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SDGsの実現につながるIDGs(Inner Development Goals:内的成長目標)を知っていますか?

IDGsって何?


SDGsの認知度が急速に高まる中、「SDGsを本当に実現させるためには、人間の内面の成長が不可欠だよね」という考えから、今まさに生まれつつあるのが、IDGs(Inner Development Goals:内的成長目標)です。

SDGsが国連によって提唱されたトップダウンな目標なのに対して、IDGsは現場からボトムアップで生み出されつつある目標です。

2021年の5月、「持続可能な世界を実現するためには、人間の内面の成長が必要不可欠だ」という考えから、内面の成長目標の検討を目的に開催されたのが、オンライン・カンファレンスの『MindShift(マインドシフト)』です。世界中から約1,700名もの人々が参加し、インタラクティブな対話・検討が行われました。

これらの動きは、スウェーデンのストックホルム大学、カロリンスカ研究所、NPO『29K』が主導し、民間企業(イケアやエリクソン)、ハーバード大学、MITの学者やリーダーたちの協力を得て立ち上がったそうです。

▼IDGsのPartner(公式サイトより)(コーチェットも入りて〜!)

https://www.innerdevelopmentgoals.org/


ちなみに、コーチング業界では有名な「成人発達理論」のロバート・キーガン博士、「学習する組織」のピーター・センゲ氏、「U理論」のオットー・シャーマー氏も開発に関わっているとのことで、なんて希望に溢れているんだろうと個人的にはとても胸熱です。

私自身は当時このカンファレンス(MindShift)の存在を知らず、参加できませんでしたが(しょんぼり)、2023年10月に『The Inner Development Goals Summit 2023』が開催されるようなので、オンラインで参加しようと思っています(わーい)

IDGsを構成する5つのカテゴリ

さて、では内的成長を構成する要素とは何なのでしょうか。IDGsは、5つのカテゴリと23のサブカテゴリで構成されています。またこれらは、誰にとっても有効な成長の羅針盤となること、特に影響力を持つリーダーには不可欠な成長目標となること、が意図されています。

https://www.innerdevelopmentgoals.org/

意訳するとこんな感じでしょうか。

  1. Being – Relationship to Self(在り方:自己との関係性)

  2. Thinking – Cognitive Skills(考えること:認知スキル)

  3. Relating – Caring for Others and the World (つながり:他者や世界への関心と配慮)

  4. Collaborating – Social Skills (協働すること:社会的スキル)

  5. Acting – Driving Change (行動すること:変化をもたらす)

いや〜、1番目に「自己との関係性」がきてるの凄くないですか?もう見ただけでニヤけちゃいますよね。言語化して下さった有識者の皆さんに本当に感謝したいしハイタッチしたいです。しかも詳細の説明文では「自分の思考、感情、身体との関係性を深めることで、複雑さに直面しても反射的に対処するのではなく、今ここに意図的に在れる」と書いてあり、本当にそうだなと思いました。私たちは、自分の外側で起きていることが、自分の内側から引き起こされていることに意識的になる必要があります。

内的世界が外的世界をつくる

以前↓こちらのnoteにも書きましたが、

私たちが「現実」だと思い込んでいるものは、私たちの認識がつくりあげた主観的なものです。私たちの固定化された思考パターンは、やがて信念となり、「正しさ・正義」を帯びはじめます。時代ごとに多数の人が支持したもの(流行)が、その時代の真理となり、正義となるのを私たちは見てきました。そしてその正義はいつも、他者への矯正へと向いてしまうのです。近年のSNSでの誹謗中傷を見れば、その威力が残酷なほど伝わってきますね。

さて、システム思考のフレームワークの1つである「氷山モデル」は、目の前の出来事がどのような要素のつながり・メカニズムにより引き起こされているのかを捉え、より本質的な変化を起こすためのアプローチです。

氷山モデル

「目の前の出来事や課題は、どのようなパターン・構造によって引き起こされているのか?その構造は、どのようなメンタルモデル(意識・無意識の前提や価値観)によって生み出されているのか?」という風に、目の前の出来事単体ではなく、物事の全体像を見た上で、最も効果的な働きかけをする必要があります。

そう考えると、「SDGsで解決しようとしている課題が、どのようなメンタルモデル・構造・パターンにより生み出されているのか?」を明確にし、そこに覚悟と痛みを持って向き合わない限りは、本質的な解決は見込めないと思うのです。

だからこそ、SDGsの達成にはIDGsのような内的成長が不可欠であり、人類はそろそろ本気を出して内面世界の解像度を上げ、自分達の価値観をアップデートする必要があるのだと思います。

IDGsは、「誰にとっても有効な成長の羅針盤となること」「特に影響力を持つリーダーには不可欠な成長目標となること」が意図されていますが、私たちコーチェットも、「リーダーのメンタルモデルが組織の構造・行動パターン・出来事を創り出している可能性」に目を向け、リーダーのメンタルモデルや行動パターンを、組織の理想の方向性に向けてアンラーニングするためのプログラムを、本気で創り提供しています。今はビジネスマン向けのプログラムのみを提供していますが、今後は取り組みをさらに広げていき、自分達がIDGsを引っ張っていくぐらいの気持ちで取り組んでいきたいと思っています。

最後に

私たち人間には優れた知性があります。私たちはこの優れた知性を、より本質的な課題解決へと向けることができると、私は信じています。

唐突ですが私の好きな言葉の一つに、ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉があります。

神さま、私にお与えください。変えられないものを受け入れる落ち着きを。変えられるものを変えていく勇気を。そしてその二つを見分ける賢さを

私たちが向き合っている世界的な課題は、変えられるものなのではないでしょうか。というより、私たちが生み出している課題なので、私たちでないと変えられないものなのではないでしょうか。そしてそれを変えていくための勇気は、人々が正義を押し付け合い分離することではなく、つながることによってのみ可能なのではないでしょうか。

まずは、私たち1人1人が、自分とつながり、周りの大切な人たちとつながり、自分の心を満たすことで、世界に目を向けることができますように。余裕が無ければ、私たちは意識のベクトルを、外側の世界ではなく内側にばかり向けてしまいます。そのことに意図的意識的になり、勇気を持って変えていくことができますように

それでは、世界中のみなさまに愛を込めて🎁メリークリスマス!


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