0歳からの口腔機能と歯列の育て方

過蓋咬合に関するワード一覧
☆考察

歩くことが減少すれば筋力低下につながる

妊娠後期の女性の骨盤形と各年代の割合を比較
扁平型骨盤と言われる直立二足歩行に適した形が減少、類人猿型骨盤の割合が増加している。筋力の低下に伴って骨盤形態が変化していったと考えられる

1980年縦型骨盤(類人猿型骨盤)25%▶︎2010〜2012年47%(2倍増加)
1980年扁平型17%▶︎2010〜2012年8%(半減)

上顎骨は口蓋骨や蝶形骨と隣接する後方部の骨への骨添加によって前下方へ成長する。一方、下顎骨は上顎骨の成長に伴って形態が変化すると言われています。下顎臼歯部が垂直的に放出するのか、あるいは舌側よりなのかは上顎骨の成長次第と考えられる。

また上顎骨のシエ長が何らかの原因により損なわれてしまった場合には下顎骨の成長が不足するとも言われています。
このように下顎骨の成長は、上顎骨の成長の影響を受けることを前提とします。

☆下顎骨の成長ピークは思春期、上顎骨の劣成長であれば下顎骨の成長も劣成長となり、後の下顎骨ピークだけ成長することは考えられない。よって下顎前突には突発的にはならないと考えられる。

生活習慣の変化により、口腔機能獲得機会が損なわれ、骨添加不足が起きたことも言及されている。

上顎の良好な成長には、日常的な咀嚼による刺激が大きく影響している報告もある。

こうしたさまざまな考えから顎も身体の一部であり、体の発育には生活習慣が大きく影響することが示唆されます。


<顎骨に影響を及ぼす姿勢>

1900年代にジョンミュー(英)は
・口を閉じること
・顎が上顎についていること
・安静時には軽く歯が噛み合っていること
が重要だという概念を提唱。

成長すなわち、時間軸上で携帯の発育と機能の獲得の歯車が噛み合うように変化していくという考えを確立した。
この概念には姿勢や呼吸という概念も入っており、成長期の必要十分条件として全身との関係性も強調している。

現代の生活は体感筋力の低下をもたらしており、その結果として顎の発育不足に至ることが考えられる。生活の一部や仕事としてスマホを操作することなら悪いと考えないが、その姿勢が異常感を生み出している。

中毒性のあるスマホやゲームは呼吸の仕方に影響を与えていることもわかっている。

<保育環境が全身の発育に>
口という期間はそれ自体で機能するわけではなく、全身との繋がりの中で存在し機能し発達していくことが挙げられる。
ペンフィールド。
手のひらや足の裏から受ける刺激と口から受ける刺激は、同じくらいのうに影響を与えていることがわかる。
また外で走り回る、坂道を上り下りする、木登りする、どろんこ遊びをするなど日常的に全身を使って遊ぶ子どもたちは噛み合わせの問題が変化していくという報告もある。(池田靖子 斉藤公子の保育を実施する子ども円での口腔機能獲得 小児歯科臨床2017;22(5))

これは全身を動かすことで体感が育ち、呼吸や咀嚼嚥下に良い影響がもたらされていると考えられる。全員に当てはまるわけではないが、いずれにしても成長途中の子供達にとって、全身発育と口腔の発育は同じレベルで重要視したいもの。


成長とともに「心の発達」も口腔の発育につながっていくという考え方も必要。

赤ちゃん歯科の取り組みはできれば胎児期からすでに始めたいところ。
これは発生段階から、もっと言えば前世代、つまり母体の健康状態から考えることとも言えます。妊娠中の母親の健康状態が、これから生まれてくる赤ちゃんの将来の健康状態に影響を与えるという臨床結果が数多く報告されている。体内で受けた影響がのちの世代まで伝わることを「エピジェネティクス」という。基本的に赤ちゃん歯科で生まれてからの赤ちゃんを対象に口腔の機能や携帯を見て対応していきますが、そこに至るまでの体内環境やb体についても可能であればサポートできる視点を持ち合わせると良い。


赤ちゃんの離乳食で大切なことに
・体感が維持できること
・強調運動ができること
・食べる意欲があること
耐えられるお口づくりにおいても、この欲求への関わりからスタートします。


自ら体を使い意欲を持ってむさぼりとった食事と、周りにいる大人が口に運んであげる食事とでは、その体の使い方、心に伝わるもの(ここでは脳への働き方を意味する)が全く違うものになる。スプーンなどの道具を交えた食事はもう少し先の話。


赤ちゃんは生後しばらくの間はほとんど反射で体の動きが成り立っている尊大。そこで反射を制御できないは立つ段階にあるからこそ、それを利用します。この時期は「循環反応」と呼ばれる、繰り返し同じ動作をする反応があり、これも利用。
リズムに合わせて体を動かす


<良質な睡眠は赤ちゃんの発育に不可欠>
成長期の子供の睡眠が十分取れていないと、自分の欲求を制御できなかったり、癇癪を起こしやすかったりする。自我のコントロールをする前頭連合野の成長を促すのが「睡眠」
体の使い方とそれを認識できる脳の連携を睡眠が整えてくれる。さらに体と心の調和をより強固なものにしてくれる。

赤ちゃん歯科は全てのライフステージ、すなわち赤ちゃんの将来をも見据えた取り組み。

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