カフェオレ好きの私が好きなのは、コーヒーじゃなくて牛乳とお砂糖だった。

自宅で仕事をしていると、コーヒーの消費量が半端ない。

息抜きがコーヒーブレイクくらいしかないので、下手すると1日5杯とかコーヒーを飲んでいる。

そんなに飲むならおいしいものが飲みたい、と思ってコーヒーメーカーがずっと欲しかった。ある時Twitterにおすすめのコーヒーメーカー教えてとつぶやいた。

すると、友人からの返信は“ミルでごりごり挽きたてのコーヒーが一番おいしい。ただしブラック派なら”とのこと。

ブラック派なら。

そうか。本当のコーヒー好きはブラックで飲むのか…。


私はコーヒーはブラックで飲めない。それどころか牛乳どばどば、お砂糖どばどば入れた甘くてミルク感たっぷりなカフェオレが大好きだ。

そんな風にしかコーヒーを飲めない自分は真のコーヒー好きではないらしい。


確かに考えてみれば、私の思うおいしいコーヒーの条件は“カフェオレにした時においしい”であって、正直香りとか苦みとか酸っぱさとかの味の違いはあんまりわからない。むしろ味を左右するのは牛乳。安い牛乳ではなく、ちょっとお高めのいい牛乳で作るとおいしいんだよね。

私が本当に好きなのはコーヒーではなく、牛乳とお砂糖なのだった。コーヒーはそれを楽しむためになくてはならないけれど、そのものを好きな訳じゃない。



同じように、好きだと思っていたものが実は因数分解してみたら本当に好きなのは他のものだったということはよくある。

こういう勘違いで、私はよく人生を回り道してきた気がする。


例えば私は高校生まで、けっこう自分は勉強が好きだと思っていた。(大学以降知り合った皆さんは、嘘だと思うかもしれないけど嘘じゃない)

今となっては自分との約束も提出物などの期限も守れないダメな奴代表みたいな人間なのだけど、中学生の時なんて、提出物は前の日までに完璧に仕上げ、毎日進研ゼミの冊子を開いて授業の内容を予習するのが当たり前、テスト前は必ず全テスト範囲の教科書を読み込んで重要事項にラインを引き、想定問題を3周くらい解いてわからないところを潰してからテストに臨んでいた。

もちろんそこまでやっていたら、地元の公立の中学だから成績は良いに決まってる。

いやだからほんと嘘じゃないってば。


で、なんでそんな成績優秀な優等生タイプだった私がこんなになったかっていうと、ある時「私は勉強することが好きなんじゃなくて、100点を取るのが好きだったんだ」と気づいたから。

大学生以降、特に社会人になってから、完璧な「100点」が返ってくることなんてそうそうない。

それがわかったら、急に完璧を目指すことが無意味に思えてしまった。

競争の中でトップになれないなら、何もやりたくない。

元・完璧主義の弊害で、100点が出せないとわかると途端に全てのやる気がなくなってしまうのである。そしてもちろん、勉強のやる気も急降下。比例して、1年生まではそこそこ良かった大学の成績も2年生から急降下。よく4年で卒業できたよね、と言われるほどの降下っぷりだった。



えーと、なんの話しだっけ。そう、本当に好きなものは因数分解していくと実は違うものかもよ、という話。


私は勉強するの結構好きと思って大学まで来たけれど、本当はテストとか受験というゲームで高得点を取ることが楽しかっただけだと気付いた。

そしてその先に待っているのは、ナチュラルにいけば、そう就活だ。

でも、私はもうそういう一般的なレールの上で、完璧を目指して努力することは無意味だと知ってしまった。

100点なんて取れたのは、それがすごく狭い世界の中での競争で、出題される範囲がわかりきっている限定的なものだったからだ。

現実の世の中の問題は、そんな風にきっちり割り切れない。常に中途半端で、それでも前に進めて行く力のほうがきっと重要だ。


周りの大学生と同じように、真面目に就活して、世間的に評価される満点に近い人生を目指して進む選択肢もあった。だけど、それが非常に困難だということもわかっていた。

企業に就職した先の仕事人生そのものを楽しめるのでなければ、世の中から合格点をもらうのを目指すことに、いったい何の意味があるだろう?

しかも、ほとんどの場合、満点なんか取れっこないゲームだというのに。


そうしてやっと、私はそれまで持っていた自分の価値観を手放すことに決めた。

勉強するのが結構好き、と勘違いして突き進んできた、100点ゲームのレールの上から、私はそこで完全に降りることにした。

100点が目指せないと分かっても、それでもやりたいことは、何だろう。

まったく何の保証もなく、大学4年生の春、就活をやめた。



レールから降りたその先の人生が、こんなにジェットコースターだったということはそのあとに初めて知ることになるのだけれど…。


なんとかジェットコースターを乗りこなして、今は、牛乳とお砂糖をたっぷり入れたあまーいコーヒーを飲みながら、自宅でドレスを作る仕事をしている。

いまだに回り道ばっかりしているけれど、そんな毎日を結構気に入っているから、よかったということにしよう。


P.S

コーヒーは、インスタントで充分という結論になりました。

カフェオレが一番おいしい!







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早 《saki》

*ブログに書くまでもないネタ帳的日記*

毎日を記憶に留めておくための雑記
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