ライフキャリアストーリー Vol.1《後編》

信州に暮らす女性の仕事・キャリア・子育て・生き方…。
悩み、迷い、試行錯誤しながら自分らしい1歩を踏み出した女性ゲストに等身大のストーリーを語っていただく「ライフキャリアストーリー」。第1回目の今回は、上田市へ移住して3年目になる20代女史のおふたりにお話を伺いました。
後編では「仕事の見つけ方」や「これからの暮らし」など実際に移住してから感じているリアルなストーリーを聞きました。

橋本真里(20代)
出身地:東京都板橋区
現住所:長野県上田市
2年前に祖母が暮らす上田市へIターン

やぎちゃん(20代)
出身地:茨城県古河市
現住所:長野県上田市
神奈川、東京を経て2年前に上田市へIターン

仕事探しにリクナビ・マイナビは使わない!?

やぎちゃん:真里ちゃんは新卒で移住したんだよね、仕事探しはどうやってやったの?

橋本:私の就活の軸は「住む場所」。大学で建築・インテリア関係のことを学んだから、それを活かせたら…と思っていたけど、上田じゃないところに住むくらいなら、全然違う職種でもいいって考えてたの。

やぎちゃん:仕事の内容よりも住むところを重視してたんだ。

橋本:そうなの。おばあちゃんの家から通える範囲で、転勤がない会社、できれば住宅関連の仕事がしたい。って考えていくとだいぶ絞られてきて。学生時代には上田市内でインターンもしたよ。

やぎちゃん:かなり限定的だから探すの大変だったんじゃない?

橋本:東京での就活では、リクナビマイナビを使うのが一般的だと思うけど、こういう条件だからなかなか見つけられなくて…。ちょっと視点を変えて「家を建てる人」の目線で探してみようと思って、検索してみたの。

やぎちゃん:なるほど!求人情報じゃなくて、上田にどんな会社があるのか?ってことを調べたんだね!

橋本:家を建てたい人と同じ感覚で検索をした方が情報を見つけられたんだよね。「どういう家を建てている会社があるか?」を知ることで、「こういう家(商品)だったら売る側として働いてみたいな」と思えるところがいくつかあって。

やぎちゃん:求人してたの?

橋本:求人情報が載っていないところも多かったから、まずは電話。「募集していますか?」って聞いてみたら、結構反応があったんだよ。「話だけでも…」とか「求人情報は出してないけど、募集してるよ」って言ってくれる人がいたり。

やぎちゃん:すごいなー。求人情報が出てないからって諦めちゃいけないんだね。自分から行動して、道を開いている感じ。

今後のキャリアとロールモデルの不在

橋本:女性スタッフが多い職場で働いているけど、20代前半の女性が少ないのが悩み。今後結婚、妊娠、出産となった時に、実際どうなるんだろう?って不安になることがあるなぁ。ロールモデルがあまりないんだよね。

やぎちゃん:アピールしていれば体制を整えてくれないかなぁ。「友達とこのまえ、こんな話したんですけど、どうなんですかね?」みたいな(笑)

橋本:その言い方、上手いね(笑) 働き出すまでは分からなかったけど、産休や育休で一度抜けたら自分のポジションが埋まってしまうのでは…とちょっと怖いんだよね。人数が少ないからこそ、新しい人が入ったら戻れる場所がなくなっちゃうんじゃないか、って。
でも今悩んでいてもしょうがないから、その時々で、自分の生活にあった働き方ができたらって考えてるかな。

やぎちゃん:上田には、はたらクリエイト(https://hatakuri.jp/)のような、お母さんが働ける場所もあるから、選択肢が色々とあるのは嬉しいよね。

わたしたちの将来像

橋本:生活が変わったら、仕事だって変わってもいいよね。住むところや環境、結婚・出産とか、生活が変わるタイミングってきっとあるから、それに合わせて仕事を決めたいな。
私にとって「住む場所」を選ぶことはとっても重要。好きな仕事をすることも大事だと思うけれど、生活ベースで仕事を考えるような生き方をしていきたいって考えてるよ。「絶対にこうしなきゃいけない」なんてないと思うから、柔軟に、いろいろと挑戦できたらいいなって思う。


やぎちゃん:私は自分のことを、生きるのが上手じゃないと思っているのね。「いつか死んじゃう」って意識が常にどこかにあるから、やりたくないことはやらない。やりたいことだけやりたい。研ぎ澄まして生きていきたいって思ってるんだ。
流れ流れてここにたどり着いたから、ずっと上田にいるとも思わないし、でもずっと上田にいるような気もする(笑) どこでも生きていけるかなって思う。

橋本:やぎちゃんの、柔軟性と芯の強さが同居してる感じがすっごくいいよね。私はただ「生活したい」という思いだけで上田に来ちゃったから。

やぎちゃん:それが逆にすごいよ。暮らしたい場所があって、逆算してお仕事やいろんなことを決めていって。
あ、私、ひとつだけこうありたいというのがあって。それが「お葬式を黒字にしたい」。たくさんの香典を貰えばお葬式が黒字になるでしょ?それって、人の繋がりがあって、お線香をあげたい人がいっぱいいるってことだよね?慕われたいっわけじゃなくて、人との繋がりを大事にしたいというか。死ってネガティブなイメージがあるけど、すっごいポジティブな意味でこれが目標なんだ。どこに住んでいたとしても、そういう出会いや繋がりを大事にしていきたいな。

(2019/5/19取材)


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