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カンナで削るのは木だけじゃない

まぁ、大工さんかDIYが趣味じゃない人は触らないと思う道具…鉋。カンナ。
コレ、硬い木を薄く削る道具ですよね。
カンナで削ると木が紙みたいに薄くなりますね。

チーズの勉強を始めるまで、チーズはナイフでカットするものだと思っていましたが、

カンナで削って食べるチーズもある

と言う事を知って驚いたことがあります。

Sburinz スプリンツ

スイスのAOPチーズです。
スイスも古くからチーズ造りをしている、伝統あるチーズ生産国の一つ。

有名なところで、
「ハイジのチーズ」や「トムとジェリーのチーズ」なんかは実はスイスのチーズ、だったりします。

このスプリンツ、ワインバーとかでたまにメニューにあったりします。

超硬派なイケメン

ゆえ、カンナで削ります。
でもさ、普通家にチーズ用のカンナなんてないよね。日本で、どこで売ってるのかもわからんし…
なので、ピーラーで代用♪
カンナよりもちょっぴり厚くはなっちゃうけど、味を楽しむのには十分!


そもそも何でこんなに硬いのか。
造り方にも秘密がありますが、

極力水分を抜いて保存性を高めるため

なんです。
硬いチーズ(ハードチーズ)はどれもこれも目的はコレ、保存性。
保存性を高めたハードチーズは、基本、山岳地帯で多く造られているのは偶然じゃない。
なぜなら、山岳地帯の冬の貴重なタンパク源として、夏に絞ったミルクのままだとすぐ傷んでしまうから、昔の人は、硬く大きなチーズを造ったからだ。

日本はよく、平地の少ない国だと言われるけれども、その通り。国土の75%が山岳地帯。
実は、スプリンツの故郷であるスイスも、南にアルプス山脈を抱え、西にヴォージュ山脈が走り、国土の70%は山岳地帯。
それゆえ、伝統的にハードチーズが多く造られる国。

その中でもスプリンツは、スイスの分類で言うと「エクストラハードタイプ」と言われる超硬質チーズ。
どれくらい硬いのかと言うと、ナイフでサクッと切れないくらい。
野菜で例えるのも何ですが、生のカボチャに近いかも。ナイフを入れた感じだと、ジャガイモより硬い。
チーズの中では、私が知りうる限り最強最硬。
パルミジャーノより硬いです。

スプリンツ、ただ硬いだけのオモシロチーズじゃ、ありません。
2年近く熟成させているので、白いプツプツ=アミノ酸の結晶がたくさん見られます。

パルミジャーノ・レッジャーノは、この白いポツポツはジャリジャリした食感ですが、
スプリンツはプチプチした食感で、美味しいだけじゃなく食感も楽しめる♪

そこらへんでよく売ってるものじゃないかもしれないけど、日本でもそこそこ流通しているチーズなので、見かけたらぜひお試しください。

私は、見かけたら必ず買うチーズです💖


#チーズのハナシ

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