台風が恐ろしい🌀

ゴーゴーという風の音を聞くと子供の頃を思い出す。

　
　日本の西の果ての、
山の中の古い家が揺れて。
強い風と雨の音が
恐ろしかった。
建て付けの悪い雨戸を閉めようとする父のイライラが沸騰し激昂するのは、さらに恐ろしかった。

私はただ震えていた。
台風でなくても、
何かをきっかけに
暴力をふるう父親がいる家は、恐ろしい。

　あの頃、
父が決めた規則だらけで息苦しく、
不自由な毎日だった。

今から思えば、よく、
グレたりしなかったと思う。
いえ、その先が恐ろしすぎて、グレることもできなかった。
ただ、どこかへ逃げたい。できるなら
どこか遠い所で自由に暮らしたいとずっと考え、本をたくさん読んでいた。本を読んでいる時は、
苦しみや悲しみから逃れることもできた。
ただ、不思議なことに、
「自分は将来きっと
幸せになれる、なる」と想っていた。
願うのではなくて、
信じていたような気がする。
そうして、
どうすれば将来、自由に生きることができるかを
考えて準備をしていたのだろうか。

　おかげ様で今は
穏やかな毎日だ。苦しかった18年があったから
今が、あるのだろうか。

　久しぶりの台風🌀直撃は、私に、複雑な気持ちを運んできた。

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