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私とカキフライ

誕生日が終わった。見事に誰にも会わなかった。

日がな一日、取材の音源を起こし、構成し、文章を書き、リードと見出しをつけているうちに、日付は変わっていた。
なぜかこの誕生日には〆切が3本重なっていた。そしてそれはまだ終わってない(朝までが今日、ということで…)。

そんな年もあるものだ。
去年はどうだったのだろう。もはや思い出せないが、同じように過ごした気もする。

ひとつ変わったことといえば、カキフライを作った。
そう、村上春樹大先生の、あの「1人カキフライ」を私もやってみたくなったのだ。
カキの水気を切り、衣をつけて、ひとりでカキフライを揚げる。
もちろん、タルタルソースもつくっておく。
揚げたてはやっぱりとてもおいしい。
おいしいけど、ものすごく孤独だ。これが村上春樹の境地か。というか奥さん、夫の好物なんだからカキフライくらい作ってあげればいいのに……。

いや、きっと村上夫婦の中には、私がうかがい知れない何かがあり、それはそれでいいのだろう。1人カキフライだって、講演のネタになったわけだしな。うんうん。
というわけで、私もこれからはカキフライを揚げてるつもりで、文章を書こう。じゅわっとサクッと、おいしくなりますように。

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