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椿(つばき)

あなたたちとなら私の楽しい時間を
分かち合うことができるでしょう
この世は 喜び以外はすべて狂気なの
楽しみましょう
束の間の儚い恋の喜びを
咲いては散る花の様な 限りある喜びを
楽しみましょう 私たちを誘う
焼けつくような愛のささやきを

ジュゼッペ・ヴェルディ『椿姫/La traviata』

椿、とは書いて字の如く、ツバキは春をあらわす木の代表格。古くから、めぐり来る春の喜びを、伝える花木のひとつでありました。

国字とされる「椿」は、夏の「榎」、冬の「柊」と同様に、季節の木と見立てているとされますが、実は中国にも「椿」の字はあり、中国においての「椿」には「ながく久しい」といった意味があるとのこと。そこから長命なことを美称して「椿寿」というようになったそうです。

朽ちてもなお咲かんとばかり、光に向くこの花には、辛いことも悲しみも笑い飛ばしてくれる、力強さとやさしさがあります。

眺めれば、赤い椿、白い椿、八千代つきせぬ花の数、目に飛び込んでくるこの艶に、どうして胸躍らずにいられましょう。ほら、ヴィオレッタも言っていた。あなたたちとなら、私の楽しい時間を、分かち合うことができるでしょう。今日もいちりんあなたにどうぞ。

ツバキ 花言葉「誇り」

楽しみましょう 束の間の喜びを


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