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あなたの脳のきらきらにしたがって

『バームクーヘンでわたしは眠った』柳本々々(春陽堂書店)

昨年の11月からこっちずっと体調が悪く、ばたばたと日々が過ぎ、あらゆることが流れ去っていく。さすが裏運気、大殺界。マイコプラズマ、ノロウィルスときて、冬季鬱にコロナウィルスときたもんで(コロナウィルスかかってないけれど)まったく心が休まらず、大抵このくらいの暖かい時期にでもなれば、おら躁が来たぞ!引越しだ!旅行だ!と思うくらいには回復しているもんだけれど、コロナ関係なくそんな気力もないくらい日々は急速に流れ、逆らってその場に留まるだけで精一杯だ。

大人になれば鬱もパニックも治るだろうと思っていたが、大人になったはずなのに心はいつまでもじくじくのままで、表向きだけはじくじくしているわけにもいかないから平気なふりをして心臓はずっとじくじくしている。不安が左心室を占拠し続けている。

いやあなことや、悲しいことばかりが心に積もっていく。楽しいことだってあるけれど、ちょっとしたことにひっかかってつまずいて、1日の終わりには心が灰色になる。燃え上がる赤色で、静謐な青色で、無垢な白色で、今日からの逃避行ではなく、明日のために布団にもぐれた最後の日はいつのことだっただろう。

あの時言われた心ない言葉、あの時言った心ない言葉、誰も気にはしないことで傷ついてみて、誰も覚えていないことをひっくり返して、ばかみたいだ。

楽しいことが待っているよ、世の中いやなことばかりじゃないよ、と思うのだけれど、頭と心が分離してしまって、頭の命令が心には届かない。

今日も1日よく生きた、もう終わりにしてもいい。そうして小さな数粒の錠剤で今日という日を終わりにする。自分の意思で後ろ向きに終わりにする。

そのことと、ここまでよく生きた、もう終わりにしようと思うことにどれほどの違いがあるだろう。

いいことよりも悪いことばかりが起こるなら、いいことよりも悪いことばかりが残るなら。

今日、あなたの人生に加えた変更を保存しますか?保存しないと、変更内容は失われます。

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