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セゴビアのギターを聴きながら

辛いことや悲しいことがあった時、
これは今、私に何を教えようとしてくれてるんだろうと思う。

嬉しいことや幸せが訪れた時は何のご褒美なんだろうと思う。

今日で3月が終わる。
10日は息子の、そして20日は父の命日だった。

私は父の歳を越した。
それでも父のことを思う時、
心が幼い頃に戻ってしまう。
いつまでも父離れしない私。

たまたまアンドレス・セゴビアのギターを聴いて、
また父を思い出してしまった。

父はいつもステレオの前にゆったりと座っていた。
小さな私はレコードに針を落とす。
手が震えてジャリッと音がする。
パチ、パチ、という音の中から
えもいわれぬ美しい音楽が流れてくる。
音楽を聴いている父はご機嫌だった。

父が好んで聴いていた曲が流れてきたり、何かを読んでいてその曲名を見るだけでその時の様子が
そのまま思い出される。

父と音楽の話、もっとしたかったな。


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