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20曲の好きなとこ|〈mights.likes〉6月の更新分

マンスリーで更新しているSpotifyのプレイリスト〈mights.likes〉の6月更新分について書きます。

6月に追加したのは↓↓の20曲です。

01. Yellow Card / No Buses
02. Chaise Longue / Wet Leg
03. Zuum! / Wez Atlas, starRo
04. 飛べる / SPARTA, NEI
05. Mad / Hope Tala
06. FORCE OF HABIT / Paris Texas
07. 十九月 / 理芽
08. Skywalker / Oliver Malcolm
09. Nahmin feat. aryy, hanoishasi, frankhouse & Power / WATER DAWGS
10. กักตัว / Violette Wautier
11. i wanna know feat.鎮座DOPENESS / G.RINA
12. Second hand embarrassment / underscores
13. I Want / ENNY
14. La Maison du Bonheur / Mundo Prestigio
15. Kimchi Soup (feat. Bassagong) / BULGOGIDISCO
16. Dummy / Jean Dawson
17. Clay Pigeon / binki
18. 生活 / 生活は忘れて
19. 運命論 / ヨイズ
20. CALI 2 JPN / エース橋本, 5lack



01. Yellow Card / No Buses

2018年のイベント「mights」にも出演してもらったNo Busesの最新アルバムが最高でした。バンド名を冠したアルバムとのことできっと相当な熱量が込められてるんだろうと予想していましたが、楽曲やサウンドの洗練さはもちろんのこと、たぶん近藤くんがCwondoとしてソロプロジェクトも展開していることがバンドにもいい影響をもたらしているんだろうな〜と、リスナーとしても想像できるような内容で、アルバムとして名盤だと思いました。

プレイリストに入れたのはその中でも一聴したときに衝撃を受けた「Yellow Card」という楽曲。この曲はアルバムの9曲目なんですが、ここからのアルバム後半戦のたたみかけに圧倒されました。


02. Chaise Longue / Wet Leg

DIGLE MAGAZINEさんの↓のツイートで知ったアーティスト。

ツイートにもあるようにArctic Monkeys、Franz Ferdinandを輩出した〈Domino〉の新人、というだけで聴かないわけにはいかず見事に好みでした。

他の記事を見るとイギリスの大型フェスへの出演もどんどん決まっているらしく、日本のフェスで名前を見るのも遠くなさそうですね。

↑のMVも"Directed by Wet Leg"とクレジットされていて、どの程度までかはわかりませんが、自分たちでそこまでプロデュースしているスタンスにも惹かれます。


03. Zuum! / Wez Atlas

最初に聴いたとき海外のアーティストだと思っていたんですが、コロラドで育って現在は東京で活動しているアーティストのようでした。この人も22歳と若い!

これ書きながらいろいろと見ているんですが、Viva Olaなどと「Solgasa」という音楽・アートコレクティブもしているようで、その活動も気になりますよね。前回挙げたBumsもだし、↓で挙げるWATER DAWGSもコレクティブ・クルー的な動き方をしていて、最近はよくそういった活動をしている音楽もそれ以外のアーティストも目にします。正直「この時代に自分が高校生だったらな」とそういった人たちへの憧れもあります。

Wez Atlasは最近いろんなメディアでも名前を見るようになってきたので、もっともっと目に触れる機会が増えそうです。


04. 飛べる / SPARTA, NEI

前作のアルバム『Count Your Blessings』がめちゃくちゃ好き(特に「Fresh」)で、そこからファンになったSPARTA。声がいいですよね。新しいアルバムから1曲入れさせてもらいました。

前作はアルバム通して多幸感のある内容だったところから今作はサウンドからもリリックからも"欲"を感じるような印象でした。

実際以前よりもいろんなメディアで名前をみるようになったように思うし、ステージを上がっている状況の心境がそのまま反映されているのか、意志を感じるような曲やリリックが多い気がします。

あとは、ナタリーの記事でも"ラッパー/ビデオグラファーの"と表現されるようにMVも多くは自身で撮っている印象だったんですが、今作の収録曲のMVについては積極的に他の人に撮ってもらっているように思えて、それもアルバムから感じた印象と同様なのか彼のいまのモードが表れているようでゾクゾクします。


05. Mad / Hope Tala

ボサノバのルーツをもつロンドンのシンガーソングライター。見た記事だと"ボサノバとR&Bを融合させた"とか"ネオソウル"と表現されていましたが、確かに"影のあるボサノバ"みたいな印象受けますね。自分は最初HIP HOP的にも聴こえましたが、この曲かっこいいです。

最近リリースされていたRemix ver「Mad(Young Franco Remix)」も好いのでよければぜひそちらも。


06. FORCE OF HABIT / Paris Texas

アーティスト名の文字面が強くて、前から見たことあったような気もしていたんですが今年からリリースをはじめたLA出身のラップデュオのようです。

この曲が収録されたアルバムが5月にリリースされたんですが、そこまでに先行シングルも3曲出ていてそこからアルバムまでのアートワークの統一感もかっこいいです。

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FNMNLさんの記事によると本国でも注目されているアーティストらしく、今後のリリースもたのしみです。アルバムの全編かっこいいのでぜひ。


07. 十九月 / 理芽

個人的に追いかけているバーチャルシンガー 理芽の新曲。"曲"というか、MV含めた全体的な作品として衝撃受けました。

淡々と時間経過をポエトリー的に綴っていく歌詞と、そのSF的で終末感のある世界が表現された山田遼志さんによるアニメーションMV。

まず歌詞については、個人的にこういった"心情表現が少なく主に事象を羅列することで時間経過を表現する"ようなクリエイティブが歌詞に限らず好みで、バナナマンの「ルスデン」というコントとか七尾旅人さんの「I Wanna Be A Rock Star」も歌詞ではなくてサウンドで時間経過を表現している部分で自分としては似た手法を感じました。心情表現が少ない分ラストのシンプルな1行が際立つし、あとはサビに歌詞が乗っていないのもよりそれらの心情を際立たせるのに一役買ってる気がします。

歌だけでもリスナー一人一人に世界観を構築させる力は十分あると思うんですが、でもやっぱり山田さんのMVがあってより一層楽曲が完成しているように思います。山田さんはKing Gnu「Player X」や最近のSIRUP「HOPELESS ROMANTIC」の世界観も素晴らしかったですが、この「十九月」でも主人公の彼女の表情や近代的な世界の造形一つ一つが素敵です。

山田さんがMVのクリエイティブについて語るインタビュー面白いので、この作品についてもどこかで語ってくれたりしないかな。


08. Skywalker / Oliver Malcolm

MVはすごくDIYっぽいですが、ビリー・アイリッシュの所属レーベルが打ち出した新人らしく、本国でも注目されているらしいです。1999年生まれの22歳で、この曲は今年の5月にリリースされたEPの収録曲。

アーティストデビュー前はプロデュース業を行なっていたらしく、↓で紹介するunderscores同様プロデューサーが自身も歌唱して活動するようになるというのは日本でも最近は珍しくないですし、国関係なく世の中にひとつの流れなのかもしれませんね。それこそESME MORIさんとかKMさんとか、ボカロP出身の人も同様かもしれません。

彼を紹介した記事では"ヒップホップ、オルタナティブ、R&Bのジャンルを越えた"と表現されていたりもしますが、確かにジャンルレス(というかジャンルオーバーとでも言うのか)で、こうやって一言で捉えられないような人大好きです。


09. Nahmin feat. aryy, hanoishasi, frankhouse & Power / WATER DAWGS

今回自分の中でも特にサプライズで、いまとにかく気になる存在がこのWATER DAWGS。

この「Nahmin」がYouTubeのリコメンドに出てきて知ったんですが、他の曲もすごく好くて、タイムリーにBlack Fileの「オタク IN THA HOOD」にも登場していたので、各所からもう注目されているかもですね。

クルーの発起人らしいPowerのキャラクターやMC陣ももちろん好いんですが、特にトラックメイカー(ラップもしてますが)のY ohtrixpointneverが気になって気になって。トラックの良し悪しについての知識はほとんどないんですが、それでもWATER DAWGSの曲で耳にするトラックは独特なように感じて、佇まい含めてY ohtrixpointneverという人すごく気になります。

その理由のひとつでもあるんですが、比留間さんが手がけているPEOPLEAP最新セットでもプレイリスターとして起用されているんですよね。(しかもたまたまフォトグラファー オノツトムのセットでした。)

MVもクールで、「BLOOM」という曲のMVもかっこいいのでよければぜひ見てみてください。


10. กักตัว / Violette Wautier

このMVも300万回以上再生されているし、インスタのフォロワーも300万人(!)いるタイの女優・アーティストのようです。タイではタレントとして圧倒的な人気を誇るそうです。

この曲をたまたまYouTubeで聴いて知ったんですが、タイとベルギーのダブルの人みたいで、生まれは日本の横浜だという記事もありました。

この曲はなんというか、MVも含めて聴いていて見ていて気持ちがハッピーになるんですよね。
個人的にはシリアスだったりパンキッシュなテイストのものだったり、すこしひねたものを好みやすいんですが、この曲の突き抜けたポジティブさに持って行かれました。曲名の「กักตัว」は翻訳すると"引き止めたい"とかそういった意味だったので歌の内容までポジティブかどうかはわかりませんが、シンプルにこの曲を聴くと気持ちが晴れやかになるんです。

あととにかく本人のルックスも圧倒的だなと‥。


11. i wanna know feat.鎮座DOPENESS / G.RINA

このアルバムは他にもXin Seha, BIM, ZEN-LA-ROCK, NENEなど魅力的な客演アーティストが並んでいて迷ったんですが、鎮座DOPENESSさんとの曲を入れさせてもらいました。

この2人の組み合わせが好きということもあるし、『Tolerance(許容)』というタイトルのアルバムの中にある「i wanna know」という曲、というところに意味(少なくともリスナーとして関連付けてイメージさせられる)を感じたし、それがいまの時世にも個人的に思うところともフィットするように感じてハッとさせられたというのが大きくて、既に十分実績のあるアーティストですが今回入れさせてもらいました。


12. Second hand embarrassment / underscores

ニューヨークのサウンドプロデューサーで、「six impala」というレーベル/グループのメンバーでもあるようです。

次世代コレクティブ「six impala」の一員でbitbirdからもリリースを重ねるunderscoresとは!

このところパンク色のあるものに惹かれがちで、この人に惹かれたのもそういったところが大きいと思う。この曲の終盤の展開とか一瞬だけどそれだけで十分持って行かれたし、この曲が収録されてるアルバムも全編そういった雰囲気が溢れていてすごく好きです。

日本でも同じようなパンクテイストの曲を耳にすることあるけど、アメリカのインディーアーティストでも他にも似たような雰囲気を感じる人何人もいて、ひとつの潮流なのかもしれませんね。


13. I Want / ENNY

ロンドンのラッパー/シンガーでデビューは昨年2020年。ナイジェリアにルーツを持つ人のようです。

なかなかまだ日本語の情報を見つけられずなんですが、↓のような記事でも取り上げられていて、本国でもチャートインしたり注目されている人のようです。

2021年注目すべきUKのネクストスターたち

とにかくこの「I Want」のフレーズが耳から離れなくなってしまって入れましたが、この曲も収録されているアルバムもおすすめなのでよければ。


14. La Maison du Bonheur / Mundo Prestigio

この人たちは完全にビジュアルから入りました。

Rapapawnというスペインのアニメーションスタジオがあってその独特なアニメーションが好きなんですが、そのRapapawnがこの曲のMVを手がけたというところから知って聴き始めました。

このバンドもスペインのバンドのようですが、正直YouTubeの再生回数やSpotifyのリスナー数・再生数を見てもまだこれから、といったバンドのように思います。それでもYouTubeではこのMVだけ再生回数が伸びていますね。Rapapawnの効果なのかどうか。

このMV、曲とアニメーションのせいでいい意味でトラウマになりそうな印象で自分はとにかくたまらないんですが、他の人はどうなんでしょう?


15. Kimchi Soup (feat. Bassagong) / BULGOGIDISCO

SURLのギタリストのドヨンがインスタのストーリーに上げていたので気になって聴いてみたバンドです。

ドヨンのインスタには以前もJoe Layneを教えてもらったので今回も期待しながら検索してみたんですが、特にこの曲は最初のカッティングの気持ちよさで一気に持って行かれた気がします。

と思ったら、ボーカルThe KOXXの人なの!?確かに顔をよくみるとそうだ。

The KOXXはeggmanでライブ見たのが忘れられないし自分が韓国のバンドを好きになった原体験的なバンドなので、その系譜があると思うと感慨深いです。最新曲がラウドロックだったり曲調も様々なんですが、今後のリリースもチェックしていきたいと思います。


16. Dummy / Jean Dawson

大好きJean Dawsonが新しいMVを公開していました。曲自体は去年リリースされたアルバムの収録曲なんですが、今回公開されたこのMVもめちゃくちゃクール。

この人のMVはどれも特徴的で、自分は「Power Freaks」「BRUICE BOY」あたりから入ったんですが、スピード感のあるカットワーク(カメラワークも)にグッと引き込まれるし、その中で彼自身の存在感がスタイリングとか演出で凄くカラフルに際立つんですよね。

それにしてもほとんど日本語の記事がみつけられずで、Twitterでは日本人のツイートもよく見かけるんですが、まだそこまで日本で取り上げられてないのかな。


17. Clay Pigeon / binki

ニューヨークのアーティストで、この曲ではないですが過去にiPad AirのCMにも楽曲が使用されたこともあるようです。

既に日本でも注目されているようで日本語のツイートも多く見かけるんですが、目を引いたのが個人的にも好きなメディアのNEUT MagazineもTwitterで紹介していました。

この曲はMVの質感もすごく好いですよね。インディー感と言ってしまえばそれまでだし野暮ですが、見てても聴いてても心地よくて、この人は他の曲もMV面白いのでおすすめです。あと単純にルックス・ファッションがかっこいいです。


18. 生活 / 生活は忘れて

バンドかと思ったらソロアーティストだったんですね。

もともとは弾き語りでカバーやオリジナル楽曲を発信している人らしく、この曲はちょっと異色の曲のよう。でも入りの言葉数の多さとダンサーさんのMVも印象的で、一聴してからけっこう頭の中でループしちゃう病みつきになるものがありました。

アルバムを聴いていると、この曲が異色というのも納得しつつ、他のギターサウンドの曲もボカロっぽいアレンジのものやTikTokシンガーっぽさやLo-Fiヒップホップっぽいアレンジのものもあったり、けっこう振り幅があって興味深いです。


19. 運命論 / ヨイズ

以前からYouTubeで聴いていた曲なんですが、ようやくSpotifyに入っていたので今回の更新で入れさせてもらいました。

ヨイズはこの曲で初めて知ったバンドで、他には「アイノウ」という曲も切なく優しい曲で好きなんですが、ボーカルの声がこういった切実さを感じる曲にすごく合う気がして、張り上げるところで「切れてしまうんじゃないか」と思わせる揺れのようなものがあって、それで一層胸をグッとさせられるんですよね。

バンドのYouTubeでもこの曲が一番伸びていて、自分が知ったみたいにこの曲が正にいまバンドを知らせている最中なのかもしれません。


20. CALI 2 JPN / エース橋本, 5lack

このタイミングで初めて知ったんですが、Odd Futureの初期メンバー ブランダン・デシャイという人のソロプロジェクトのようです。

ニッポン好きすぎアメリカ人・エース橋本のデビューアルバムに向井太一、5lack等が参加

日本が大好きな方らしく、一時はその愛ゆえに日本に住んでいたこともあるようで、この5lackはじめ日本のアーティストとの親交も多いとのことでした。

この5lackとの曲はアルバムの日本盤のみに収録された曲なんですが、他にも向井太一がfeatで参加した曲も収録されていて、アルバム面白いです。こういったボーダレスなコラボもすごくグッと来るんです。


以上!
6月更新で追加した20曲について書きました。

例によってもう7月末なのでもうすぐ7月の更新もする予定です。

よかったら↓↓チェックしてみてください。

Spotify Playlist〈mights.likes〉
〈mights〉

Podcast〈nighttime〉 ※キュレーターとして参加しているPodcast

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