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冥王星に愛をこめて

冥王星は準惑星です。

ちょっと前まで惑星だったんですが、基準が変わって降格してしまいました。

わたしは西洋占星術をやっているので、

正直、
「マジか!」
と思いました。

占星術では、冥王星は結構重要な意味を持っているんです。

1930年、冥王星が発見されたとき、
科学的にも衝撃だったと思いますが、占星術的にも大衝撃でした。

ご存じの通り、占星術は宇宙や太陽系の惑星たちが主軸です。

だから惑星が増えると、主軸の要素も増えることになり、
きっちりと組み立てられた占星術の世界観が変わってしまうことになります。

実は、冥王星の前に、天王星と海王星の発見、惑星入りもあったので、
それほどの大混乱もなく、冥王星の位置づけがされたんですが、
個人的には、冥王星が占星術の世界に組み込まれてから、何千年と続いてきた占星術のあり方が変化していったように思うんです。

冥王星は蠍座の守護星です。ルーラーとも言います。
守護星というのが占星術ではとても大事な概念なんです、
冥王星が現れた時、まず、何座の守護星にするのか?
ということが、大きな課題になりました。

結局、蠍座の守護星になったのですが、
これって、今になってみるとほんとに絶妙な配置だったなと思います。

蠍座は8番目の星座で、水のエレメントです。
8という数字はとても強固な状態を表します。
水は感情を表し、
蠍座はとても強く深い感情、人や物との強固な繋がりを意味します。

冥王星の国際名はプルート、
冥途の王様の名前です。

西洋占星術的に冥王星がどんな意味を持つのか、
一言で言うと『破壊と創造』です。
『破壊と再生』とも言います。

なんだかちょっと怖い感じもしますが、
これは1930年以降に起こった世界恐慌とその後の世界大戦への流れ、という時代背景にも由来しています。
冥王星が象徴するものの中には「核」もあります。

この冥王星を使って何を読むのか、
というと、
占星術家によって違うところだとは思いますが、
わたしは、その人の『究極的な部分』を見る時に使います。

占星術家のジェフリー・グリーンは、
『冥王星~魂の進化成長の旅路~』という著書の中で、
冥王星は、この人生で魂が進化成長していくための課題を示してくれている。
ということを言っています。

人は自己実現していきたい、進化していきたい欲求と、
生まれる前の魂の状態へ向かう欲求、
進化とは逆な、ある意味回帰的な欲求を持っていると言っています。

占星術で自己実現を表すのが太陽。
太陽はもちろん太陽系の中心にあり、自分自身の中心でもあります。
その反対に冥王星は太陽系の外郭、外宇宙との接点を示します。
つまり、自分の中心から一番遠い星、そして宇宙からの影響を一番受ける星、
なので、冥王星は自分では制御できないもの、こと、というのを表しているんです。

魂は人として生まれ、人としてこの世界で自分の目的を果たそうとしますが、
本来の魂としての欲求(グリーンさんは生まれる前からの課題と言っています)もあり、それが人生を迷走させてしまっている。

もちろんその二つが一緒という人もいるかもしれませんが、
目的を果たすことだけが人生の主軸になり、それはそれで大変なような気がします。

本の中では、冥王星の示す課題に向き合うことは、自己実現に向かう大事な取り組みだと言っています。

冥王星の課題がなんなのか、
それは人によって違いますが、
恐らく共通して言えるのは、自分の中で目を逸らしていること、
対峙することに苦痛を感じたり、もしくは反対にそこから逃れられないと思うようなこと。

なんだか重たい感じですが、
なにせ『破壊と創造』です。
良くも悪くも生まれ変わるような経験や思いを通らなければ至れないもの、
冥王星とはそんな人生の『究極的な部分』を示しているんです。

そういうともっと怖く感じちゃいますか……
でもある意味、ありがたい面もあって、
自分の力ではどうにもならないと思っていたことが、冥王星の破壊力で動く、
という嘘のようなホントの話が、結構あるんです。
実は、わたし自身も経験しました……

人によっては冥王星のテーマを長いことかけてゆっくり取り組んでいる人もいます。
自分でも気づかずにそこに向き合っている人も。
もうクリアしてしまった人ももちろんいます。

冥王星のテーマに向き合うことは、人生の本来の意味を見出すことだと思います。
人生は目的を果たすためだけにあるわけじゃなく、
果たせるかどうかよりも、そこに向き合うことの方が大事なのではないでしょうか。

でもそれはホロスコープを見なければわからないこと……
でもなくて、

自分自身が、これがしたい、本当はこう生きたい、と思うことを妨げているものがあるなら、
それが冥王星のテーマかもしれません。

占いとはあくまでも自分を知るためのものなので、
そういうツールがなくても、自分のことをよくわかっている人はいます。

冥王星的なテーマに向き合うのは、ちょっと苦痛なことかもしれません。

でも人生を辛いと感じる時は、それを克服するすべが見つからないから、なのではないかと思うんです。

それを知る手掛かりになるのが、冥王星が教えてくれる人生の『究極的な部分』なのではないでしょうか。

余談ですが冥王星とタロットの13番、死神のカードは、どちらも同じ『破壊と創造』『破壊と再生』という意味を持っているんです。

なのでわたしの中ではこの二つはリンクしているのですが、
この記事を書く前に「なに書こうかな~」と思って、テーマを決めるのにタロットを引いたら死神のカードが出たんです。
「冥王星のことか~」と思ったんですが、しばらく書かずに、数週間たってからもう一度同じテーマで引いてみたら、またまた死神が出たので、これは書けってことだな……と納得してしまい、今この記事を書いています。

少しでも何かのお役に立てたら嬉しいのですが。

今回もお付き合いくださり、どうもありがとうございました。

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