど、自分が"生きながら死んでいる"ことを認めるのは本当に辛いことも知っています。
自分の歩んできた道を否定するというのは人はなかなかできないのです。
そして、それは未だに意識しています。

成長に必要な「環境」の作り方

これから輝かしい未来を生きるうえで”生きながら死んでいる人”になりたい人は誰もいないと思います。では、そうならないためにどうしたらいいのでしょうか。

「今から、明日から頑張る」

もちろんそうです。ただ、何をどう頑張ったらいいのか、そしてどうしたらその頑張りが続くのかと自分の行動パターンを理解しながら学習していかないと決して長続きはしません。なぜなら人間は環境の生き物だからです。必然性がないと人間は変化しないのです。
では環境はどのように作ったらいいのか、私は2通りあると思っています。

① のめり込む
② 能力が足りないと思い知らされる環境に身を置く

① のめり込む
寝食を忘れるくらい熱中できることがある人は特に環境構築を意識せずとも熱中している間に人より優れる、結果がでます。
よく、「好きなことをしよう」という人がいますが、これは好きこそものの上手なれという言葉の通り、熱中しているとその分野でエキスパートになる可能性が高いからです。これは傍からみたら頑張っている。でも当人からすると頑張っているつもりはないケースが往々にしてあります。ただ、残念ながら大人になるほど、好きなものを即答できなくなるんです。若いうちから熱中できることを突き通し、人よりできることを増やしておけると差が付いていくと思います。

② 能力が足りないと思い知らされる環境に身を置く
自分よりも優秀な人が周りにいて、追いつかないといけない、努力をしないと存在意義が保てないような每日を送っていると、自然とやることが明確になります。そうすると、「自分には向いていないのではないか」と思う日が来ると思います。ただ、早いうちから苦手なことを自分で決めつけてはいけません。まずはやり通し、できるようにする。
一度苦手意識を持って逃げ続けると、もう向き合えなく可能性が高くなります。周りの人の方が優れているなと感じる、苦戦する環境にあなたがいるとしたら、それはとても幸せなことです。
ただし、そのような環境に身を置くためには、受験や就職活動など壁が立ちはだかり、行きたくても行けないことが考えられます。スキルや経験が伴わないと身をおくことさえできないのです。その場合は苦労が沢山できそうな環境を選ぶというのも一つかもしれません。
早いうちから努力をした方がいいというのは環境を選ぶ選択肢を手にすることでもあるのです。

と、偉そうに書き連ねていますが、こういった環境の大切さを知ったのは最近のことです。もっと早く知っていたならと思うこともよくあります。早くから気がついている人も最近は多くいるようにも思います。

「好きなことをしよう」「努力をしよう」というのは簡単ですが、「環境」という観点を持っておくと自分をコントロールできるようになり、結果も出やすいと思うのです。

こんな話は本の中やネット上にゴロゴロ転がっています。
ただ、あえてまだ何も成し遂げていない人間の成長プロセスを晒すことで提供できる価値があると思っています。
賢者は歴史から、愚者は経験から学ぶといいます。だからこそ等身大の人間が遠回りして学んだ経験から得られることがあるのではないかと思いました。
学ぶというのは考える力あってこそです。考えるために目的や目標が必要ですし、志高い仲間がいた方がいいです。

あえて選んだ小さい組織、日々感じる有り難い不甲斐なさ

私は今23人の小さい組織で、志高く、自分よりはるかに優れている人しかいない会社にいます。
每日自分に足りないことばかり実感するのですが、その環境は願ってもない環境です。当面の目標は、ローカルワークスというまだ無名の社名、自社サービスを世の中に広めていくことです。

学生さんにこんな話をしたら、目をキラキラさせながら、

「思い当たることがあってハッとした」
「悩んでいたので話が聞けてよかった」

と言ってくれました。それを聞いて感動してしまいました。これからも不器用にストイックに回り道をしながら進んでいくと思いますが、少しでも価値を与えられる人間でいたいです。

隠しきれない根暗な部分が全面に出たようにも思いますが……最後までお読みいただき本当にありがとうございました!!まだまだこれからなので、引き続きよろしくおねがいします!!

参加イベント概要:「ドリームジョブツアー in 五反田バレー」
詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000027837.html

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