【マッチプレビュー】2022 明治安田生命J1リーグ 第1節 アビスパ福岡 vs ジュビロ磐田 @ベスト電器スタジアム

◆はじめに

こんにちは、SAKASHUです。
今回は、アビスパ福岡戦のマッチプレビューです。

◆昨シーズンの成績

アビスパ福岡

J1リーグ 8位 勝点54 (14勝12分12敗) 得点42 失点37 得失点+5
ルヴァンカップ Aグループ 3位 勝点8 (2勝2分2敗)
天皇杯  3回戦敗退

2020シーズンのJ2リーグを2位という成績を収め、2021シーズンは5年ぶりにJ1で戦うことになったアビスパ福岡。「5年周期でJ1に昇格し、その年にJ2へ降格する」というジンクスが続いていましたが、群雄割拠のJ1で8位という好成績を収めて見事にJ1残留しました。

ジュビロ磐田

J2リーグ 1位 勝点 (27勝10分5敗) 75得点 42失点 得失点+27 
天皇杯 ベスト8

2021シーズンのJ2リーグを優勝し、3年ぶりにJ1リーグに戻ってきたジュビロ磐田。得点の多さはリーグ1位だった一方、失点の少なさははリーグ7位と優勝チームには珍しく失点が多いチームでした。

天皇杯は巡り合わせにより準々決勝までJリーグクラブと戦わないという事態に。準々決勝では大分トリニータ相手に控え主体で挑みましたが最後に力の差を見せつけられ敗退。ベスト8という結果に終わりました。

◆移籍情報

アビスパ福岡

IN
GK 永石 拓海(C大阪 ※完全移籍へ移行)
DF 奈良 竜樹(鹿島 ※完全移籍へ移行)
DF 前嶋 洋太(横浜FC)
DF 熊本 雄太(山形)
DF 井上 聖也(甲南大学)
MF 田中 達也(浦和)
FW ルキアン(磐田)
FW 東家 聡樹(今治 ※期限付き移籍から復帰)

OUT
DF エミル サロモンソン(IFKヨーテボリ(スウェーデン))
DF カルロス グティエレス(栃木)
MF 吉岡 雅和(山口)
MF カウエ(未定)
FW ジョン マリ(シンセン(中国))
FW 石津 大介(岐阜)
FW ブルーノ メンデス(デポルティーボ マルドナド(ウルグアイ)→C大阪)

32試合に出場し主力として活躍していたエミル サロモンソンの退団が重いですが、それ以外の主力選手の流出は避けた形になりました。また、途中出場が多かったものの印象的なゴールが多かったジョンマリ、シーズン序盤はスタメン出場していたブルーノメンデスと石津が退団しましたが、3選手ともスタメン出場数やゴール数を見る限り、完全に主力選手というわけでは無かったため、そこまで大きな痛手にはならないのかと思います。

サロモンソンが抜けた右サイドバックには横浜FCの前嶋を、グティエレスが抜けたセンターバックには山形で4シーズン主力として活躍した熊本を獲得しました。また、主力として活躍していた奈良を完全移籍に移行させることに成功しました。さらにアカデミー出身である田中達也の獲得も行いました。

そして、今オフ衝撃的だった移籍の1つ、ジュビロ磐田でJ2得点王となり昇格・優勝の原動力となったルキアンがアビスパ福岡へ完全移籍しました。得点力は勿論、独力で突破してしまうスピード、当たり負けしないフィジカルを持っていてある程度計算できるストライカーを獲得できたのは、アビスパにとっては非常に大きく、ジュビロにとっては非常に痛い移籍となりました。

ジュビロ磐田

IN
GK 梶川 裕嗣(横浜FM)
DF リカルド グラッサ(CRヴァスコ・ダ・ガマ(ブラジル))
DF 袴田 裕太郎(横浜FC)
DF 伊藤 槙人(横浜FM ※完全移籍へ移行)
MF ドゥドゥ(ヴィラ・ノヴァFC(ブラジル))
MF 上原 力也(仙台 ※期限付き移籍から復帰)
MF 遠藤 保仁(G大阪 ※完全移籍へ移行)
MF 金子 翔太(清水 ※完全移籍へ移行)
MF 黒川 淳史(大宮)
MF 古川 陽介(静岡学園)
MF 藤原 健介(磐田U-18)
FW 杉本 健勇(浦和 ※期限付き移籍)
FW ジャーメイン 良(横浜FC)

OUT
GK 杉本 大地(仙台)
DF 大武 峻(福島)
DF 中川 創(琉球 ※期限付き移籍)
DF 鈴木 海音(栃木 ※期限付き移籍)
DF 加藤 智陽(未定)
MF 今野 泰幸(南葛SC)
MF 藤川 虎太朗(北九州 ※期限付き移籍)
FW 小川 航基(横浜FC)
FW 三木 直土(藤枝 ※期限付き移籍)
FW ルキアン(福岡)

ゴールキーパーは、横浜FMで20年に活躍した梶川を獲得、入れ替わりで杉本大地が仙台へ大神コーチと主に移籍しました。

センターバックは、磐田ユース出身で左利きの袴田、東京オリンピックでブラジル代表として帯同していたリカルド、そして昨シーズン途中から期限付きで加入していた伊藤槙人をそれぞれ完全移籍で獲得しました。
昨シーズン途中から群馬へ期限付き移籍していた大武が服部監督の福島へ完全移籍、出場機会が限られていた中川と鈴木海音がそれぞれ期限付き移籍することとなりました。

ボランチは、仙台から上原が復帰、20年途中から期限付き移籍で加入していた遠藤が完全移籍で加入、アンカータイプのドゥドゥを獲得、天皇杯でラッソにアシストした藤原がトップチームに昇格ということになりました。
一方で元日本代表でベテランの今野は契約満了となりました。

シャドーは、伊藤彰新監督のもと大宮ユースで指導を受けていた黒川を完全移籍で獲得。昨シーズン途中から期限付きで加入していた金子を完全移籍で加入しました。さらに、全国高校サッカー選手権で活躍した静岡学園の古川を獲得しました。

フォワードは、J2で得点王、フィールドプレイヤー最長出場のルキアンが福岡へ完全移籍、ベンチで出場機会があまり恵まれなかった小川航基が横浜FCへ完全移籍、若手の三木は藤枝へ期限付き移籍することとなりました。
ルキアン、小川航基と入れ替わりで、2017シーズンのJ1で22ゴールを挙げた杉本健勇と、横浜FCのジャーメイン良を獲得しました。彼ら2人には新たなストライカーとしての台頭が求められます。

◆両チームの対戦成績

ジュビロ磐田の19勝5分6敗

対戦成績を見る限り磐田は福岡との相性が良いように見えますが、2014シーズンからの対戦成績では磐田の2勝2分5敗となっており、ここ数シーズンでは福岡は非常に分の悪い相手です。
また、この9試合のうち磐田は無得点試合が2つあるのに対して、福岡に9試合とも得点を取られています。

◆欠場情報

アビスパ福岡

GK 杉山 力裕

昨シーズンの7/28にアキレス腱断裂で負傷離脱し、全治6カ月となっている杉山が欠場。それ以外の欠場情報はありません。

ジュビロ磐田

なし

現状、負傷などによる離脱者はいませんが、2/18発売のエルゴラッソによると大津が週明け別メニュー調整とのことで出場できるかは微妙です。

◆両チームスタメン予想

アビスパ福岡 vs ジュビロ磐田
予想スターティングメンバー&フォーメーション

福岡は昨季からの継続で1-4-4-2を予想しました。
メンバーは昨季の主力メンバーに加えて、新加入のルキアンがスタメンに入るかと思います。

一方の磐田も昨季からの継続で1-3-4-2-1を予想しました。
メンバーは昨季の主力メンバーを予想しましたが、WB以外の各ポジションに主力クラスの新加入選手が入ったため、実際の試合では全然違うメンバーがスタメンに名を連ねるかもしれません。
個人的に注目しているのはゴールキーパーのスタメンに誰を起用することになるのかです。昨年の正守護神は三浦で、順当にいけば開幕スタメンになるかと思われますが、今シーズンはキーパーも絡んだビルドアップを行うと予想されるため、ゴールキーパーにもある程度の精度のパスが出せたり、ビルドアップに絡める選手を起用する必要があります。そうなると、その面で徳島と横浜FMで実績のある梶川を起用することも十分あり得ます。

◆試合展望

昨シーズンの福岡は自らボールを保持して試合を進めるというよりは、あくまでも勝利を目指すというため、ボールを素早く前に前進し、ゴールを目指すということを目標としていました。その結果、ポゼッション率はリーグ最下位の42.5%でした。
2/18発売のエルゴラッソやfootballista増刊号を読む限り、今季は攻撃面の部分にテーマを置いているらしく、状況判断の向上、チャンス増、そして得点力の向上を目指していそうです。
しかし、シーズン開幕からその部分での改善がすぐに見られるかどうかは不透明なため、開幕戦は昨シーズンのベースである「セットした守備」と「ハイプレス」の使い分けを行いボールを奪取し、奪取後の素早い前進からの得点をまずは行っているかと思います。
フォワードはfootballista増刊号を読む限り、「ボールを収められる選手」と「裏抜けを行う選手」を併用することが多く、収められる選手としては山岸やフアンマが務め、裏抜けができる選手としてルキアンが務めることになると思います。
そのため、ルキアンに執拗に裏抜けを狙われることが予想されるため、大井を中心としたディフェンス陣は簡単に裏を取られないこと、裏を取られてもすぐに戻ってゴールキーパーと1対1、もしくはゴールキーパー1対福岡の選手が多という状況を作られないことが大事です。彼のストロングポイントは磐田の選手は非常によく把握しているかと思うので、その対応ができるか要注目です。

◆最後に

待ちに待った2022シーズンの開幕です。3年ぶりのJ1となり、日本のトップレベルのリーグで磐田の選手たちが戦うことに胸を躍らせる一方、この2年間の間にJ1は選手の質、チームの戦術という面で大きなアップデートが行われており、そのレベルに磐田がどこまで食らいついていけるか戦々恐々としています。個人的には非常に厳しいシーズンになるかと思います。

今年の最低目標はJ1残留、そしてその先1つでも上の順位を目指して、選手、スタッフ、クラブ、ファン・サポーターが1つとなって戦っていければいいなと思います。