星の女と湖水の女、クマリ

昨年からずっと「星の女」という言葉が頭の中にあり、3・4月のワークショップの大アルカナが「星」に決まっていたので、検索すると、鈴木三重吉という明治〜昭和初期にかけての童話作家の作品がヒットしました。

「ごんぎつね」を編集した方として有名なようです。青空文庫で作品が公開されてるので読んでみました。

「星の女」はプレアデス人のようですね。歌と踊りによって美を伝えることを本性とします。
仕方なく地上で暮らすことになったが、奪われた衣装を再び取り戻すことで、ようやく本来の居場所へと帰ることができた。

物語は、地上で産んだ子供も連れて帰るという結末ですが、この辺りは、地上と天界との駆け引き、器に光を留めておきたい側と、器から光を解放する側として、考察できるのではないかと思います。

もうひとつ、「湖水の女」という作品もついでに読んでみました。鈴木三重吉のデビュー作にあたります。
湖水の女も、仕方なく地上の男と暮らし子供をもうけますが、当初の約束を男が破ったため本来の居場所である湖水へと帰って行きます。
星の女と違い、子供たちを残して行きますが、病を癒す薬草の知識を伝えたので、子供たちの地上での暮らしは安泰だったという話です。

星の女と湖水の女の物語のことを考えているうちに、「クマリ」が頭をかすめました。
ネパールの生きた女神のことです。

タロットカードでは「女教皇」に対応します。月を踏む乙女です。
「女教皇」は、太陽と系外の恒星をつなぐ経路です。
「星」は、金星と月をつなぐ経路です。

「星の女」が衣装を取り戻すには、クローゼットの鍵が必要でした。
鍵を父親から預かった子供は、開けてはならないという約束を母親のために破り、クローゼットが開かれることになります。

つまり、器が、光を留めておくことができるのは、光が本来の居場所へと帰るために必要なものに鍵をかけてあるからと読めます。
鍵は開けることと閉めること両方の役目がありますが、その鍵は開けることを約束によって禁じられています。

これらの象徴的体系における照応関係を、3・4月のワークショップで考察します。

3月17日(日)、4月7日(日)、4月21日(日)を予定しています。

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