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IELTS OA5.5→7までの奮闘記


総論

大学時代に受験したTOEICは600点台前半、高校時代には英検2級も落ちたことがあり、英語が得意だと言えるような人間ではありません。

IELTSを初受験したのは2023年2月5日。このとき記録したスコアは5.5で、日本人受験者の平均スコアとほぼ同等くらいです。準備をほとんどしていない状態だったため、私は比較的容易に目標であるOverall 6.5に到達できると楽観視していましたが、現実は私の予想よりもはるかに厳しく、初受験からの8ヶ月間はOA5.5で停滞していました。
約1年間の努力の末、2024年1月28日に行われた6回目の試験で、ついに目標としていたスコアを上回り、ここまでに投じた学習時間は約1100時間。この道のりは決して直線的ではなく、高額な学費を支払ってスクールに通うなど、多大な時間と費用を投資してきたと思っています。一時は留学の予定を延期することも考えましたが、なんとかアカデミックな世界でやっていける最低の英語力レベル(according to Atsueigo)に達することができました。

計6回のスコア変遷
https://www.youtube.com/watch?v=MUnXa93vsTQ&t=1861s

1年間の試験勉強を振り返る

毎日なるべく継続していたこと

  • 単語

『はじめてのIELTS 単語対策 3600』を使ってました。まずDAY30までがスコアレベル別(5.0〜7.5)に構成されており、DAY30以降ではリーディングのテーマ別やライティングのタスク別で使える単語も収録しています。
私は毎朝30分を単語学習に充ておりました。やり方としては区切りの良い範囲を設定し、即座に連想できるまで繰り返し復習するというアプローチです。正直、まだ全体のうち約60~70%程度の単語しか覚えていないので、現在もこの教材を使い続けていますね。

  • 音読トレーニング

英語の自然な語順に慣れ、なおかつリスニング力にも効果があることは認識していたので、IELTS公式問題集のパッセージや、後ほど紹介するスクールで提供された教材などを使い、音読の時間を確保してました。

また、勉強当初はスタディサプリの文法授業を視聴していたのですが、その時に紹介されていた効果的な音読トレーニングがこちら。

1. 文法・構文を意識して10回
→まずは構文解析(主語や動詞など)を意識しながら 10 回、じっくりと。この時点では、構文解析として書き込んだカッコやメモを見ながら、ときには日本語訳を確認しながらゆっくりで OK内容を意識して10回

2. 内容を意識して10回
→次に英文を読みながら「意味・内容が浮かぶように」10 回。内容優先、自分で理解できるスピードでOKスピードを意識して 10 回

3. スピードを意識して10回
①目安は 1 日 30 分、3 ヶ月くらいで効果が出る
②同じ英文を一気に 30 回も読む必要はない。1 日 5 回× 6 日 = 合計 30回が目安

まずは高校で習った文法をざっと復習(2023.02-2023.03)

TOEIC受験からもう5年くらい経過していたため、文法の基礎から見直すことにしましたが、分厚い文法書では集中力が続かないかなと思い、私の場合はスタディサプリに登録後、関先生の「高1・高2・高3英語超入門」と「高3スタンダードレベル英語<文法編>」の講義を視聴しました。英語の根本的な理解に焦点を当てており、前評判どおり非常に理解しやすかったです。同時に、いつでも立ち返って復習しやすいように重要ポイントをノートにまとめておきました。

スタディサプリ 高3 スタンダードレベル英語<文法編>

50万の英語スクールへ(2023.03-2023.10)

文法の基礎を固めた後、より効果的な学習法を模索し、英語スクールやコーチングに投資することを決意しました。

そんな中、気になったのがLiberty English Academy
ここは、日英の言語構造の違いを理解し、小手先のテクニックではなく、グラマーテーブルという独自のメソッドを使って、本物の英語力を届ける、といったコンセプトでした。
このLIBERTYの『藤川メソッド・グラマーテーブル』に加え、実際の受講生の成功体験談、最初のカウンセリングでの自信ある話から、ここに決めました。

実際にグラマーテーブルのオンライン講義を通して、(わかりやすく言語化するのが難しいのですが)これまでの文法ルールを体系的に学ぶことができました。この独自のアプローチは、従来の英語学習とは異なり、Verb(動詞)を中心に明確な語順を意識した英語の本質を追求しており、それらを応用することでネイティブ的な思考、いわゆる”英語脳”を作り上げるというものです。また、学習効果を高めるための音読が推奨されていたため、受講期間は講義で扱った問題演習を使って音読トレーニングを実施していました。

数ヶ月同じトレーニングを継続し、徐々にIELTSのリーディングパッセージが読みやすくなったと感じ始めたため、そろそろスコアも上がってそうという期待を胸に、Liberty入会から約半年後に2回目(2023.08.13)の本試験に挑みました。
しかし、結果的にはリーディングとリスニングのスコアがどちらも下がっていました。確かに久しぶりのIELTSで試験慣れしていなかったり、前日の体調不良も影響していたとはいえ、とても落胆しました。1ヶ月後にも再度試験を受けましたが、スコアは大きく変わらず、特にリスニングに関しては5.0という悲惨な結果。この期間には、海外大学院への出願準備も控えており、プレッシャーは一層高まっていました。
一方、グラマーテーブルコース終了後は、SpeakingとWritingに特化したコースも用意されているのですが、これがIELTSのS/Wと相性が悪く、サービス面での不満も重なり、途中で断念しました。この経験については、個人的な見解が含まれますので、詳細知りたい方は有料記事もご検討ください。

普段の勉強法を大幅に軌道修正(2023.10-2024.01)

IELTS専門の先生を求め、X(https://twitter.com/IELTS_expert)での発信を通して知ったKumiko先生のメール講座に登録しました。ある日、無料カウンセリングをしてくれるということだったので、自身の勉強方法、目標スコア、期限などをメールを通して共有しました。すると、今までやっていた勉強法(Libertyに教わったこと)が非効率だったことに気付かされ、改善のための具体的なアドバイスをもらえました。これまで、1000人以上のIELTS受験者を指導した経験があり、他スクールと比較しても受講料が手頃だったため、Kumiko先生のIELTSオンライン講座の受講を決めました。

  • リーディングとリスニング

これまではOverallのスコアがずっと5.5で停滞していたため、とにかく試験形式に慣れることを目的に、週2くらいのペースで公式問題集を解いていましたが、Kumiko先生より、本番形式で実践するのは週1回で十分で、それよりも1回分の模試で間違えた箇所を中心に徹底的に分析・復習することを推奨されました(分析のやり方は講座内で解説されています)。それ以外は、多読や音読、シャドーイングなど自分の弱みを補強する学習に割くように指導されました。私の場合は、特にリスニングが苦手だったため、実際のIELTSよりも簡単な教材『NEWぐんぐん英語力がアップする音読パッケージトレーニング 中級レベル』を使い、要約→音読→シャドーイングのサイクルとして毎日続けました。
ちなみに、自分が書いた要約の正確性についてはChatGPTに評価してもらいます。
※一般的に、まずペルソナを設定したり、言語モデルが理解しやすいよう記号で区切るといった指示が良いプロンプトとされています。(プロンプトに入れる英語原文が少量であれば、そこまで構造的に書く必要はない)

あなたは優秀な英語教師です。
あなたの役割は、英語の原文に対する、人間の書いた日本語の要約文を添削観点に沿って、フィードバックすることです。

### 英語の原文 ###
```
{ここにスクリプトを入れる}
```

### 人間の書いた要約文 ###
```
{ここに自分の要約文を入れる}
```

### 添削観点 ###
1. 単なる日本語訳になっていないか。
2. 適切な分量か。
3. 主要な情報や意味が失われていないか。
4. 要約が原文の意味を忠実に反映しているか。
5. 要約が簡潔で読みやすいか。

その他、PodcastやYoutubeも利用し積極的に英語に触れ続けた結果、5,6回目の試験では両方ともリスニング7.0を取得できるくらいまで向上しました。

  • スピーキング

まず、日本人のスピーキングスコアは世界で最も低いらしいですね、、、

これまでのスピーキング対策は、気が向いたときにオンライン英会話を行い、話しやすいトピックを事前に仕込んでおく程度でした。しかし、いざ本試験になると、その場で考え込んでしまったり、文法の間違いを訂正してしまったりで自然な会話ができず、スコアは5.5でずっと停滞していました。こちらに関しても、Kumiko先生の講座を通して、流暢性を向上させることを重点に置いた練習を意識しました。
体育会系な方法ですが、IELTSのPart1とPart2の予想問題を利用して徹底的にネタづくりをし、毎日最低1時間の独り言を継続した結果、驚くことにスピーキングスコアが7.5まで一気に上昇しました。

別の記事にて、短期間でスコアアップできた要因をもう少し詳細に書いています。

  • ライティング

ライティングは十分な対策時間を確保できず、スコアは6.0に留まりました。Task1において、レポートが単調にならないよう、主語のバリエーションを増やすことに意識を向けていた程度です。

例えば、以下のPie Chartの場合

- The composition ratio varies significantly~
- The proportion allocated to housing in 1950 took the largest share~
- A distinct rise in food expenditures can be seen~
- There is almost no change in the figure for education~

https://ieltsliz.com/ielts-sample-chart-for-writing-task-1/

Kumiko先生の講座では、Task1とTask2の両方に対して6.5以上を得るためのストラクチャーとノウハウが提供されており、これらを定着させることで、6.5〜7は十分狙えるのではないかなと思います。

今後の英語学習について

IELTSのリーディングスコアは6.5〜7周辺で、思ったほど伸びなかったので、もっと多読の機会を増やしていきたいですね。たくさん文章に触れることで、不自然な言い回しも減り、ライティングスキルも自然と向上していくとと思うので。以下の動画で紹介されているLangakuもインストールして読み始めています。

また、今回のスピーキングスコアはあくまで試験対策による成果なので、実際に現場で通用するレベルには到底及んでいません。今後も、独り言も含めて英語思考に近づけるためのトレーニングを続けていければと考えています。

英語スクールのリアルな体験レビュー

私はこれまで、Liberty English Academy、Kumiko先生のIELTS講座、そしてIELTS勉強開始前に入会したGSETを含む、3つのスクールに通った経験があります。

ウェブサイトでは各スクールの良い面しか強調されていませんが、私のリアルな感想をここで共有します。

以下は、費用、教材の質、スタッフのサポートに基づく私の評価です。

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