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超個人的2021年ロボット業界振り返り

2021年も残すところあとわずか。今年も振り返りの時期がやってきました。


昨年の振り返りの記事は、結構たくさんの方に読んでいただけました。
今年も、ロボット業界の気になったニュースを振り返ってみたいと思います。

2月:「NICOBO」発表

パナソニックから、豊橋技術科学⼤学の岡⽥美智男研究室(ICD-LAB)と共同開発したロボット「NICOBO」が発表されました。
以前から注目していた岡⽥先生の"弱いロボット"。その発想が製品に実装されたものということで個人的に盛り上がりました。
まだ実物を触れていないので、またどこかで展示してくれないかな〜。


3月:大分県で5G×分身ロボットによるリモート接客の実証実験イベント開催

大分県で、OriHimeとOriHime-Dで5Gを活用した実証実験を開催。
九州では初のOriHime-D上陸。
たくさんのメディアに取材もしていただき、興味を持ってきてくださる方もたくさんいらっしゃいました。
パイロットさんとお子さんのやりとりに心温まる場面も。


4月:「Romi」発売

発表が昨年だったので昨年だったかなと思っていましたが、正式な発売は2021年の4月でした。
特徴としては、「最新の会話AIがその都度会話内容を作り出しているため、次にどんな発言をするのか予測でき」ないところ。(Romi公式サイトより)
新宿の高島屋やPARK+(後述)で会話したくらいですが、聞き取りの精度はかなりいいのではないかと思いました。
ただ、会話のラリーを続けるというよりは一問一答になることが多い印象で、会話した際の満足感は人それぞれかなと思います。
会話AI部分に力を入れているということなので、今後の進化が楽しみです。

5月:「Charlie(チャーリー)」発売

ヤマハのコミュニケーションロボット「Charlie(チャーリー)」も今年の発売でした。
ボーカロイド技術や自動作曲技術等を活かし、メロディーにのせて返答してくれます。
モニターキャンペーンには2回応募したのですが当たらなかったのでPARK+で会話したくらいですが、全ての会話を歌で返してくるのは他には見たことがなくて、とても新鮮でした。
自社で持っている技術を、こういう形でロボットに実装してくるのはとても素敵ですね。

6月:「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」常設実験店 オープン / Pepper生産停止報道

「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」常設実験店 オープン

これまで数回にわたって期間限定で実施してきた分身ロボットカフェが、日本橋にて常設実験店としてオープンしました。
総勢50人以上のパイロットさん、カフェスタッフさん、オリィ研究所メンバーが日々実験を繰り返しながら、分身ロボットでの新たな社会参加の形を開拓しています。

Pepper生産停止報道

6月頃には、Pepperの生産停止報道が世の中を賑わせました。
この報道でPepperの事業自体が終わってしまったと誤解している方が多そうですが、実際は生産を停止したのであって事業自体は続いているようです。
最近は配膳ロボットのServiや業務用清掃ロボットのWhizの方が拡大していてそちらに力を入れていそうですが、Pepperもここ数年のロボット業界の盛り上がりを引っ張ってきた存在であると思うし、せめて誤解は解けてほしいなと。

Pepperがこれからもアップデートがあるのか、どういった展開になるのかなどは分かりませんが、今後も何かしらの形でその魂が続いていってくれると、少しでも関わっていたものとして嬉しいなと思います。

8月:テスラ、人型ロボット「Tesla Bot」の開発を発表

電気自動車などの開発でお馴染みのテスラが、人型ロボットの開発を発表。
このロボットは、退屈で危険な仕事をさせるために開発しているそう。
テスラの工場などでも使う想定なのでしょうか。
こういった危険な仕事などをさせるためのロボットは産業用ロボットなどでよく開発されていますが、人型でというのは結構ハードルが高い挑戦だと思います。
ですがそこはテスラ。どのようにハードルを超えてくるのか、発表が待ち遠しいです。

9月:PARK+ 渋谷にオープン  / Amazonが家庭用ロボット「Astro」を発表

PARK+ 渋谷にオープン

ヒトとロボットが共生するライフスタイルを提案する施設「PARK+」が渋谷にオープン。場所はなんと、以前分身ロボットカフェを実施した渋谷駅新南口の100BANCH です。
落ち着くカフェ空間で、LOVOT、RoBoHoN、Romi、Charlieと交流できます。
自分が行った時は、LOVOTオーナーさんがご自身のLOVOTを連れてきて、お店のLOVOT達と交流させていて可愛かった。
ゆったり時間を過ごせるので、これらのロボットん興味がある・一度触れ合ってみたいという方にはオススメです。

Amazonが家庭用ロボット「Astroを発表」

Amazonが、家庭用ロボット「Astro」を発表しました。
上のnoteで感想を書きましたが、以前からロボットを開発していると言う噂はあったので発表までこぎつけてくれてとても嬉しかったです。
家庭用ロボットの中でも、機能を重視したロボットは特になかなか普及していない印象があります。Amazonの開発力や販売力でどこまで世の中に受け入れられるか、発売がとても楽しみです。

11月:『分身ロボットカフェDAWN ver.β』2021年度 グッドデザイン大賞を受賞

分身ロボットカフェDAWN ver.βが、2021年度のグッドデザイン大賞を受賞しました!
こうして注目や応援をしていただくことで、この実験に参加していただける方や孤独の解消について関心を寄せてくれる方が1人でも増えてくれると嬉しいなと思います。

12月:表情豊かなヒューマノイド「Ameca」が話題に

イギリスのEngineered Arts社が開発する「Ameca」が話題になりました。
表情が豊かなヒューマノイドです。

元々、ロボットにどういうセリフや振る舞いをさせるかを考える仕事をしていた身としては、表情を作り出す技術はもちろん、このツイートに載っている動画の、まるで意思を持っているかのような演出(表情の作り方や振り付け)がすごいなと思いました。


通年:配膳ロボットの普及

料理を運ぶ配膳ロボット

昨年から進んでいましたが、飲食店での配膳ロボットの導入がさらに加速した印象があります。
感染症対策とともに人手不足もあり、大手チェーン店が相次いで導入を発表していました。
自分はまだ一度しか導入現場を見れていませんが、すかいらーくグループや牛角などのお馴染みのお店でも進めているようなので、当たり前に見ることができる世の中になるのも近そうです。
ファミレスなどにロボットが当たり前にいる世の中で育った子どもたちだと、自然とロボットに興味を持ったりするのかな。ロボットネイティブ世代がちょっと羨ましいです。

まとめ

今年も昨年同様、感染症の影響が大きな1年でした。
非接触のための配膳ロボットは去年の流れから普及していきそうだなと思っていて、その通り規模が拡大しているようでした。

一方、NICOBOの発表、RomiやCharlieの発売など、意外にもコミュニケーションロボット界隈もニューフェイスが登場した1年でもありました。
来年はAmazonのAstroの発売も控えていて、家庭用ロボットの世界がまた広がるかもしれません。

OriHimeの活用、パイロットの活躍の場も、来年もさらに開拓していけたらなと思っています。

それでは今年もお世話になりました。よいお年を!



読んでくださってありがとうございました!