何も起こらない毎日

私は「特別な日」が大好きだ。バレエの発表会、みんなの前で何かを表彰された時、新しく何かを始めた時、好きな人ができた時。自分自身が自分を誇りに思い、生きててよかったなと思える「特別な日」を、待ち遠しく思いながら毎日を過ごしている。

でも、「特別な日」はそう簡単にやってこないし、毎日は思っている以上に淡々としている。仕事は頑張っているはずなのに、自分の欠点やミスは日常茶飯事で注意され、成長しているのかはいまいち分からない。周りの子は恋人がいたり結婚していたりするのに、自分にはそういう相手がいない。平日の夜や休日も充実させようとして努力するも、仕事の疲れが相まって楽しさより疲れが勝ってしまう。そして、銀行口座を見れば思った以上に減っている貯金。

「特別な日」を迎えるため、悩みながらも今まで頑張ってきた。でも、目の前にあるのはいつもやるべきことに追われる日常。私が1日のルーティーンの中で1番好きな瞬間は、会社に出社する途中に、「テイラースウィフト」か「BTS」の曲を聴きながら、皆の前で踊っているキラキラしている自分を想像することだ。日常の中で唯一特別で高揚した気分になれる時間である。

自分が10代の時に想像していた27歳ってこんな感じだっただろうか。もっとキラキラしていた自分を想像していた気がする。30歳も遠くない現実になってきて、過去の自分を悔やむこともよくある。「特別な日」は日常の積み重ねや努力、試行錯誤した上にあるものだ。でも、自分と向き合ったり努力するのが嫌で、安易に「特別な日」を求め、幸せな友人をただ羨ましがっていたりした。

「特別な日」をただ待ち望むのではなく、「何も起こらない毎日」をどう自分の力で「特別な日」に変えていくか。それは容易なことではないけれど、幸せになる近道な気もしている。他者から与えられる幸せもかけがえないものだが、自分で作っていく幸せもそれ以上に素晴らしいものだ。そんなことに最近やっと気づいた。コロナや戦争で、将来何が起こるか分からない。あまり幸せを感じられない毎日さえ、本当はすごく幸せだったんだと実感する時がきてしまうかもしれない。

自分の力で「特別な日」を作っていきたい。それは、自分の努力や人生の見方次第できっと変えられる。そう思うと「何も起こらない毎日」も悪くない気がしてきた。



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