ホロスコープの罠

私たちの太陽系は一つの想念形態であるが、思考が継続しているときに限り、その想念形態は存在し続ける。存在するものはすべて、神聖な思考者から発せられるアイディアの流れの一部である。想念はすべて、神聖な流れの一部である。
アリス・ベイリー著『ホワイトマジック(下)

ホロスコープとは、任意の地点と時間における天体の配置を記述したものです。
〝黄道十二宮〟と〝ハウス〟という独立した全く別の体系をひとつの円に展開しています。
どちらも円を12分割することは共通しており、360度の体系に基づいています。したがって、6のサイクルに基づくエネルギー状態の表現がホロスコープと言えます。

可視・価値領域を司る土星=マインドによって作り上げられた虚構は6のサイクルで運営されています。

ホロスコープには、この虚構にリアリティをもたらすためマインドにロックをかける役割があります。

かつて個人の出生図というのは、国王など集団の中で重要なポジションにある人物のためのものでしたが、現在は誰でもオンラインの無料作成サービスを利用できます。

国家という虚構に生命を吹き込むための生贄として国王が正常に機能することを査定するのが占星術師であり、出生図の鑑定ではまず寿命を割り出す必要がありました。

ホロスコープは、国家を運営する上で天体のエネルギー状態を参照することに使われてきたので、個人レベルまで影響を及ぼすというのはまずないはずですが、何らかの計画の駒として機能するケースもあるかもしれません。

例えば、実際には八月に太陽は獅子座にはない。したがって、天宮図の正しい解釈は、主にサイコメトリーによるものであり、占星家たちが幾時代にもわたって築き上げてきた星座についての想念形態に依存している。エネルギーは思想に従うのである。数千年にわたって、あるタイプのエネルギーとその結果としての質料と形態への特質づけは、占星家が解釈するようなものであると考えられてきた。そのため、そのようになるのである。しかし、非常に進歩した人々や真の熱誠家の場合は違い、彼らは自分自身を方向づけており、そのため存在の車輪から脱し、自分の星を支配し始めており、もはやそれらの支配下にはいない。(中略)通常のホロスコープは役に立たない。ホロスコープを描くことはまだできない。基本的に、そしてほとんど間違いなく正しい唯一のホロスコープは、完全に横隔膜よりも下で生き、動物性質だけに支配されている全く低い段階の人間のホロスコープである。
アリス・ベイリー著『ホワイトマジック(下)

つまり6のサイクルで閉ざされたマインドが長い年月をかけて作り出したエネルギーの流れに従って生きているとき、ホロスコープは有効に作用するが、それは、操り人形として己の生命をその想念形態に捧げているだけであって、本来の生命活動とは程遠い状況と言えます。

そしてこれは、星占いに興味があるかないかを問わず、想念形態に自己の生命エネルギーを与える、つまり、マインドが作り上げた虚構に意識を閉じ込めるホロスコープの罠について示唆しています。

可視・可知領域における生命活動は6のサイクルなしには成立しないのですが、その閉ざされたマインドだけでは全体のごく僅かな範囲しか認識できません。

マインドのロックを解除し、中心から全体を見渡す意識へとシフトした上で、可視・可知領域において活動する。
それを筆者は、ハートとマインドの連携と表現しています。
6のサイクルで閉ざされたマインドは、ハートに背いています。ホロスコープの罠にはまった意識は、マインドの奴隷です。

7のサイクルによるハートの磁力にマインドが仕える事で、ハートとマインドの連携は機能します。

永続する宇宙の秩序である7のサイクルで構成されるプラネタリー・アワーのチャート及び曜日の無限循環構造は、ホロスコープの罠をすり抜けるための意識のグリッドに成り得ます。

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