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進歩に対する侮辱ではいけない

ONE PIECEの空島編における回想シーンで出てくる冒険家の言葉がすごく好きです。幾多の冒険を経てたどり着いた、迷信や古い戒律に縛られた島の族長に対して、冒険家はこう言います。

「この偉大な"進歩"をお前達は踏みつけにしているんだ!だからお前達の儀式は彼らへの侮辱だと言っているんだ!お前たちの古い戒律こそ悪霊じゃないのか!」

これは、sakalusのものづくりの信念みたいなものを作っている言葉です。

saklausは植物から採取された精油と、植物性エタノール、時々お水
これだけで香りを作っています。
精油の多くはオーガニックのものです。
梱包資材なども、紙と植物を使い、プラスチックやビニールは極力使わないようにしています。

オーガニック、ナチュラル、エシカル、サスティナブル

saklausのものづくりの在り方は、このようなキーワードと親和性が、少なからず、あると思っています。
一方で、極力使わないようにしているキーワードでもあります。

なぜなら、その対義語に当たるものも、saklausは肯定しているからです。

ナチュラルとデジタル
自然と科学

saklausはそのどちらとも、共存したいと考えています。

メモはスマホで取るし、ワークシートの作成はmacbookです。
youtubeもユーネクストもお世話になってるし、数年後にリリース予定のHBOのハリポタリメイクドラマを観るために生きています。
生理痛による貧血で倒れて以来、財布に忍ばせるロキソニンはお守りです。

これらの恩恵に預かれるのは、私たち人間の進歩の証だと思っています。

例えばオーガニック。
「オーガニックだから安心・安全」という広告や口コミは使い古されたテンプレートかと思うほどに散見されます。
そこに付随するのは「合成成分は危険」というものです。

saklausは安全だからオーガニックの精油を使っているわけではありません。
一重に、オーガニックの雑味のある香りが好きだからです。
雑味です。
オーガニックの精油は洗練されておらず、力強く、野性的です。
そんな香りが好み。ただそれだけです。

野生やオーガニック(有機栽培)というのは、決して安全ではないと思っています。
オーガニックとは言い換えれば精製されてないものです。何が入ってるか分かりません。人によっては、その成分のいずれかが合わないこともあります。
仮に山で遭難したとして、その辺りに生えてる植物を口に出来るかと言われれば、とても怖いですよね。

合わない成分があることは、合成成分も同じです。オーガニックだから良い。合成だから悪い。ではなく、人それぞれ合うもの合わないものは、皆違う。ということなのです。
(余談ですが、日本においてはオーガニックを表す厳密な基準がないため、大半のオーガニックを謳う製品は、オーガニックではありません)

何より、合成成分とは私達の、科学の進歩の証です。
かつて金を生成しようとした錬金術師たちの研究の成果が、時を経て科学者たちに用いられ、今日に至るのです。

自分を知るために占いを用いたり、すこやかに生きるためにアロマテラピーを用いることは素晴らしいことだと思っていますが、それに盲信したり、執着して、周りが見えなくなるのは危険だと思っています。

相手と対話を試みる、カウンセリングに行く、医者にかかる、薬を用いる

これらはすべて、私達人間が、社会で生きていく中で得た進歩の証です。
それらを悪だと否定するのは、進歩に対する侮辱です。

もちろん、進歩のその先に新たな問題が起きることはあります。

例えばプラスチック

プラスチックごみにおける、環境に対する負荷を考えれば、決して良いものとは言えません。
一方で、プラスチックを作った人間の進歩まで否定してはいけないと考えています。
プラスチックのすべてが悪ではありません。プラスチックの存在は、紛れもない人間の進歩です。
軽い。落としても割れにくい。透明になるーー利点だってたくさんあるし、私達はその恩恵を授かって生きてきたはずです。

進歩のまたその先で、プラスチックを分解しきれない。という問題が起きているのは事実ですが、それは進歩を侮辱する理由にはなりません。
もちろん、今起きている問題を解決するのは、進歩のまたその先にいる、今の私達の課題であると思います。
それは、これからも私達人間が生きて、進歩していくために他なりません。

私達が前を向いて生きていくために、かつて進んできた道を踏みにじるようなことはしたくない。それがsaklausの信念です。


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