見出し画像

日食なつこ ワンマンライブ『白亜』

2021年7月2日(金) ヒューリックホール東京


セットリスト

01 跳躍
02 seasoning
03 perennial
04 ワールドマーチ
05 あのデパート
06 真夏のダイナソー
07 なだれ(新曲)
08 空中裁判
09 エピゴウネ
10 ヘールボップ
11 百万里
12 水流のロック
13 ダンツァーレ
14 音楽のすゝめ

私にとって初生なつこさんでした。
「本領発揮」で日食ワールドにどっぷりはまり、待ち望んだ有観客ライブ。
この目に、耳に、心に刻みつけてこようと覚悟を決めて行ってきました。

ライブ中は一音一言も逃さず聴きたいという欲張りな心が発動しますが、終了後はただの燃え殻です。一個人の感想ということで、もろもろ大目に見ていただけるとありがたいです。

モノクロの恐竜たちがスクリーンを歩き回るところから始まり、アンモナイトの化石をバックに歌う「跳躍」。1曲目は何だろうと考えていましたが、跳躍から新しい一歩が始まるというのがとてもいいなと思いました。

相手は人間なんだから 口に出さなきゃ分かり合えない

これ、ほんとにそうだなぁって年を重ねるごとに思います。
察してっていうのはエゴでしかなくて、勇気出していくしかないんですよね。日食さんにはいつも背中を押されるなぁ。

(余談ですが、最初の数曲はマイクの音量がやや小さく感じました。私が緊張していただけかもしれないです・・・。)

「seasoning」と「perennial」も生で聴きたかった曲。(それ言ったら全曲聴きたいですけどね。)特に「seasoning」は、心身の疲労がピークのときにいつも聴きたくなります。去年はめちゃくちゃ聴きました。

完璧な人生を欲しがる前に
今日笑ったかどうかを確かめろよ
まだ生まれてもいない未来に期待はすんなよ

日食さんの歌詞は、心の中に刻んでおきたい言葉ばかりです。このコロナ禍で、今まで以上にこの言葉が胸に刺さります。

流れるように進む中で、ぐっときたのが「ワールドマーチ」。涙をこらえて聴いていました。脳内でドラムロールが鳴っていて、でもここにはkomakiさんがいなくて、目の前で日食さんが一人で戦っているように見えて。その強さと歌詞の優しさが相まって、序盤なのにぐわーっと感情が押し寄せてきました。komakiさん、元気に戻ってきてくれるといいな。

「あのデパート」では自分の幼い頃に出かけたデパートを思い出しました。映像とピアノと日食さんの声によって、それぞれの「あのデパート」がよみがえったのではないでしょうか。

「真夏のダイナソー」でヒューリックホールにダイナソーが現われたところで、新曲「なだれ」。Twitterでも書いたのですが、歌の途中で日食さんが客席を見ながら手をすっと伸ばしたところで心を撃ち抜かれました・・・。ピアノ弾き語りだと基本ずっと横顔を見ているわけじゃないですか。そこに不意打ちですよ。そりゃー撃ち抜かれますよ。いやーもうかっこいいし、大好きです。どんどんやっていただきたい。

ここからは後半戦。「空中裁判」あたりから会場の熱が高まっていくのを感じました。お客さんも精一杯の拍手で気持ちを伝えて、日食さんもそれを受け止めてくれて。やっぱりライブはいいなって思います。「エピゴウネ」は日食さんの影が背後に大きく映っていたのと赤いライトがやけに不気味で最高にかっこよくて、「ヘールボップ」は立ち上がって身体を揺らしたくてうずうずしていました。「百万里」ではどこまでも広がる青い草の地平が確かに見えました。

そうそう、どのタイミングのMCか忘れてしまったのですが、衣装の話もしていました。はじめはミゼレーレ用に考えていたけれど、寒すぎて無理ってことで白亜に合わせて改めて買いに行ったとのこと。淡い紫でとても素敵でした。あと、最初のほうのMCで「私のファンはみんな優しくて、私のことを全肯定してくれるんですけど、くれぐれも詐欺とかに引っかからないように・・・」という話もしていましたね。そして「ドリップ・アンチ・フリーズTour」の発表もありました。ツアーはやるだろうなと予想していましたが、まさかこんなにたくさん回るとは。素直に嬉しかったです。

歌はもちろんなのですが、話し方とか立ち振る舞いとか全ていいんですよね・・・。これはね、日食さんを全肯定するしかないですよ。もう全てがいいんだから。

日食さんが「立つ?立つのはいいんだって。」と言ってくれたところから、呼応するようにみんなが立ち上がって会場の空気も最高潮に。この一体感がライブの醍醐味だと、忘れていた感覚を思い出しました。そして「水流のロック」か「ダンツァーレ」のあたりで、日食さんが客席を見て「いい眺めだ」って言ったところで私の心は完全にもっていかれました。日食さんもお客さんもこの空間を心から楽しんでいるからこその一言。このライブで一番幸せな瞬間でした。

最後は「音楽のすゝめ」。一つ、二つ、三つって指でやってたのとか、いちいちかっこいいです。極めつけは「お前に幸あれ」でしょう!全方向に指差してくれて、ありがとうございます。しかと受け取りました。(と、みんなが思っているはず。)

初生なつこさん、あっという間に終わりました。
「音楽のすゝめ」で「五つ、神様みたいに信じすぎないこと」ってあるけれど無理そうです。そんな大人になれない未熟者だということが今回のライブでよくわかりました。精進せねば。

「流れ続けてください。その先でいつか会いましょう」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?