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月岡穂南のサックスを聴け、全人類

今日は実家から片道2時間くらいかけてリサイタルを聴きに行きまして。

月岡穂南、本当に上手いよね……!という話をします。

私やっぱり月岡の音色が好きです。しっかり歌うのに芯があって、かといって決して痛くなく深くて厚い音。

実は月岡のソロを生で聴くのが4年ぶりとかで、いや昔からずっと上手いんだけど、纏うオーラが数段レベルアップしていて震え上がりました。
上手い役者って気迫で芝居する感があるでしょ、なんかそんな感じ。ホール中の観客の意識のベクトルを、意図的に自分に集中させる感じ。たぶん月岡が役者やったら相当上手いと思う。いやなんの話。

演奏の端々から耳の良さと人の良さが滲み出ていて、伴奏のピアノとの音色や音量の溶け合いとか、主張する所と引く所のメリハリとか、テンポ感をピアノとどう擦り合わせるかとか、ただ上手いだけじゃなく周りに気を配るからこその視野の広さ、みたいなものが嫌味なく溢れ出ている演奏だったなあ。

今回みたいな対バン形式のリサイタル(なんて言うんだっけこういうやつ、一部と二部で演奏者が変わるやつ、さっき本人に教えてもらったのに忘れた)お馴染みの、アンコールで全演奏者が出てきて夢のコラボが果たされるアレで、サックス2本とピアノのニューシネマパラダイスを聴かせてもらったんですが、お恥ずかしながらガチで泣きました。
あまりにも月岡の音楽性と人間性が曲を彩っていて。ずっと我慢してたのに。

プログラム3曲目のウェニャンのラプソディ、初めて聴いたけどあれとんでもない曲ですね。超絶技巧ってこういうことです!人間の限界に挑戦しています!みたいな曲。
それを吹き切ってる月岡っていうヤバいサクソフォニストが目の前にいて、でもここは長野県で、リサイタルのタイトルは「"新進"音楽家コンサート」で。なんだかそのミスマッチに笑えてきてしまう。老練熟達コンサートとかでいいよもう。

本当に月岡は、早いところ売れてほしい人です。
それだけの実力はとうにあると思う。
こいつの人生の終わり方が、本人が想像しうる限り最高のハッピーエンドであってほしいと思う。


ラブレターかこれは。

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