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2021シーズンを振り返って

本日、12/05の秋田戦をもって、明治安田生命Jリーグの全日程が終了しました。

私が応援しているジュビロ磐田は、J2リーグ優勝という最高の形でシーズンを終えることができました。来季は3シーズンぶりのJ1となります。

私はシーズン前およびシーズン当初、J1昇格争いはするけれども手が届かずに逃してしまう可能性のほうが大きいと思っていました。というのも、昨年途中から現代路線を諦め既存の磐田のやり方に戻したこと、昇格枠が昨年に引き続き2枠しかないこと、昨年からの上積みがある新潟や実績のあるキジェ監督を招聘した京都など昇格候補が多数いたこと、J1からの降格チームがなく戦力が拮抗していたこと、チームの心臓だった上原が期限付き移籍でいなくなったことなど、ネガティブな面がポジティブな面よりも個人的に目立っていたためです。

実際、開幕して2試合はどちらも敗戦、なおかつ6節の山口戦に敗戦し3勝3敗という、昇格を目指すチームにとっては余りも痛いできごとで、なおかつ遠藤が離脱という状況になり、「今年も厳しいか…」という印象を受けました。しかし、そのあとはチームが立て直され、6試合連続完封勝利を達成したり、最終的には19試合負けなしという勝負強いチームになりました。

これには多くの要因が絡んでいたと思います。

例えば、シーズン前および夏に獲得した選手の多くが戦力として活躍してくれました。
序盤はCB、中盤以降からはWBとしてユーティリティな活躍をしてくれた鈴木雄斗、
シャドーとしてボールをキープしたりここぞという場面でゴールを決めてくれた大津祐樹、
相模原戦でのスクランブル出場からレギュラーを勝ち取り、途中で負傷はしてしまいましたが試合を重ねるごとに対人に強くなった森岡陸、
夏に伊藤洋輝がシュツットガルトへ移籍したため、LCBを固定できなかったところにピッタリとはまってくれてビルドアップの起点にもなってくれた浜名高校出身の伊藤槙人、
遠藤が離脱してしまったときにボランチとして出場し、主に守備面で活躍してくれた鹿沼直生、
スペースを見つけたりポジションを適切にとったりして途中出場でチームに活力を与えてくれた金子翔太、
出場する機会は限られましたが山口戦の劇的な同点ゴールや大宮戦での先発としての奮起&同点ゴールに大きく絡んだファビアン・ゴンザレス、
などなど、磐田に移籍してくれた選手が活躍してくれました。

もちろん、既存の選手たちの奮闘もありました。個人的に印象的だったのが三浦龍輝ルキアンです。

開幕から数試合は八田がゴールキーパーを務めていましたが、アウェー岡山戦から三浦は先発するとそこからシーズン終了までその座を明け渡すことはありませんでした。身長はGKとしてはそこまで大きくなくても、適切なポジションと素早い判断でシュートをセーブしたり、攻撃面ではフリーな選手を見つけ正確にボールを出したり、ビルドアップに参加したりなど、攻守両面で多大な活躍を見せてくれました。

ルキアンは昨年終盤に重度な負傷をしてしまい、シーズン開幕に間に合うか微妙なラインでしたが彼の賢明なリハビリによってシーズンに間に合わせてきました。そこからはコンスタントにゴールを奪い、9月のアウェー松本戦からは6試合連続ゴールという結果を出してくれました。また、ゴールの面以外にも献身的な守備、DFラインの背後を常に狙い相手に脅威を与え続けたなど多くの面で貢献してくれました。最終的には22ゴールを奪い、J2得点王になりました。様々な面で努力を続けて結果を出した彼にはリスペクトしています。

上記に挙げたもの以外にも、1年通じてけが人が少なかったこと、前半戦躍進していたチームが急失速したこと、チームの層が厚かったこと、J1から降格してきたチームがいなかったことによって個人能力で上回られることがなかったことなど様々な要因があると思います。

試合内容的にはうまくいっているときとうまくいっていないときが割とはっきり出ていたと感じています。
特にうまくいっていないときは、ハイプレス前提の守備なのに後ろからの押し上げがない、選手が近寄りすぎてパスが逆に出せない、攻撃時に中央が空でカウンターを受けやすいなど、問題点がいくつか見受けられ、最後まで改善するということはあまり見受けられませんでした。
ただ、そこを何とかチーム、個人の力量でカバーしきったという印象です。

今季限りで鈴木政一監督は退任濃厚で、次期監督はヴァンフォーレ甲府の現監督の伊藤彰さんが就任されると報じられています。ポジショナルプレーを標榜されているかどうかは正直判断しようがないですが、ステップアップのために、ベースを作るために磐田を選んでくれたとのことらしいので、伊藤彰さんが就任される際は全力でサポートしていきましょう。フロントにはなるべく新監督の意向に沿った選手補強、コーチ陣(澁谷さんなど…)の招聘、現有スカッドの維持などをしていただけるようにお願いしたいです。

繰り返しになりますが来季は久しぶりのJ1。群雄割拠ひしめくこの環境で、多くの面で恐らく厳しい戦いになるかと思われますが、来季は何とか1年耐えきって、その先の栄光を掴みに行きたいものです。

改めて、選手、コーチ陣、スタッフの皆さん、この大変なご時世の中、本当にお疲れさまでした。


(来季はアダと対戦するのか…。)