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1月21日(日) 初対面の人と身体で会話をする

昨日のディズニーシーの疲れを感じながら隣で寝ている夫を起こす。

9:00から夫と一緒にチームコーチングを受けるために二人で洗面所に並んで身支度を整える。「水使う?」「どこうか?」「ええか」左右に前後にスライドして場所を移動しながら一つの洗面台を二人で使う。

私もチームコーチングの基礎コースは学んだけど、実際に受けたことはなかったので、夫と一緒にどんな体験ができるのか楽しみと不安と怖さを抱えながらその場にいた。

夫とはこれまでも遠距離という物理的な距離を感じさせないくらい、お互いを知り合う努力をしてきた。性格的には凸凹の二人なので、どこがどう違うのか、違うならどこまで合わせられるのか、どこまで許容できるのか、そんなところを書籍を真ん中に置いて話し合ったり、テーマを決めて話し合ったり、普段伝えにくいことを話し合う場をあえて設けてみたり、交換日記をしてみたり、Airbnbを利用してお試し同棲をしてみたり、お金も時間もかけて知り合ってきた。

チームコーチングの場でこのあたりの話をし、コーチの宮本さんに認めてもらうことで、私たち夫婦のこれまでの歩みのプロセスに二人が誇りを持っていることを感じた。どんなことが起きても握ってる手を離さないでいる関係性にもどっしりとした互いへの信頼を感じた。

「夫と結婚してよかったなあ」自然にそう言葉が漏れた。

チームコーチングが終わって雨が降る中、近所のスーパーに行く時ふたりはそれぞれ1本ずつ傘をさした。普段は夫の持つ傘に入りたくなる私だけど、私は自分の傘をしっかり握っていて少しだけたくましくなった気持ちだった。

昼ごはんを買って私は整体へ向かった。

10:30予約がつまっていたのか先生はいつもより言葉が少なく焦っている感じがした。電気も腰と肩を間違えていたし、いつもしてくれている施術はされずに終わった。特に不満があるわけでもなく、余裕のなさは人の本来の力を奪うんだな〜と思いながらお店を後にした。

13:00からコンテンポラリーダンスを教えてくれる教室の体験に参加するので、それまでに買っておいたイカのお寿司とぶりの刺し身を食べようと思ったけど、眠気にあらがえなかったので10分間仮眠をとった。出発まで10分という時間の中で食べられるだけ食べて家を出た。

予定と予定の余白をもう少し取るべきだけど、いけると思っちゃうんだよないつも。

参加したレッスンは「コンタクト・インプロビゼーション」というもので、ペアになり互いの身体(筋肉や骨の動き)に触れ合いながら身体で会話をするようなワークをたくさんした。今日は講師の先生と私ともう一人の生徒さんの3名がこの空間にいた。

ますは一人ゆったりとした音楽が流れる中、骨盤の動きを緩めるために前後左右に身体を揺らしたり、鎖骨に触れながら腕を様々な方向に動かしながら鎖骨の動きを観察した。ひねったら、前に出したら、回転させたら、何をしたらどう動くのかを目を閉じながら感じた。

立ち上がって、頭、首、肩、腕、指、背骨、肋骨、骨盤、膝、足、身体の色々な部分を動かしていく。そこには恥ずかしさはなく、動き続ける身体に身を委ねているうちに勝手に次の動きをはじめていく身体に不思議な気持ちを抱いていた。小鳥が草花が跳ねるような音楽が流れ始めた頃には音楽にも身を委ねている感覚で心がすごく開放されていくのを感じた。

次はペアになりロールという動きをした。一人はうつ伏せになり、もう一人は相手の上に乗り転がる。相手の身体を感じながらも自分の身体を感じる。身体の力の抜き方や力の入れ方が私はよく分からない。最近は寒さを感じると強張る身体の力を抜くことで、寒さが心地よい冷たさに変わる感覚を楽しんでいる。だけど、相手が人になると少しむずかしいと感じる。ふう。

今度は相手の骨盤や肋骨、肩甲骨に触れて形を知っていった。相手はどんどん身体を動かしていく。相手の身体に触れているとき、これはなんという生物なんだろうと不思議な気持ちになった。筋肉や骨が一つの生物に見えてきて触れながらまてまてとついていった。

私の身体にも触れてもらった。触れられながら身体を動かした。私の身体に触れてくれている方は時々私の身体を自然な動きになるように誘導してくれた。それがとても心地よかった。私の身体を誘導してくれている方との会話はほぼない。自己紹介すらもしていないけど、身体を通して会話をしていた。

その方に触れてもらいながら、私は立ち上がって2曲の音楽に合わせて自由に頭、首、肩、腕、指、背骨、肋骨、骨盤、膝、足、身体の色々な部分を動かした。踊っていた。転んだり、座ったり、歩いたり、いろんな動きをした。身体はゆるまり、あたたまり、開かれていった。

次はその方と骨盤と骨盤をくっつけもたれ合い、支え合う動きをした。私は何度もバランスを崩した。人に身を預けること、身を預けてきた人を支えることはとても困難だ。しかもここに言葉はない。腕や足、膝を動かしながらちょうどよいところを探していく。最後は一人が回転しながら位置を変え支え合う。そこには安定感が生まれていたので静かに感動していた。言葉はあまり必要ない世界が心地よかった。

最後にその方と手の甲、腕、骨盤どこかをかならずくっつけた状態で決して離れないように。踊っていた。相手を知るために観察し、動きを予想し、合わなければすぐに変えた。

終わったときには整体に行ったときよりも身体がゆるんでいた。身体に触れ合い、身体で会話をして過ごした方とは軽く会釈をしあって離れた。

昨日は初対面の人とディズニーシーに行きべらべら喋り笑い遊び尽くした私は今日は初対面の人と言葉があまり必要のない世界で身体に触れ合いながら踊っていた。

どこにでも住めるような気がしたし、どこにでも私にとって居心地の良い場所があるような気がしたし、私はそれを見つけるのがとても得意なんだろうな。時々空気になりたいな。「あれ、いたんだ」そう言われることも多かったし、空気になることも得意なんだろうな。今度はコンテンポラリーダンスのレッスンに参加してこよう。生きているうちに、私を表現できる世界があとどれくらいあるのかな。

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