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PLATEAUに入門してみる

Project PLATEAUの「3D都市モデルの導入ガイダンス」を読んでみた感想です。


デジタルツインとは

フィジカル空間に存在する物体をサイバー空間上に再現し、フィジカル空間で収集した人流や環境などのリアルタイムデータを反映することで、サイバー空間上にフィジカル空間の「双子(ツイン)」を構築するもの。
都市空間のデジタルツイン構築に、3D都市モデルの活用が期待されている。

Project PLATEAUが整備を進める3D都市モデル

幾何形状(ジオメトリモデル)に、「壁」,「屋根」などの地物定義や 「高さ」, 「用途」,「構造」 ,「災害リスク」などの属性情報を付加している。

<同一オブジェクトの一元管理〜Level of Detail〜>

オブジェクト幾何をその利用や可視化の目的に応じて扱えるよう、LOD1〜LOD4までのモデル詳細度を定義し、複数段階に抽象化している。

地方公共団体のユースケース実証

福島県郡山市〜防災(防災計画)〜

垂直避難の可能性を有する建物の可視化等を踏まえた防災計画検討(LOD1)

⾃治体・住⺠の防災意識の向上、地域の強靱化を図るため、3D化した浸⽔想定区域図を活⽤し、まち全体で「緊急的な垂直避難の可能性を有する建物」のピックアップを実施し、3D都市モデル上に可視化した。

石川県加賀市〜環境・エネルギー〜

太陽光発電ポテンシャル推計及び反射シミュレーションシステム(LOD2-3)

神奈川県横浜市〜地域活性化(賑わい創出)〜

大規模複合施設における人流カウントと建物屋内モデルを用いた可視化(LOD4)

⼤型複合施設であるクイーンズスクエア横浜において、みなとみらい駅からまちへの⼈流の縦動線・横動線を把握するため、フロアごとに複数の⾚外線センサーを設置し、解析データを組み合わせることで、時間帯、場所ごとの⼈流、混雑情報をリアルタイムに把握した。

PLATEAUデータを活用して避難情報APIを作ってみた話

<概要>
被害の過小評価により住民が避難してくれないという課題を解決するために、自宅待機をしている各住民にパーソナライズされた避難情報を提供するAPI
<インプットデータ>
- 川崎市3D都市モデル(LOD1)
   - 建物モデル(ポリゴン、高さ、地上階数)
   - 洪水浸水想定区域(浸水深、浸水ランク)
- 川崎市避難施設データ住民データ(現在位置や避難判定に必要な情報)
<アウトプット>
- 避難有無判定結果
- 避難所への案内

避難推奨までの流れ

デモ

大変だった・困ったこと

  • CityGML形式を簡単に読み込めて、属性抽出できるPythonライブラリがあまりなかった

  • 位置情報と建物ポリゴンとの空間結合処理をどうすれば高速化できるか

まとめ

  • LODが⾼いほど3D都市モデルの情報は豊富となる⼀⽅で、データ容量が増⼤し、データハンドリングや維持管理に支障が出る。

  • 浸⽔リスク情報と3D都市モデルを重ね合わせ、浸⽔リスクのある建物を可視化したい場合はLOD1で⼗分達成できる。ユースケースに応じてLODを適切に設定することが重要。

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