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きき酒能力を証明する唯一の資格「清酒の官能評価分析における専門評価者」

一般的に、よく知られているのは、ある民間団体が認定している「唎酒師」です。

唎酒師とは
特定非営利法人 FBO(料飲専門家団体連合会)の中の日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)という民間団体が認定している資格です。
飲み手の好みや要望を察知し、日本酒とその楽しみ方を提供出来る専門家。
http://kikisake-shi.jp/ より

この「唎酒師」ですが、
飲食サービス業、酒類流通販売業に従事する方々に加えて一般消費者の方にも、日本酒を理解・普及させる目的としては良い取り組みだと思います。
しかし、「唎酒師」取得者のきき酒能力が優れているかというと疑問です。
理由は簡単で、誰でもほぼ確実に取得できる資格だからです。私が知る限るでは、「不合格した」という話を聞いたことがありません。
酒造業界の人間にとって、「唎酒師」の資格にはきき酒能力的価値はないのです。

では、酒造業界の人が目指すきき酒能力に関する資格は何かというと、
独立行政法人 酒類総合研究所が認定する「清酒の官能評価分析における専門評価者」です。

清酒の官能評価分析における専門評価者(清酒専門評価者)とは
感覚の感受性が高く、清酒の香りや味の多様な特徴を評価するのに一貫して反復可能な能力を有している評価者で、清酒の官能評価の経験があるとともに、清酒の製造方法や貯蔵・熟成に関する知識を有している専門家です。
https://www.nrib.go.jp/kou/ssh_info.htm

これは、12 項目の官能試験すべてにおいて、統計学的に識別できると判断できる基準点以上でなければ取得できない資格になっております。
平成 19 年から開始し、105 名しかて認定されていません(平成29年9月末現在)
資格取得者のほとんどは、酒造メーカーの技術者や酒造技術指導者(国税局の鑑定官室の方々や都道府県の試験場職員の方々)ですが、ごく少数ですが一般の方も取得しています。

一般の方々が取得する方法は、
公益財団法人日本醸造協会主催の「実践きき酒セミナー」を受講した後、独立行政法人酒類総合研究所主催の「清酒官能評価セミナー」を受講し、官能試験すべてに合格すれば資格取得できます(識別した香りについての筆記試験も含まれていますので、きき酒能力だけでなく香りに関する高度な知識が必要となります)
きき酒能力に自信ある方は、チャレンジしてみて下さい。かなり難易度高いです。

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